スキルアップ Vol.579

20代が覚えておきたい、自分に合ったクレジットカードの見つけ方【連載:マネーの失敗学】

プロがこっそり教えるお金の知恵
マネーの失敗学
将来のライフイベントを見据えると、今からお金の備えは必須――でも、すぐに給料が増えるわけじゃないし、今の仕事だっていつまで続くか分からない。そう考えると、20’s世代はお金で失敗しているヒマなんてない! そこで、マネーコンサルタントの頼藤太希さんが、若手がやりがちな「お金にまつわるしくじり」とその教訓を伝授。新時代を賢く生きるお金の知恵を伝えます!
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マネーコンサルタント/(株)Money&You代表取締役 頼藤 太希さん慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けお金の総合相談サイト「FP Cafe」、女性向けマネーメディア「Mocha」などを運営。マネーに関するコラム執筆、書籍の執筆・監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は「つみたてNISAでお金は勝手に増えていく!」(スタンダーズ)、「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。

クレジットカード選びに悩む20代は多いもの。そこで今回は、よくあるクレジットカードの“しくじり”を紹介します。失敗例を参考に、自分に合ったクレジットカードを見つけましょう!

クレジットカードのしくじり1:使っていないクレジットカードの年会費を払い続けている

いろいろと目移りしてクレジットカードを作りすぎてしまい、一部のカードに年会費がかかっていたことを知らずに支払い続けているという人も多いです。特に「条件つき年会費無料」というケースには注意しましょう。

例えば、
・初年度のみ年会費無料(2年目以降は年会費が発生)
・1年以内に一度以上(もしくは定額以上。年5万円前後のものが多い)の利用があれば年会費無料
・リボ払いの申し込みをすれば年会費無料
・WEB明細にすれば年会費無料
・学生は年会費無料(社会人になったら年会費が発生)

などです。

よく使うクレジットカードであれば、「1年以内に一度以上(もしくは一定金額以上)利用」の条件はクリアできるでしょうが、使っていないカードには注意が必要ですね。特に、ポイント還元率が高いクレジットカードには、このような条件が付いていることが多いです。

そして20代の方に多いのが、学生時代に加入したクレジットカードを社会人になっても利用し続けているケース。在学中は無料でも、社会人になったら有料となるカードも多く、気づかないうちに年会費を支払い続けていることになります。

使っていないクレジットカードは解約し、無駄な年会費を払わないようにしましょう。

クレジットカードのしくじり2:カードを持ち過ぎている

クレジットカードをたくさん持っていると、ローンを組む時に影響があります。キャッシングやリボ払いの利用枠が、住宅ローンなどの借入額に影響するのです。

金融機関から借り入れをする時(ローンを組む時)には、無理なく返せる金額の算出に返済比率(返済負担率)が用いられます。これは一般的に30%前後であることが多く、例えば年収が400万円であれば、1年間の返済額上限は120万円。この時、クレジットカードのリボ払いやキャッシング枠があると、その分も返済額に加算されることがあり、希望通りの借り入れ金額でローンが組めないことがあるのです。

やみくもにカードをつくるのではなく、使用していないものはすぐに解約しておきましょう。

自分にあったクレジットカードの基準1:「日常の行動範囲」を考えて選ぶ

さて、ここからは自分に合ったクレジットカードの選び方をお伝えします。クレジットカードのメリットは、キャッシュレスでいつでもどこでも気軽に決済できるところ。さらに、決済するたびに「ポイント」が貯まるところでしょう。

ポイントを効率よく貯めれば、そのポイントで商品やサービスと引き換えたり、最近ではポイントで投資ができるサービスもあります。(※ポイント投資は、楽天カードでたまる「楽天ポイント」や、セゾンカードの「永久不滅ポイント」などで行うことができます)

どこで使えるポイントが貯まるのか、どんな恩恵が受けられるのか。日々の行動範囲を考えて、ライフスタイルに合ったカードを選び、利用することが大切です。

クレジットカードは、ライフスタイル別に「銀行系カード」、「流通系カード」、「交通系カード」、「石油系カード」などに分けられます。

●住宅ローンや定期預金など銀行をよく活用するなら「銀行系カード」
「銀行系カード」は、その名のとおり銀行が発行しているクレジットカード。キャッシュカードとクレジット機能が一体化されているなど、銀行ならではのサービスが特徴です。利用額や利用頻度に応じて振込手数料やATM手数料が優遇される場合があります。

●スーパー・百貨店、ECサイトで買い物をするなら「流通系カード」
「流通系カード」は、スーパー・百貨店、ECサイトが発行しています。割引などの特典やポイントサービスが充実しているものが多いのが特徴です。買い物をよくする人であれば、すぐにポイントが貯まるので、使い勝手がいいでしょう。

●飛行機や電車をよく利用するなら「交通系カード」
「交通系カード」は、航空会社や鉄道会社が発行しています。飛行機のマイレージが貯まりやすくなっていたり、定期券購入に使えたりと、飛行機や電車をよく利用する人にはメリットが大きく、おすすめできるカードです。

●自動車をよく利用するなら「石油系カード」
石油系カードは、石油会社が発行しています。ガソリン代が値引きになるのが、石油系カードの最大の特徴。自動車をよく利用する人には、うれしいサービスですね。他にも、ロードサービスでの特典も充実しています。

自分にあったクレジットカードの基準2:ポイントの「還元率」と「年会費」

候補が絞られてきたら、次にチェックしたいのが、ポイントの「還元率」と「年会費」

まず、「還元率」についてですが、いくらの金額利用で何ポイント付与されるか、1ポイントにどのくらいの価値があるのかはクレジットカードによってさまざまです。ポイントがたくさん付与されるのがいいとは言い切れず、ポイントの持つ価値が高いことが大切です。

例えば、1000円で1ポイント貯まり、1ポイントの価値が10円なら「10円÷1000円×100%」=還元率は1%となります。

ただし、還元率が高いカードは、年会費がかかることが多いので、年会費がかかっても、元がとれるのかどうか事前に確認する必要があります。年会費の元が取れるかどうかは「年会費÷還元率」で計算することができます。

年会費が2000円で還元率が2%の場合、年間で10万円(2000円÷2%)以上利用すれば、年会費がかかってもクレジットカードを利用する価値があるということです。クレジットカードを選ぶときには、「年会費」と「還元率」の両方を見て選びましょう。

失敗例を参考に、不要なクレジットカードを整理・解約し、「日常の行動範囲」と、ポイントの「還元率」と「年会費」の2つの基準をもとに、自分に合ったクレジットカードを見つけてくださいね。

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