キャリア Vol.584

HIP HOP界のカリスマ・晋平太の「会社員向けラップ講座“レペゼンLOCAL”」が話題――ビジネスマンよ、仕事にレペゼンマインドを持て!

「君たちは、自分の仕事に“レぺゼンマインド”を持っているか?」

――レペゼンマインド(=Represent mind)とは、何かを代表すること、誇りに思うこと、愛することのブレない意思。HIPHOP文化のコア的要素である。

人々が何かに打ち込む上で“レペゼンマインド”を強く持つことが、幸せな人生に繋がると語るのは、ラッパーの晋平太さんだ。

ミュージシャンとして音源制作の傍ら、多くのMCバトル大会で数々のタイトルを手にしてきた晋平太さん。人気番組『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日)では、前人未到の完全制覇を達成した。

HIPHOPの分野で数々の栄冠を手にしてきた彼が、“ラップの伝道師”として企業向けにワークショップを行っていることが話題だ。「ラップを通して、仕事へのレぺゼンマインドを身に付けることができる」と語る彼の講座を紹介しよう。

晋平太(しんぺいた) さん

1983年東京都生まれ、埼玉県狭山市育ち。2004年にアルバム『SHOW ME LOVE』でデビュー。フリースタイル(即興)のMCバトルを得意とし、数多くの大会で優勝。05年『B-BOY PARK MC BATTLE』、10年、11年『ULTIMATE MC BATTLE(UMB)』で2連覇を果たし、さらに地上波唯一のラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日)では史上初の完全制覇を達成。現在は学習支援教室でのラップ講座や企業向けワークショップなど、ラップの新たな可能性を開拓中。
レペゼンLOCAL公式サイト
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なぜ今「ラップ」を作るワークショップが人気?

都内某所で、晋平太さんの「自分たちの仕事を『社歌ラップ』で表現する」ワークショップ『レペゼンLOCAL』が開催された。「ラップ」や「HIPHOP」というと、ダボダボの服を着たイカついお兄さんたちが好むような、少しアンダーグラウンドなイメージが(少なくとも筆者には)あるが……なぜ今“企業”でラップ講座を行うのだろう?

「確かに、ラップというと“ディスり合い”みたいな怖いイメージがある人も多いと思います。でも実は、ラップって自分の気持ちや今考えていることを自由に表現する手段。つまり“自己表現”の一つですね。ラップにはルールがないので、表現の幅も広いし初心者でも参加しやすいんです。自分の本音をリズムに乗せてラップとして表現することで、ストレス解消にも繋がる。実は会社員の人にこそ、取り入れてみてほしいんですよ」(晋平太さん)

今回の講座参加者は、普段はWebサービス系企業で営業職として働く人たち。特段「ラップ好き」というわけではない、普通の会社員だ。

晋平太

「晋平太さんに会いたくて、ミーハー心で来てみました!」と集まった営業マンたち……もちろんラップ経験者はゼロ

「ラップはいわゆる、言葉遊びの一つ。難しく考えることはないんです。まずは自分の自己紹介ラップを作ってみましょう」(晋平太さん)

その一言に、少しざわつく会場。「え、ラップなんて作ったことないんだけど……」と不安な声も聞こえてきたが、晋平太さんがお手本を見せながら、上手く場をリードしていく。

晋平太

韻を踏むとは、「同じ音を持つ言葉やフレーズをつなげて、リズミカルに話すこと」。

まずは「自分の名前で韻を踏む」というところから、自己紹介ラップ作りがスタート。

「俺の名前は晋平太(TA)、〇〇だ(DA)」、
「俺のレぺゼン(出身)は埼玉の佐山(SAYAMA)、緑豊かなお茶の街だから(DAKARA)」、

など、自分の名前・出身地などを元に、韻を踏みながらリズムを作っていく。

参加者たちも、慣れないリリック(歌詞)作りに頭をフル回転させ、言葉をひねり出していった。ラップには、難しくも面白いパズルのようなエンタメ性があるようだ。

社歌ラップ作りは、「ただ楽しい」だけじゃなかった

始めは口数も少なく照れていた様子の参加者たちも、徐々にリズムに乗るのが楽しくなってきた模様。今にもラップバトルが始まりそうな(!?)雰囲気の中、本日のメインイベントである「社歌ラップ」作りが始まった。

晋平太

会社の特徴も入れたいし、リズミカルにもしたい……簡単そうに見えて、なかなか奥が深いラップ作り

「うちの会社は、社員同士が仲良いからその要素をいれてみよう。
上司との距離がフランク、褒めてもらって抜け出すスランプ”なんてどうかな?」
「でもテレアポは辛いよね、大変なことも入れてみよう。やる気、根気、本気とかはキーワードかも」
「競合他社との勝負が激しい業界だから、“競合とのサバイブ”と、“他社との勝負”で語呂合わせするのはどう?」

など、参加者から自由なアイデアがどんどん出てくる。
自分たちの企業やサービスに関して「良いところ」「悪いところ」「あるべき姿」などを考え抜き、晋平太さんが意見を吸い上げ、ラップのカタチにしていった。

最後は皆で、社歌ラップを大合唱!

晋平太

最後は作った社歌ラップを、参加者全員で大合唱。中には「YO!YO!」と手を振りながら踊りだす参加者まで!終始ノリノリで、晋平太さんのラップ講座は幕を閉じた。

参加者たちに感想を聞くと、
「何となくラップって面白そうだな、と思ってノリで参加してみたけれど、意外と奥が深かった……自分たちの仕事のこと、会社のことを考えるきっかけになった
「自分たちの“レぺゼン”がどこにあるのか、言語化できたのでよかった
「普段とは違う手法で、会社のことを考えられるのは面白い」
との前向きな声。多くの人が、ラップを通して新しい価値観を醸成させることができたようだ。

最後に晋平太さんに、「企業向けラップ講座」の感想を聞いた。

「今日みたいに、普通の会社員でも意外とノリノリで参加してくれるんですよ。自分を自由に表現するって、普段の業務ではなかなか機会がないけれど、本来ならビジネスやキャリアにおいてとても大事なことだと思うんですよね。それがラップという形で表現できるということを伝えたいし、そうして個人がレペゼンマインドを自覚していくことが幸せな仕事人生に繋がると思うんです」(晋平太さん)

自分自身のこと、会社やサービスのことを振り返りながら、仕事への“レペゼン”を醸成する「社歌ラップ」作り。社員間の交流促進にも繋がる晋平太さんのラップ講座では、特別な経験を得ることができそうだ! 気になる方は、ぜひ晋平太さんのサイトをチェックしてみてほしい。

>>晋平太のラップ講座(学生・企業向け)は、『レペゼンLOCAL』公式サイトをチェック!

取材・文・撮影/大室倫子(編集部)


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