有限会社リンクアップスタッフ 代表取締役 テレアポ職人® 竹野恵介氏大学卒業後アルミサッシメーカーに入社、その後生命保険会社にて外交員として勤務。人材紹介会社・人材派遣会社を経て、平成14年に有限会社リンクアップスタッフを設立。近著に『最新版 即効即決! 驚異のテレアポ成功術』がある
テレアポ職人®竹野恵介氏が語った、営業マンが知っておくべき3つの法則
ほとんどの営業マンが一度は通る道、テレアポ。そんな営業マンの基礎とも言うべきテレアポだが、苦手意識を持っている人は少なくない。
「テレアポはコツさえつかめばつらくなくなる」
そう語るのは5月15日に開催された『@type営業適職フェア』の中で、ワークショップの講師を務め、『営業type』で連載『まだそのテレアポやってるの?』を担当するテレアポ職人®こと竹野啓介氏だ。
今回はこのワークショップ内で紹介されたノウハウの中から、特にテレアポに取り組む際に営業マンが身に付けておきたい、3つの法則に注目して紹介する。
【1】テレアポの恐怖心を拭い去る『サシミの法則』
竹野氏によると、テレアポをする営業マンの誰もが一度は持つ感情があるという。それは「テレアポへの恐怖心」だ。ではどうすればその恐怖心を取り除けるのだろうか。その方法とは『サシミの法則』を理解することだという。
「テレアポの相手を『(アポに)好意的・どっちつかず・否定的』の3種類に分けたとき、その割合は3:4:3になります。それが『サシミの法則』です。『否定的』な3割にはどうアプローチしてもアポは取れないので、それは当然だと割り切ることで恐怖心を捨てます。また、今までそこに使っていた時間を『今すぐは予算がない』や『○月までは他社と契約している』、『資料だけ送って』と一度やんわりと断ってくる『どっちつかず』の人に充てれば、より効率的な営業をすることができます」
【2】成約率をアップさせる『ザイアンスの法則』
営業において時間を掛けるべきは『サシミの法則』で仕分けた「どっちつかず」の人。彼らを成約に結びつけるために重要なヒントとなるのが『ザイアンスの法則』だと竹野氏は言う。
「『ザイアンスの法則』は心理学の法則のひとつ。これは、人は接触回数が増えるほど、警戒心が薄れて好意を抱きやすくなるというものです。この法則をテレアポに応用すればいいのです」
基本的にテレアポは効率的にすべき。しかし、『どっちつかず』の人にはあえて、遠回りに見える行動を取るべきだと竹野氏。
「『どっちつかず』の人の『今は時期じゃない』や『資料を送ってほしい』という断り文句を利用すれば、こちらから複数回アプローチすることができます。定期的に連絡をして現状を聞いたり、資料を送ったあと電話で反応を聞いたり。このように何度もコミュニケーションを取ることで、先方のこちらへの印象もグッと良くなるんです」
【3】言いたいことを伝えられる『メラビアンの法則』
しかし、根本のトークスキルに致命的な問題があると、取れるアポも取れない。竹野氏は『メラビアンの法則』を利用することで、こちらの意図を十分に伝えるためには何を意識すべきか分かると語る。
『メラビアンの法則』とは情報伝達における、言語・聴覚・視覚という3つの要素の伝わりやすさを数値化したものだ。それぞれの伝わりやすさを、言語:7%、聴覚:38%、視覚:55%としている。
「営業トークに『メラビアンの法則』を当てはめると、話の内容:7%、話し方:38%、ボディランゲージ:55%となります。このようにしてみると、話の内容はさほど重要でなく、電話で伝えられないボディランゲージが一番大きな要素であることがわかります。『話の内容』はトークスクリプトを作ることで、『ボディランゲージ』は資料の送付で補えます。しかし『話し方』は他のもので補うことができません。だからこそ営業マンはまず、話し方を鍛えるべきだと私は考えます」
最初の30秒の使い方がテレアポを変える
3つの法則を活用した上で話し方には注意すべきだという竹野氏。すぐにできる話し方のコツとして「スピード」と「時間の使い方」を挙げた。
「まずはゆっくり話すこと。そもそも人間の耳は聞き取る文字数に限界があります。にもかかわらず旧時代のテレアポでは早口でまくし立てるような手法が流行っていました。だから早口のテレアポが嫌われるのは当然です。その逆、つまりゆっくり落ち着いて話せば聞き入れてくれる可能性が高いんです」
また、テレアポのトークに関して、最初の30秒が特に重要だと竹野氏は続ける。
「人間の習性として30秒ルールがあります。これはおよそ30秒間は相手がこちらの話を聞いてくれるというもの。その30秒の間に、ゆっくりとテレアポの目的を伝え、相手の現状を聞くというのが、アポ率を高めるセオリーなのです」
竹野氏が今回紹介したノウハウは全て、人間の習性に基づくもの。日々のテレアポがつらいと感じている人は、それを理解し、実践することで、明日からの営業を楽しいものへと変化させることができるかもしれない。
取材・文・撮影/佐藤健太(編集部)
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