転職 Vol.593

27歳男性が、転職で家族と貯金を失った理由【20代の転職失敗談】

type編集部が回避法をレクチャー!
入社した会社でまずは数年頑張らなきゃ、なんて一昔前の話。今では20代の転職希望者も、若手を採用したい企業も増えてきた。 とはいえ「そろそろ自分も……」と思っても、初めての転職は分からないことだらけ。せっかくの貴重な20代を、失敗で終わらせたくない! そこで、typeに訪れた「20代で転職に失敗した人」たちのエピソードを、type編集部のアドバイス付きで紹介。先輩たちの経験談から、‟失敗転職”の回避法を学んでいこう
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27歳(独身男性・年収260万円) F男さんのケース 22歳 医療系の大学を卒業後、個人経営のクリニックに看護師として入社(年収230万円)
24歳 年収アップを目指して、地元で有名な県立病院に転職(年収400万円)
26歳 残業が少ない職場を求めて、市立病院に転職(年収260万円)
転職活動期間:1カ月
希望条件:年収アップが見込める
妥協した条件:残業が多い
応募社数:1社、書類選考通過:1社、1次面接通過:1社、内定社数:1社

働きやすい環境で、特に不満はなかった1社目

大学を卒業後、個人経営の小さなクリニックの看護師としてのキャリアを選ぶことになったF男さん。

「激しい競争が嫌いなので、もともと大きな病院で働きたいとは思っていませんでした。なので、人数が少なくアットホームな個人経営のクリニックに入社したんです。実際入社してみると、好きな時に休むこともでき、職場の人間関係も良好で、とても働きやすい環境。ストレスを感じることは全くなく、何の不満もありませんでした」

しかし、その1社目の会社には一つだけ、不安要素があった。

「仕事に不満はなかったものの、給料が業界水準以下なことに不安はありました。その時は実家暮らしだから何とかなっていましたが、将来結婚などを見据えたときにこのままじゃまずいな、とは常々思っていて。そんな時にタイミングよく、大きな県立病院での看護師募集を見かけたんです。

そこには今よりも150万円も高い年収が提示されていました。クリニックの職場環境が良かった分かなり悩みましたが、同職種への転職だし、募集の締め切りが迫っていたこと、そして“まだ20代だから、もし失敗したとしてもやり直す余裕はあるだろう”と考え、転職する決意を固めたのです。

27歳という年齢も、転職するのにいいタイミングかなと思いました」

クリニックを退職し、背水の陣で挑んだ転職活動

転職を決意したF男さんは、すぐに働いていたクリニックを退職した。

「年収150万円アップ、と提示されていた県立病院に応募しました。その1社しか受けていないので、内定を得ることができなければ、無職で無収入になるか、この歳でフリーターになるか……。まさに背水の陣で転職活動に挑みました。その大病院からは無事内定をもらうことができましたが、今振り返ると、さすがに冒険しすぎですよね(笑)」

地元で名の知れた大病院で働けるというステータスと、年収150万円アップを手に入れ、明るい未来が待っているかのように思えたが……

「実際に入社してみると、“年収150万円以上アップ”は残業手当が含まれたものでした。担当する患者さまの数や、仕事量は今までの倍以上。もちろん定時後でも次から次へと新しい仕事が舞い込むのが当たり前の環境でした。5時間以上残業する日もざらで、毎日の睡眠時間は4時間取れればいい方でした。収入が上がることで、多少の忙しさは覚悟してはいましたが、こんなにも忙しいなんて思わなかったんです。将来の結婚なども見据えて……なんて思っていましたが、女性と出会う暇さえありませんでしたね」

「若いから、失敗しても大丈夫」ではなかった

結局F男さんはこの職場を2年で辞めることになった。当時のことを振り返り「失うものが多すぎた“失敗転職”」だったと、次のように語る。

「始めのうちは『忙しい職場でも、1年も経てば慣れるだろう』と思っていたのですが、結局退職する日まで順応することはありませんでした。今思うと、その間に多くのことを失いましたね。まず、趣味の釣りやドライブをする時間がなくなったので、趣味を通じて知り合った友人とは疎遠になりました。さらに当時は実家に住んでいたので、ストレスによるイライラから家族に当たり散らしてしまい関係が悪化。ストレスから浪費癖もついてしまい、貯金もほとんど使ってしまいました……。若いうちは失敗しても良いとは思っていましたが、あまりにもその代償が大きすぎましたね。結局現在は、収入は減ったものの、残業も少なく落ち着いて仕事ができる市民病院で働いています」

type編集部からのアドバイスをCHECK!

F男さんのように、「失敗できるのは20代のうちだけ、27歳のいまはタイミングも良いし」、「まだ若いし、失うものなんてない」と、深く考えずに好条件の仕事に飛びついてしまうケースは少なくありません。

しかし、年収がアップする、など好条件の求人には何か理由があるものです。例えば、年収アップといっても今回のように仕事量が多く、残業手当を含んでいたり、高いノルマをクリアした人だけが貰えるインセンティブが含まれている場合もあります。F男さんも「多少忙しくなることは想像していた」とのことでしたが、少し目測が甘かったのかもしれませんね。好条件の求人は、必ず仕事内容をチェックし、好条件の理由を探りましょう。

また今回のF男さんは、仕事を退職してから転職活動を始めたこともあり、知らず知らずのうちに焦って転職先を決めてしまったのではないでしょうか。精神的なゆとりを持ち、条件をしっかり確認しながら仕事を選択するためにも、転職活動は計画的に行なうようにしましょう!

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文/於ありさ


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