お金がない人に共通する4つの習慣とその対策【連載:マネーの失敗学】
マネーコンサルタント/(株)Money&You代表取締役 頼藤 太希さん慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けお金の総合相談サイト「FP Cafe」、女性向けマネーメディア「Mocha」などを運営。マネーに関するコラム執筆、書籍の執筆・監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は「つみたてNISAでお金は勝手に増えていく!」(スタンダーズ)、「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など多数。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。
今回は、「なぜかいつもお金がない……」という人に共通する4つの習慣を紹介します。もし4つの習慣に当てはまったとしても、「お金が貯まる習慣」を身に付ければ、お金が貯まる人になれますよ!一緒に見ていきましょう。
お金がない人の習慣1:「何に」「いくら」使ったのかを把握していない
一般的に、「お金に困っていない人・貯蓄している人=収入が多い人」というイメージがあると思いますが、世の中には、年収300万円でも貯蓄1000万円の人もいれば、年収1000万円でも貯蓄100万円の人もいます。
「収入があるから、お金が貯まる」というわけではない。それはなぜなのでしょうか?
お金がある人、困っていない人、堅実に貯蓄できている人を見ていると共通して、「収入」よりも、「支出」に気を配っています。光熱費・通信費などの固定費や、食費・交際費・趣味費・被服費などの変動費の各支出費目には大まかに予算を設定して管理しているので、家計が赤字になることなく、着実に貯蓄もできています。
一方、お金がない人は支出に気を配らず、「何となくお金を使っている」という状態です。現金社会からキャッシュレス社会へ移行している現代で、クレジットカードや電子マネーを活用していると、特にこの「何となく」お金を使うことは多くなりがちです。
1回に支払う金額が数百円程度と小さい、スマホゲームの課金、スタバやドトールで買うコーヒー、コンビニで買うドリンク・スイーツなどは、何も考えずに使ってしまいがち。ですが、小さい金額でも積み重なればまとまった金額になることもあります。その結果、いつの間にか財布や銀行口座にお金がない状況に陥ってしまうわけです。
まずは、1カ月分のレシート、クレジットカード明細、電子マネーの購買履歴などで自分の支出傾向を確認しましょう。1カ月が難しければ、1週間分の購買履歴だけでも自分の支出傾向が見えてくるものです。
支出傾向が分かれば、次は費目別に予算を設定し、その予算内で消化することを習慣化すること。電子マネーで買い物している場合は、オートチャージをやめて、予め入金した金額内で抑えるように徹底するようにしましょう。
お金がない人の習慣2:普段使っていない、もしくは不要な会費がある
読者の皆さんは、普段使っていない会費を払い続けているということはないでしょうか。こう聞かれた時に、「もしかしたら……」と思うことがある人は要注意です。お金がある人、堅実に貯蓄できている人は支出に気を配っているので、すぐに「ありません」と答えることができます。
まずは、預金通帳を記帳して、クレジットカードの明細書をまとめて、少なくとも1年分は確認してみてください。銀行口座の場合、インターネットバンキングの契約をしていればWeb上で確認できますし、クレジットカードの購買履歴も確認できます。
普段使っていない各種会費、不要な会費の例としては、クレジットカード、スポーツジム、ケーブルテレビ、動画サイト、サプリメント、新聞・雑誌の定期購読、水やお茶などの年間契約、などでしょう。
特にクレジットカードについては、いろいろな条件が付いていることがあります。2年目以降は年会費が必要だったとか、1年以内に一度以上の利用がある限り年会費無料だったとか。詳しくはこちらの記事でもチェックしてみてくださいね。
>>20代が覚えておきたい、自分に合ったクレジットカードの見つけ方【連載:マネーの失敗学】
不要な契約は解約する、スポーツジムは公共施設を利用するなどして節約できる部分を見直してみましょう。またビジネスマンが読む新聞といえば「日本経済新聞」が王道ですが、実はこの購読費も抑えることができますよ。楽天証券や大和証券の口座を開設することで、無料で読むことができるんです。
お金がない人の習慣3:「せっかくだから」「自分へのご褒美」に使うお金が多い
そもそも「お金は使ってなんぼ」の世界。お金とは、自分が叶えたいことに使う手段ですので、お金を使うこと自体に文句は言いません。筆者は、旅行やゲーム・書籍・漫画などに結構お金を使っています。
問題なのは、予算を決めずに「せっかくだから」「自分へのご褒美」という理由でお金を使ってしまうことです。「仕事を頑張ったご褒美に〜~を買おう」、「せっかく旅行に来たんだから奮発しちゃおう」は予算内であれば問題ありませんが、際限なく行ってしまえばお金は無くなってしまいます。
稀な例ですが、「明日死ぬかもしれないから」という理由で、ことあるごとにお金を使う人もいます。昔で言えば、「宵越しのお金は持たない」に近いかもしれませんね。
いつ死ぬかわからないのは誰でもそうだとは思います。だからといってお金を使い切ってしまおうというのは間違いです。そもそも、いつまで生き続けるのかも分かりません。そしていつまで健康に働き続けられるのかも分かりませんし、その仕事がずっと続く保証も、あなたが稼ぎ続けられるかどうかも保証もありません。
以上のことから、自分へのご褒美代は予算を立てて、予算内に抑えること。そして、長生きリスク、働けなくなるリスクを考えて貯蓄や保障として備えておくこと、お金自身にも働いてもらうことを考えておくのが大切です。
お金がない人の習慣4:余ったら貯蓄する
お金がない・貯まらない人の多くは、収入が入ったら、まず使ってしまい「余ったら貯蓄しよう」という行動習慣です。これは「余ったら貯蓄」や「成り行き貯蓄」などと呼ばれる貯蓄法です。
人間は意思が弱いので、余ったら貯蓄しようと思っていると、「今月は飲み会が多かったから、貯蓄しなくてもいいかな」とつい自分に甘くなってしまいます。こうなると収入が多くても少なくても、貯まらないものです。
反対に、お金を貯めている多くの人が実践しているのが「先取り貯蓄」。先取り貯蓄とは、収入が入ってきたらまず貯蓄して、残ったお金で生活することです。
生活口座と貯蓄口座を用意し、収入が入ったら真っ先に振り分けます。そしてその貯蓄も、自動的にできる仕組みを活用しています。その仕組みは、「財形貯蓄」「社内預金」「積立定期預金」「投信積立」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「つみたてNISA」などがあります。
お金が貯まらない人は、まずは手取り収入の2割を目安に、自動的に先取り貯蓄する仕組みを活用して、毎月貯蓄できるようにしましょう。20代のうちに、“貯められる人”になっておきたいですね!
>>詳細はこちら
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