転職 Vol.610

「サービス残業がないこと」が絶対条件! 25歳で気付いた転職活動の落とし穴【20代の転職失敗談】

type編集部が回避法をレクチャー!
入社した会社でまずは数年頑張らなきゃ、なんて一昔前の話。今では20代の転職希望者も、若手を採用したい企業も増えてきた。 とはいえ「そろそろ自分も……」と思っても、初めての転職は分からないことだらけ。せっかくの貴重な20代を、失敗で終わらせたくない! そこで、typeに訪れた「20代で転職に失敗した人」たちのエピソードを、type編集部のアドバイス付きで紹介。先輩たちの経験談から、‟失敗転職”の回避法を学んでいこう
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27歳(男性・年収350万円)F太さんのケース22歳 私立大学を卒業後、中規模の精密機械メーカーに就職(年収300万円)
24歳 大手食品メーカーに事務として転職(年収280万円)
25歳 中小企業の医療機器会社に事務として転職(年収350万円)
転職活動期間:3カ月
希望条件:サービス残業がないこと
妥協した条件:通勤時間が長い
応募社数:30社、書類選考通過:4社、1次面接通過:2社、内定社数:1社

新卒入社した会社は「サービス残業」地獄。
会社への不信感が強まり、転職を決意

大学を卒業後、機械に関わる仕事がしたいと考え、中小規模の精密機械メーカーに就職したF太さん。

「仕事内容自体は面白く、やりがいを感じていました。しかし働く環境がとにかく劣悪で。毎日の残業は当たり前、しかも残業代は支給なし。その上、上司の気に障ればお客さまの前であっても怒鳴られるのが普通でしたね。新卒入社だったので、この状態が普通なのかどうかも分からなかったですし、希望していた仕事ではあったので……1・2年目は我慢する以外にありませんでした。しかし毎日びくびくしながら仕事をすることに嫌気が差し、入社3年目で転職することを決めたのです」

会社への不信感が募り、転職を決意したF太さん。上司に退職の意思を告げたところ、帰ってきたのは意外な一言だった。

「上司に怒られるかもしれないなぁ……と思いながら退職のことを告げたら、『分かった。転職活動は大変だけど、まぁ頑張ってよ』と。それだけでした。止められることもなく、あっけなく退職することになりました」

サービス残業だけは絶対に嫌!
なのに盲点だった「残業時間」

「前職の経験から、サービス残業だけはこりごりだと思っていました。基本給が多少下がっても、残業手当が出るところが良いと考えたんです。なので条件は残業手当がでること、会社の従業員数が50名以上であること、製造業であること、としていました。

だけど50名以上の規模だと、私の前職での勤務歴が短いことを理由に、書類選考すら通りませんでした。そろそろ条件を下げるしかないかと諦めかけていたとき、たまたま応募していた有名企業で、内定がもらえたんです。そこは希望していた製造の仕事ではなく事務職だったのですが、『名が知れた企業』なら『サービス残業はないだろう』と考え、すぐに入社を決めました」

地元の人たちからも「あんなに有名な会社に入るなんて、すごいね」と言われ、誇らしげに過ごしていたF太さん。しかし、実際に働いてみると、想像もしていない日々が待ち受けていた。

「入社前の説明では、『残業は忙しい時期にしかないから』と言われていましたが、実際に入社すると毎日最低でも2時間の残業が当たり前。ときには1日5時間以上残業し、日付が変わってから帰宅することもあったんです。これでは話が違いますよね。

忙しさの原因は、私が入社した時期に複数の社員が辞めてしまったのにも関わらず、会社がその代わりとなる人を雇わなかったから。いくら残業手当が出るとはいえ、基本給が低かったため、年収では20万円以上減ってしまいました。前職よりも残業が増えて、給与は減り、しかも仕事内容も楽しくない。これでは何のために働いているのか分からないと思うようになりました」

結局、F太さんはすぐに転職活動を再開した。1社目も2社目も2年ほど在籍したのち、現在は3社目の会社で不満もなく働いているという。

type編集部からのアドバイスをCHECK!

今回のF太さんが「失敗転職」をしてしまったポイントは、最もこだわっていたはずの「残業」にありました。

まず「残業手当が出るなら、残業自体は問題ない」と判断したことです。残業の2時間を「多い」と感じるか、「少ない」と感じるかは人それぞれ。そのため、実際に入社した後で「残業は少ないといわれていたのに……」とギャップを感じる人は少なくありません。特に20代の転職では、新卒で入社した1社目を基準にしてしまう人も多いです。

感覚値で判断しないためにも、入社前には「残業は多いですか?」と聞くのではなく、「残業は実際に何時間ほど行われていますか?」と具体的な数字を聞いて認識をすり合わせた方が良いでしょう。

また、今回のF太さんのケースのように、「残業手当が出る=十分な給与が保証されている」と考えるのは短絡的です。実際にF太さんは、残業手当は出ても基本給が減ったために、生活は苦しくなってしまいました。実際の残業時間、手当の支給方法、さらには給与や賞与を計算して、年収はどのくらいになるのかまで想定すべきでしたね。

現在は3社目で働いているというF太さん。今回こそは、楽しく働ける環境であることを祈りつつ、今後のご活躍を期待しています!

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文/於ありさ


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