キャリア Vol.629

「キャリアの“極端さ”は、必ず成長の糧になる」吉本興業→海外転職→炭職人!? を経験した男が、サイバーエージェントで働く理由

ひと昔前のように、転職経験がマイナスに捉えられるようなことは少なくなった。とは言え、やはり新しい環境へのチャレンジには不安も大きい。そう二の足を踏んでいる20’sたちに、この人のキャリアを紹介したい。

極端に道を変えながら、新しい環境に飛び込んだ経験が、自分の人生にとって大きなプラスになっています

まっすぐな目でそう語ってくれたのは、現在26歳の田渕耕佑さん。吉本興業のマネージャー、セブ島留学の現地コーディネーター、サイバーエージェントの広告プランナーと、多くの会社を渡り歩いてきた。その間には、炭職人や中古品バイヤーなどの珍しい職業経験もある。

わずか4年の間に、いくつもの“全く違う仕事”を経験した田渕さんに、新しい環境へ飛び込んだ理由や、得られたものについて話を聞いた。

サイバーエージェント
サイバーエージェント 田渕耕佑さん

“面白そうなこと”には貪欲に。
気付けば両極端な職場を選んできた

大阪出身の田渕さんは、2014年に新卒で吉本興業へ入社。ファーストキャリアはお笑い芸人のマネジャーの仕事だ。大阪で「吉本」と言えば、誰もが知っている超有名・人気企業。だが意外にも、強い意志があって吉本を選んだわけではなかったという。

「就職活動の時は、何がやりたいのかまだ定まっていませんでした。漠然とエンタメ業界が面白そうだなと思っていたので、テレビ局やイベント業界なども受けていて。最終的に吉本興業に受かり入社をすることにしました」

担当したのは、名だたるベテラン勢の芸人ばかり。学びは大きかったものの、多忙な芸人を支えるマネージャーはとにかく忙しい。プライベートと仕事の境目がなく、常に仕事のことを考える毎日が続いた。

「芸人さんが第一の仕事なので、いつどんな時でも対応できる状態でいないと、と常に気を張っていました。休みの日はもちろん、トイレに行くときも常に仕事の携帯を気にしているような状態で(笑)。中にはうまく時間をやりくりしている同僚もいましたが、自分にはそれができなかった。さまざまな面で限界を感じ、2年半ほど働いて会社を辞めることにしました」

田渕さんが次に選んだキャリアは、セブ島の英会話留学代行業の現地コーディネーター。なんと、Facebookを眺めていて偶然見つけた人に、メッセージを送ったことがきっかけだという。

「知り合いではなかったのですが、フィリピンのセブ島で暮らしている何やら面白そうな日本人がいるな、と気になって連絡をしてみたんです。そしたら、すぐに意気投合し、直観のとおり彼はとても魅力的な人でした。その時、きっとこの人の近くにいたら、自分も面白い経験ができるんじゃないか。そう思って、彼が営むセブ島の留学代行業者で働くことを決めました」

フィリピンで第二のキャリアをスタートさせた田渕さん。フィリピンは家庭や休みを大事にする習慣がある国だ。定時になったら仕事を切り上げられ、休みもしっかり取ることができていた。

「最初のうちは、英語が分からずコミュニケーションも上手く取れなかったんです。社員は自分を含めて3人。それぞれの仕事があるので、同僚に頼り続けることもできない。分からないながらも、自分で何とかするしかない状況でしたので、仕事以外の時間で英語の勉強していましたね」

サイバーエージェント

仕事漬けの日々から一転、プライベートの時間を多く取る穏やかな生活。一方で、このままでいいのだろうか、という気持ちも生まれたという。

「フィリピンの日本人コミュニティーで集まることがあるのですが、その中には起業している人、世界中を旅している人など、さまざまな人がいました。やりたいことに向かって突き進んでいるパワフルな人が多かったんです。会社員として働いている自分とは全然違う。自分も動かないと、でも何をしたらいいのだろう……とモヤモヤした気持ちになることもありました」

日本へ帰国後、サイバーエージェントへ。
分からなくても「とにかくやる!」

仕事に対する悶々とした気持ちを抱えながらも、仕事を辞めて帰国。26歳になった田渕さんは、日本で新天地を求めた。中古品を仕入れるバイヤーとして働いてみたり、「地域を盛り上げたい!」と思い立ち、地元の炭職人に弟子入りをしてみたりもした。
そうして3カ月が経ったある日、友人から声をかけられ、サイバーエージェントの社員を紹介された。

「広告の知識も全くなかったので、とりあえず話を聞いてみようくらいの気持ちでした。しかしその時、『知識の有無は関係ない。今できるかどうかじゃなくて、がんばれるかどうか』と言われたことが印象的で。“上を目指して、前向きに突き進むサイバーエージェントの雰囲気”を感じて、面白そうな世界だなと思ったんです」

そうして田渕さんは2018年4月にサイバーエージェントへ入社。インターネット広告事業本部(西日本)で、アカウントプランナーとしてのキャリアをスタートした。未経験の職種は、初めは辛いことも多かった。

「入社当初は、まだ広告業界の知識が及ばず悔しい思いをたくさんしました。でも、分からないからと言ってチャレンジしなかったら、できるようにはならない。とにかくやるしかない。そう思えて頑張れたのは、フィリピンでのチャレンジングな経験も役に立っていますね」

また、今の仕事には吉本興業でマネージャーをしていた時の経験も役立っていると続けた。

「吉本興業で人とじっくり向き合うマネージャーという仕事を経験したことで、『自分を豊かにしてくれるのは周りの人だから、大事にしよう』という気持ちがより強くなりました。
フィリピンで働いていた時も、留学に来てくださった方々に、短い期間の中でいかにおもてなしをするかを常に考えていましたし、今の仕事でも、お客さまや同僚など、周りの人たちとしっかり向き合って関係を築いていくよう心掛けています」

失敗は必ず糧になる。自分の人生に自信を持って

サイバーエージェント

未経験の仕事に次々とチャレンジしてきた 田渕さん。だが、一つの仕事を長く続けた経験がないことに引け目を感じたり、うまくいかないことが続いて落ち込むこともある。そんな時は、これまでの自分を振り返るようにしている。

「こんな経験をしてきた、こんな風に乗り越えてきた……と一つ一つ振り返るうちに、『たくさん失敗してきたけど、全て今に繋がっているから大丈夫』、『今回の失敗を糧にして、次は絶対にやるぞ』と自然と思えるんです。人と比べて落ち込むのではなく、自分の人生に自信を持てるようにすることが大事なのかなと思っています」

人のために極限まで働く環境から、仕事より家族を大事にするフィリピンへ。留学生向けのコーディネーターから、企業向けの広告プランナーへ。極端に道を変えてきた経験から得られたもので、一番プラスになったことは?と聞くと「自分の中に色々な軸が持てるようになったこと」と言い切った。

「どんな時に自分が幸せを感じるのか、いろんな経験をしたおかげで何となく分かるようになってきたんです。そうして自分の中にあるさまざまな軸から物事を考えられるようになりました。考えの偏りがなくなったので、今はすごくバランスがいい状態になったと思います」

最後に、今後のキャリアや展望について聞いてみたら「とにかく全部やりたいです」と笑って答えてくれた。

「今、仕事がすごく楽しいんです。入社して半年ほど経ちましたが、もっとお客さまに良い提案をしていきたい。周りに対しても、追いつけ追い越せ、という気持ちでやっています。もっといろんな仕事をしてみたいし、家族や友達と過ごす時間も大事にしたい。僕、欲張りなんです(笑)。

不安に思うことも、もちろんあります。でも、未来に何が起こるかなんて分からないから、信じて進むしかない。止まっているよりも、好きなことをして生きたほうが楽しいでしょう。妥協せず貪欲に生きていきたいですね」

取材・文/中村英里 撮影/大室倫子(編集部)

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