「ミッションよりビジョンを掲げよ」ミレニアル世代の経営者3人が語る、“言語化”の重要性
副業解禁の動きが進み、1つの企業に縛られずに働く人も増えてきた。同時に、現代のビジネスパーソンはより一層「個の力」を求められるようになってきたといえる。
そんな時代を生き抜く20’sたちは、どのように「自分自身の目標」を設定し、力を伸ばしていくべきなのだろう。
2018年12月12日に、プレイライフ株式会社代表取締役社長 佐藤太一さん、SHE株式会社代表取締役兼CEO中山紗彩さん、株式会社Daria Me横山彩乃さんが登場したイベント、『個人ミッションの言語化が、”あなた” の人生を豊かにする【#me!3rd Presents by Realiser × 東急不動産】』を紹介しよう。
2019年以降、多くの企業が「副業人材」を重視し始める
――これからの時代、個人はどのように企業と関わっていくようになると思いますか? ご自身の会社ではどうでしょう?
佐藤太一(以下、佐藤):弊社では正社員が9名いて、その他に“副業社員”が25名います。副業社員に関しては、「自分が何をやりたいか」ということをきちんと説明できる人を採用していますね。彼ら自身も、自分の時間とお金をしっかり管理していて、「報酬いくらくらいだったら仕事を頑張れそうか?」ということも、自分で決めてもらっています。うちは副業で大きくなった会社なので、副業人材は切っても切り離せないんです。
――副業をしている人自身が「選択する」立場にいるわけですね。横山さんはいかがですか?
横山彩乃(以下、横山):弊社が運営しているメディア『DariaMe』のライターは全員が副業社員です。『DariaMe』が、悩める人を対象としたメディアなこともあって、“感情が高まったときにしか書けない記事”を出しているんです。だから、副業でやってくれているライターさんには記事のノルマや締め切りは設けていません。
――それでメディアが運営できているんでしょうか?
横山:はい。だから1日に4記事更新される日もあれば、2記事更新される日もあるくらいまちまち。でも、書きたいときに書く、無理しない、というスタンスで関わってくれています。
――中山さんはいかがですか?
中山紗彩(以下、中山):弊社の場合、自社で開催しているレッスン『SHE likes』の卒業生を入れると、副業人材は何百人といますね。以前は、正社員しかとらないという会社も多かったと思いますが、世の中的にも副業は普通になってきているし、これからどんどん増えると思います。
佐藤:本当にそう思います。うちでも今、2つの新規事業を立ち上げようとしているんですけど、どちらも中心として回してくれているのは副業人材です。
――副業人材を採用する企業側のメリットも注目され始めてきていますよね。
佐藤:副業人材の場合、優秀な方も多いですし、時間が限られている分仕事のスピード感もあります。一緒にプロジェクトを進める際は、僕らが経験したことないような突破口をつくってくれたりするので、いろいろな知識を持ち寄ってもらえることはとても魅力的ですよね。
個人の時代に掲げるべきは「ミッション」ではなく「ビジョン」だ
――“個の時代”と言われるからには「個人としての目標」の設定も大事かと思います。皆さんはそれぞれどうお考えですか?
横山:私の場合、もともと生きづらさを感じてきたからというのもあって、個人ミッションはめちゃくちゃ低いんです。言うなら「生きているだけでもミッション達成」なんですよ(笑)。その一方で、掲げる「ビジョン」は高くしています。
――「どんな人になりたいか」という“ビジョン”ということですね。
横山:自分がどうありたいか、会社がどうありたいか、のビジョンは言語化して持っていますね。ビジョンを高くするということは、どれだけ突っ走れるかということですから。無理はしないようにしているので「ミッション」は低く。でも「ビジョン」は高くいたいです。
――佐藤さんはいかがですか?
佐藤:僕もミッションは高く持っていないですね。でもビジョンは、子どもの頃から何も変わっていません。僕には子どもの頃に作った13個の夢があって、「タイムマシーンに乗りたい」とか「お城でティーパーティーをする」とか。かなり具体的にあって、それらを叶えたいとは常々思っているんですよね。これらを単純に個人の夢として実現するのか、事業として実現するのか、手段はいくつかあると思うんですけど、そのビジョンを達成するために日々生活しているという感じです。
中山:お二人がお話していることを聞いていると、要するに人からの見え方ではなく「自分の核やビジョンをブラさないこと」が大事なのかなと思います。あと、個人的に思うのは「これをやりたい」と思えること、心から成し遂げたいことがあるなら、それを信じてしっかり心に持ち続けてほしい。それを1歩1歩、進めていくことが良いのかなって思います。
さまざまな企業から「個の力」が求められる今、私たちが鍛えていくべきは、自分自身でキャリアを描き、選択していく力だ。そのために、20代のうちに自分が叶えたい「ビジョン」を言語化できるようにしたい。同年代のリーダーたちからは、そんな姿が学べた。
取材・文/於ありさ
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