20代リーダー3人が語る、“個人の夢”を実現するための企業との付き合い方
2018年12月12日、渋谷にて『「私」を生きるための新時代の働き方戦略会議』が開催された。
そこで『新時代の企業のあり方』をテーマにトークセッションを行ったのは、株式会社Realiser代表取締役兼CEO 大引夏子さん、株式会社ラブグラフ代表取締役 駒下純兵さん、株式会社Yutori代表取締役 片石貴展さんの3人だ。
彼らが語った内容から、20’sが「個人の夢」を実現するために、どのように企業と付き合っていけばいいのか、そのヒントが見えてきた。
「ビジョンマッチング」が会社と個人を幸せにする
――3人は「会社と個人」の関係について、どうお考えですか?
大引夏子(以下、大引):うちの会社では「個人の夢は何なのか」「成し遂げるためにどうしたいのか」ということを採用の際にかなり詳しく聞いています。会社と個人のビジョンがマッチがしていれば、会社でも高いパフォーマンスを発揮してくれるのかな、と感じているのですが、駒下さんはどうでしょうか?
駒下純兵(以下、駒下): うちもビジョンマッチしている人を重視して採用するようにしていますね。片石さんとも話していたのですが、ビジョンマッチしていないと違う方向に進んでしまうので、お互いに地獄だなって思います(笑)。だから、マッチしているからパフォーマンスが上がるというより、マッチしてないと力が出ない、という言い方の方がしっくりきます。逆に働く個人側から見ても、ビジョンがマッチする会社の方が、働いていて楽しいんじゃないかなって思います。
片石貴展(以下、片石):たしかに、ビジョンがマッチしないとお互いが苦しくなってしまいますよね。
駒下:グーグルの採用基準にも「飛行機が欠航になったとき、空港でその人と一晩一緒に過ごして、夜通し語り明かせるかどうか」というものがあるらしいんです。これをビジョンマッチというと少し大げさですが、予期せぬ事態でもずっと一緒に話せるくらい、思想が似ている人がいいですね。サシで飲みに行けるかどうか、っていうのに似ていると思うんですけど。
片石:間違いないですね。僕らの場合は、事業に対する哲学や思想を大事にしていることもあり、社員は「個人と会社の世界観」を実現するために真剣に仕事に向き合ってくれている人が多い。だから、スキルに長けているだけじゃなくて、社長の僕よりも会社について熱く語れる人が多いんです。そうするとメンバー全体のパフォーマンスも上がるし、居心地がいいなって思いますよ。
駒下:働く仲間って場合によっては家族よりも長くいる人なんで、楽しく同じ方向に進んでいけるかどうかということは重要ですよね。
個人の“強み”はどう探せばいい?
――企業と対等な関係を築くためには、個人側にも強みが必要ですよね。では自分の強みをを見つけて伸ばしてくためには、どうすればいいと思いますか?
大引:「好きなことなんですか?」って聞いて、上手く答えられない人って多いと思うのですが、特技や“好き”って、別にかっこいいことである必要はないんですよね。自分が暇だなって思ったときに、何について考えているかとか、寝る前にSNSで何をチェックしているかっていうのを考えてみたら、それが自分の強みだったりしますよ。
駒下:僕の場合は2つあって、まずは「大きな声を出すこと」が大事だと思っています。今の時代って、スキルがなくても「これをやりたい!」と思って声をあげたら、周りが協力してくれて、実現できたりするんですよね。その「大きな声」は、仲間内で発してもいいし、ネット上で発してもいいわけです。
2つ目は、手段と目的を分けること。僕は『ラブグラフ』というカップルや家族向けの写真サービスをやっているんですが、もともと「写真を撮りたい」ではなく「事業で人を幸せにしたい」が目的だったんですね。だから今、自分が写真を撮ることよりも、ビジネスサイドの仕事が増えて楽しいんです。
だから例えば「ライターになりたい」と言っても、文字を書くのが好きなのか、伝えることが好きなのかで手段は変わると思います。好きなものが見つかったら、「どうして好きなのか」を深掘って、そこを強みとして伸ばしていくことが大事かなと思いますね。
片石:個を見つけるためには、自分がどんな母集団に属していて、その中の自分はどんな人なのか、という視点も必要だと思います。個を見つけようとして、自分自身のことを深掘りしすぎてしまうと迷宮入りしがち。だから、自分のことを考えすぎて分からなくなった時こそ、他人のことを深く知って、分かっていくこともあるのではないかなと思います。
実際、僕と駒下くんは「エモい事業をしている」で括られることが多いんですけど、僕と駒下くんの「エモい」は全然違うんです。二人で話してみて、深く知れば知るほど「この人と自分との違いはこういうところ、じゃあ自分の個性ってこれか!」っていうのが見えてくるんですよね。だから、まずは他人に興味を持つことから始めてみるのがいいんじゃないかと思います。
文/於ありさ
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