企業規模が小さくなっても年収は上がる! 大手からベンチャーへ転職する際のコツ【年収アップ相談所】
『typeの人材紹介』キャリアアドバイザー 青柳 真理子さん新卒で大手英会話スクールに入社。長期間勤務した後、大手人材紹介会社にてキャリアアドバイザーに転職するも家庭の事情で退職。復職する機会を得るが、見識を広げるチャンスととらえ、『typeの人材紹介』に入社し、これまで1,300人以上の転職をサポートしている。得意領域は営業全般
はじめまして。『typeの人材紹介』でキャリアアドバイザーをしている青柳真理子です。第1回目の今回は、大手企業からベンチャー企業へ転職して年収アップを実現した方のケースです。
【転職者DATA】
性別:男性
転職時の年齢:29歳
年収UP額:410万円→520万円 110万円(約27%)UP!
業種:大手電機メーカー→広告代理店
職種:法人営業→法人営業
「好きなモノを扱う仕事だから
相性が良い」とは限らない
Aさんは大手電機メーカーに新卒で入社して、IT事業に関連した営業経験でキャリアを積んできました。直近ではコンビニに設置されている情報端末のコンテンツを拡充するための営業なども経験していたとのことでした。
転職を考えた理由の1つが大手企業ならではの意思決定の遅さへの不満。新しい営業プランを考えて、企画書を作ってプレゼンしてもなんと決済まで1年(!)かかるっていうんです。企画から実際に動き出すのが1年後では、市場の動向も変わっているし現場のニーズを満たせないと感じていたそうです。
理由の2つめは年収額。たとえ大手であっても、若手のうちは実は年収は低めです。Aさんのケースも、社名を聞けば誰もが知る有名な企業なのに、29歳で年収410万円!? と驚く人は多いと思います。大手の場合、仕事でのやりがいや年収額の満足度が高くなっていくのは責任ある立場と肩書が与えられる30代以降というのが一般的なんです。
というわけで転職活動を始められたAさんですが、当初はゲームが好きという理由で大手を中心にゲーム会社ばかりへのアプローチとなりました。ところが書類選考すら通過せず、面接まで進んでも内定に至らないという現実に直面。やはりユーザーとして好きなのと、仕事として取り組みたいというのは、意欲や熱意の点で企業側も方向性の違いを感じるのではないか、というのが、ご本人と分析してたどり着いた結論です。
このことでAさんは少し落ち込んでしまったようですが、こちらからゲーム業界以外へのアプローチを提案しました。
その結果、勢いのある中堅のネット広告会社から内定をもらうことができ、年収も110万円アップの520万円という提示額で転職を果たしました。なぜ、それができたか。そのポイントは2つあります。
大手からベンチャーへ
企業選びの視点を変えて年収アップ
実はこの転職先の広告会社は、活躍できる人材像をはっきりと定義していまして、経験や実績に加えて人柄や信条なども高く評価されたんです。加えて110万円もの年収アップも提示された理由をポイントとして挙げると、次の2つになります。
1、彼の実績とマインドが、進化スピードの早い広告業界にマッチした
2、商材として興味がなくても、「働く場」として業界に興味が持てた
彼の場合は、コンビニの情報端末に関する法人営業などを通して、社内でも社外でもさまざまな部署や関係先の担当者との関係を良好に築くことができていた上、ちゃんと営業面での成績も達成してきていたんです。この経験と実績は、どの業界での営業職としてもアピールポイントになると判断しましたね。
特に広告業界へのアプローチも視野に入れるよう勧めたのは、とくにネット広告の分野は将来性もあって日々進化するスピードが求められるからです。彼は転職理由のひとつに意思決定のスピードへの不満を挙げていたので、この業界の方がやりがいをもって取り組めるのではと考えました。
転職活動を始めたときは、とにかくゲーム業界しか視野に入れていなかったAさんですが、業界のことを知ってもらおうと参考になる本を渡したところ、かなり興味と関心をもって面接に臨むことができたようです。これも結果的には良かったと思いますね。「趣味として好きなゲーム」という角度ではなく、純粋に「自分が働く環境としての広告業界」に意欲を持ってやってみたいという姿勢をアピールできたと思います。
これは決してレアケースではなく、たとえ大手からベンチャーへ、そして異業種への転職であっても営業という仕事に対する姿勢やその実績から読みとることができるその人柄などが高い市場価値に結びついたのだと思います。
年収をアップさせたいというと、一般的には大手企業への転職を想像しがちです。しかし、Aさんの例から分かるように、規模の小さい企業に移ったとしても年収が下がるとは限りません。重要なのは、自分に本当にマッチしている業種・企業を見極めること。そのためには自分がどんな実績を持っているか、どんなマインドを持っているかを、客観的に見てみるのもいいでしょう。
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取材・文/浦野孝嗣
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