法人営業から個人営業へ。インセンティブに頼らずに不動産販売会社で年収アップを図るには【年収アップ相談所】
『typeの人材紹介』キャリアアドバイザー 青柳 真理子さん新卒で大手英会話スクールに入社。長期間勤務した後、大手人材紹介会社にてキャリアアドバイザーに転職するも家庭の事情で退職。復職する機会を得るが、見識を広げるチャンスととらえ、『typeの人材紹介』に入社し、これまで1,300人以上の転職をサポートしている。得意領域は営業全般
こんにちは。『typeの人材紹介』でキャリアアドバイザーをしている青柳真理子です。今回は、法人営業から個人営業へ転向して年収アップを実現した方のケースをご紹介します。
【転職者DATA】
性別:男性
転職時の年齢:26歳
年収UP額:310万円→400万円 90万円(約29%)UP!
業種:旅行会社→不動産会社
職種:法人営業→個人向け営業
結婚のために、インセンよりも給与ベースの比率の高い
マンション販売会社へ転職
新卒で大手の旅行会社に入社したBさん。仕事にやりがいを感じてはいたものの、とにかく年収が低いことで転職を決意したそうです。
というのもBさんには結婚したい女性がいて、現状のままでは結婚して家庭を持つことが難しそうという判断からでした。
転職先の条件は、業種を問わずとにかく年収アップ。全部で25~26社にアプローチし、最終的には不動産会社で個人のお客さまへマンションを販売する対面営業に決まりました。
不動産会社の営業というと、高額なインセンティブがウリで給与ベースが低い場合も多く、どのくらい年収が上がるかは結局その人次第ということがよくあります。しかし、Bさんの転職先は大手の資本が入っていて、インセンティブではなくベースでの年収がきちんと規定されているところでしたので、確実に90万円の年収アップを実現できました。
彼が転職で年収アップに成功したポイントを解説する前に、人事の心をつかんだあるエピソードを紹介しますね。
前職でBさんは法人の社員旅行の提案営業を行っていました。彼はあるとき、社員数が300人規模の企業への提案を検討したのですが、その企業はずっと他社の旅行会社を利用していたので先輩や上司も最初から「どうせ入り込む余地がない」と高をくくり、営業をかけないでいたそうなんです。それを彼は、ねばり強くアプローチして交渉した結果、その企業の社員旅行を受注することができたんです。
受注の決め手になったのは、彼のきめ細やかな配慮でした。とにかく顧客の満足を最優先し、オプショナルツアーにかなりの自由度を持たせました。その結果、約300人のオプショナルツアーの調整で彼は徹夜続きになってしまったそうですが、クライアント企業の担当者の方にも喜んでいただくことができて、「来年もまたお願いしたい」と言われたそうなんです。
しかもこういった社員旅行の場合、普通は参加したお客さま個々人からの反応はなかなか得られないそうですが、「楽しかったです」という満足の声のフィードバックもあったとか。
この話を彼は「営業という仕事はいろいろ苦労もあるが、最終的にお客さまに喜んでもらえることが、自分にとってのやりがいだと分かった」と私に熱っぽく話してくれました。
ではなぜこのエピソードが評価されたのでしょうか。それは以下のような理由からになります。
インセン重視か、年収ベース重視かで
企業が求める人材は変わる
まず、個人向けと法人向けの営業で一番大きく異なる部分は、やはり、最終的な決裁者が法人格か、個人かということです。それゆえに求められるものも違ってきます。
Bさんが、ベースの高い不動産会社から評価されたポイントは「長くお客さまと向き合えて、細やかな気遣いができる営業マインド」です。
同じマンション販売の営業でも、インセンティブの比率が高い企業は、インバウンドでの集客力が弱く、自分で顧客をとってこなくてはならないため、「質より量」の営業スタイルを重視する傾向にあります。その場合、営業マンには“当たって砕けろ”精神のようなストレス耐性の高さなどが求められます。
一方、この会社のように年収ベースの比率が高い企業はインバウンドで集まった顧客をいかに成約に結びつけるかが重要なため、「量より質」を重んじる傾向にあります。この場合、Bさんのように細やかな気遣いができたり、お客さまの満足度を第一に考えられるような営業マンが重宝されます。
また、個人向け営業では、特に「見た目の印象」というものが強く影響します。個人のお客さまに直接対面して物件を販売する業務の場合、営業マンの言葉や態度がそのまま購買につながることも少なくないからです。
Bさんの場合はさわやかさ、誠実そうな言動がとてもプラスになりました。
見た目や雰囲気というと軽く考えがちな人も多いようですが、面接では、細かいところまでチェックされていると思ったほうがいいでしょう。
どんな相手にも好感をもたれる身だしなみや態度を身につけているかは営業職である以前に、社会人なら“キホンのキ”かもしれませんが、意外とこういうところが市場価値を高めるというのもまた事実です。
法人向けから個人向け営業、特に不動産販売会社への転職だと、年収が上がるも下がるもインセンティブ次第、というイメージを持っている人も少なくないと思います。しかし、年収ベースの比率の高い企業を選び、個人向け営業に必要な心配りがアピールできるエピソードを用意し、印象を良くするような身だしなみを整えることで、インセンティブに頼らない年収アップをすることが可能になるでしょう。
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取材・文/浦野孝嗣
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