キャリア Vol.726

平成にひたすらアニメを見ていた20代に朗報!? アカツキ×Gunosy×ラクスルの若手経営者が語る令和時代のビジネス“必勝パターン”

2019年6月20日(木)ザ・プリンスパーク タワー東京にて、グローバルカンファレンス『新経済サミット[NEST]TOKYO 2019/New Economy Summit TOKYO 2019』が開催された。

5Gやeスポーツ、AIなどさまざまなテーマでトークセッションが開催される中、「若手経営者が語る令和ビジネス」というテーマでは今注目の若手ビジネスパーソンがアツい議論を交わした。

登壇者は古田大輔さん(元BuzzFeed Japan創刊編集長)、塩田元規さん(株式会社アカツキ 共同創立者・代表取締役)、竹谷祐哉さん(株式会社Gunosy 代表取締役)、松本恭攝さん(ラクスル株式会社代表取締役)。

古田さん、塩田さん、竹谷さん、松本さん
左から、古田さん、塩田さん、竹谷さん、松本さん

平成の30年間であらゆるものがアナログからデジタルに代わり、スタートアップ企業も次々と誕生した。AI技術の誕生や働き方の多様化が進み、この令和時代、20代のビジネスパーソンを取り巻く仕事環境はまた大きく変わろうとしている。今日本の最先端を走る若手経営者たちは、この令和時代のビジネスにどのように挑もうとしているのだろう。本記事ではトークセッションの一部を紹介する。

時代をグロースするようなビジネスは、
20代~30代の若手から生まれる

古田:平成が始まった当初、「世界の時価総額トップ10」のうち、ほとんどを日本企業が占めていました。しかし、今ではそのランキングから日本企業の名は消えてしまいました。GDPも伸び悩み、日本のビジネスは平成の30年間で明らかに停滞しましたよね。

令和のビジネスを考える上でまずはこの課題をクリアにする必要がありますが、皆さんはどう考えていますか?

松本:私は「高齢化」が要因だと分析しています。日本全体というより、企業を率いる経営者やマネジメント層の高齢化です。例えば世界の事例を見てみると、平成で飛躍したFacebookやGoogle、Amazonの経営者は20代~30代前半で事業を立ち上げ、企業規模を拡大してきました。消費者との距離が近く、最もリスクを取れる世代が時代をグロースするビジネスをつくっています。

松本さん

一方で日本の大企業を見てみると、経験を積んだ50代~60代の人が社長になり、次の社長の任命権を持っていて、4年の任期を終えたらまた60歳の社長を任命するというサイクルができている。

すると、長い目で計画的に事業をつくり上げていくことや、リスクを取って次の未来を作り上げていくことができませんよね。そうした結果、成長が停滞してしまったのではないかと考えています。

古田:塩田さん、大きくうなずいていましたが、アカツキの創業者としてのご意見はいかがですか?

塩田:僕も同じ意見です。創業者や若い人達は、3年間の運営計画をしっかり立てて実行するというよりも、「何となく5年先にこの辺まで行きたいよね!」という考え方で、ビジネストレンドの変化に臨機応変に対処している印象ですし。

ちなみに僕は今36歳なんですが、もう10代、20代の気持ちは分からなくなってきていて(笑)。若い世代ならではの新しい価値観や新鮮な感覚に、意識的に目を向けて理解しなきゃな、と感じています。

古田:竹谷さんはここにいる皆さんの中で最年少、今31歳とお若いですが、この課題についてどう思いますか?

竹谷:お二人の仰る通りだと思います。今の時代は僕よりももっと若い年代の人たちがイノベーションを起こしているというのが実感値です。なぜなら、やはり最先端の技術は相当な気力がないと学べないですし、20代の頃のハングリー精神は30代になると失われてしまうから。

それはどうしようもない問題なので、意欲的な若い人たちを受け入れ、企業をより発展させていく方法を考えることが令和の時代には必要なんだと思います。

令和時代、日本の勝算は「物語をつくる能力」にある

古田:これまでの3人のお話をまとめると、平成の大きな課題は「会社の意思決定者が高齢化していたことによって、若手の爆発力や自由な発想がビジネスに生かせなかった」ということですね。

では、その課題を踏まえた上で、日本がこれから飛躍していくために、令和ではどのような手を打っていくべきだと思いますか?

竹谷:そうですね。まずは現状認識をすべきだと考えています。僕は2011年に新卒でグリーに入社したのですが、当時は日本の企業って凄く先進的でイノベイティブで、”イケてる”って思っていたんです。

でも社会人になって、今は社長という立場でグローバルな戦いに触れたことで、自分の能力ややってきたことのレベルの低さを痛感しました。

竹谷さん

日本全体でも同じことが言えて、中国に真似されていた時代からもう中国を参考にする時代に変わってきている。実際にアメリカや中国の「今の最先端」と言われている技術を目で見て、差分を自覚することから始める必要があるのではないでしょうか。

古田:塩田さんもグローバルで活躍されていると思いますが、今の話を受けていかがですか?

塩田:自分たちの立ち位置を正しく認識して、危機感を持つ必要があるという意見には同意です。ただ、僕は「パワープレイで海外企業に勝てるのか?」という疑問も抱いています。

アメリカ、中国はデータベースも圧倒的だし、言語にも強い。大衆のニーズに応えることが元々得意な国々なので、そこで勝負するのはもう難しいんじゃないかな。

塩田さん

一方で日本の強みを考えたときに、戦争がなかったこの平成30年の間、僕らはゲームやアニメ、漫画に沢山触れ続けてきた。そのおかげで独自のエンタメ文化も生まれているし、日本人の「物語をつくる能力」は、世界的に見てもかなり優れていると思う。

古田:それで言うと、昨年スティーブン・スピルバーグ監督の『レディプレイヤー・ワン』という映画が大ヒットしましたが、日本では10年も前に同じようなテーマの『サマーウォーズ』という映画が誕生していましたよね。

塩田:まさにそういう話。そういった、ハイコンテクストなストーリーや世界観を創造できるところが僕らの強みなんじゃないでしょうか。『サマーウォーズ』のように、物語づくりの会社が日本から世界に飛び出していけば、世の中はどんどん面白くなると思う。

古田:平成の間にひたすらゲームをしたりアニメを見ていた日本人だからこそできるストーリーテリング。正に「ビューティフルハーモニー(令和)」ですね。

塩田:そう。しかも、物語は作り手とユーザーが一緒という点も強い。自分たちが日常的に触れ合っていて、さらに好きなものをつくることができるって明らかに勝ちパターンじゃないですか。

松本:僕も塩田さんに同意ですね。世界中の消費の中心はこれからハードウェアからソフトウェアに変わって、コンテンツの消費が大きな産業に発展していくはず。そして、それを消費できるような国がアジアの中心になっていくのではないでしょうか。

また、21世紀の経済と人口の中心は明らかにアジアです。その中でも日本は、伝統や食文化などへの評価が非常に高く、観光客もますます増えていくはず。これからの日本の産業は間違いなく、観光やエンタメ分野のコンテンツが中心になっていくと思うし、それをつくれる若者も沢山出てきている。ここをしっかり抑えていくことが、令和時代の大きなビジネスチャンスになるんじゃないかなと思います。

登壇者プロフィール

古田大輔さん(@masurakusuo
1977年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業。2002年、朝日新聞社に入社し、京都総局やシンガポール支局長、デジタル版の編集を経て15年BuzzFeed Japanの創刊編集長に就任。19年に退任し、現在はジャーナリストとして活動中

塩田元規さん(@GenkiShiota
1983年生まれ。一橋大学院商学研究科修了。2008年にDeNAに入社し、インターネット広告営業マネージャーや広告事業本部ディレクターを務める。10年、アカツキを創業、代表取締役に就任

竹谷祐哉さん(@taketani0304
1989年生まれ。早稲田大学創造理工学部経営システム工学科卒業。グリー株式会社を経てGunosyに参画。取締役最高執行責任者、代表取締役最高執行責任者を経て、2018年、代表取締役最高経営責任者に就任

松本恭攝さん
1984年生まれ。慶應義塾大学卒業。2008年、A.T.カーニーに入社し、コスト削減プロジェクトに従事。09年、ラクスルを設立し、代表取締役に就任。15年、物流のシェアリングプラットフォーム『ハコベル』事業を開始

取材・文・撮影/河西ことみ(編集部)

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