転職 Vol.762

老舗の大手住宅メーカー勤務27歳が転職で犯した大誤算「自分がどんなに恵まれていたか知らなかった……」

type編集部が回避法をレクチャー!
入社した会社でまずは数年頑張らなきゃ、なんて一昔前の話。今では20代の転職希望者も、若手を採用したい企業も増えてきた。 とはいえ「そろそろ自分も……」と思っても、初めての転職は分からないことだらけ。せっかくの貴重な20代を、失敗で終わらせたくない! そこで、typeに訪れた「20代で転職に失敗した人」たちのエピソードを、type編集部のアドバイス付きで紹介。先輩たちの経験談から、‟失敗転職”の回避法を学んでいこう
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35歳(男性・年収400万円)町田さん(仮名)のケース22歳 関西の私大を卒業後、大手住宅メーカーの経理職として就職(年収480万円)
27歳 福祉施設の営業職へ転職(年収400万円)
転職活動期間:3カ月
希望条件:人間関係が良好であること
妥協した条件:給与
応募社数:4社、書類選考通過:4社、1次面接通過:2社、内定社数:2社

「定時で帰ります!」が通用しない会社に嫌気

学生時代に経済学を専攻していた町田さんは、得意な会計分野を仕事にしようと、経理職を目指して就職活動を行った。無事にいくつかの内定を獲得し、その中でも待遇の良い老舗の大手住宅メーカーに入社することに。しかし入社後すぐに、その社風に嫌気がさしてしまったと当時を振り返る。

「老舗の大手企業というと聞こえはいいですが、内情は凝り固まった考えを持つオールドタイプの上司が多い会社。ミーティングは無駄話だらけでやたらと時間をかける、残業する人ほど頑張っていると評価されるなど、昔ながらの悪しき習慣が根付いていました。効率的に仕事をしたい私にとっては苦痛なことだらけでしたね」

就業時間内に仕事が終わるように段取り良く仕事を進めていた町田さんだったが、上司からは心ない言葉を毎日かけられるようになったと話す。

「毎日お決まりのように『今日も定時で帰るんだ?』って、嫌味を言われていたんです。私自身はその日やるべき仕事が終わっているから帰るだけなのに。たまに空気を読んで残業をすることもありましたが、残業といっても上司の無駄話に付き合ってダラダラするだけだったので、全く意義を感じませんでした」

上司と顔を合わせることすら嫌になっていったという町田さんは「もっと人間関係の良い職場で働きたい」と、転職活動を始めることを決意した。

「とにかく人間関係の良い職場、働きやすそうな環境がいいなと。職場環境に関するリアルな情報は、なかなかホームページや求人サイトなどには書かれていなかったので、実際に訪問して自分の目で雰囲気を確認していました」

転職活動は順調に進み、4社から内定をもらった町田さん。そのうち、より職場の雰囲気が自分に合っていると感じた福祉施設の営業職へと転職した。

営業職で入社したはずが、待っていたのは……

前職と違って新しい勤務先は中小企業。ここでならアットホームな雰囲気の中、少数精鋭で効率良く働けるだろうと考えたのだ。

「企業規模に関しては、古い体質の大手より中小の方が自分に合ってると思ったんです。でも実際は人手不足が著しく、営業職として入社したにもかかわらず、来客や入居者への対応をすることもありましたし、経験が豊富だからと経理業務を任されることまでありました。中小企業では、業務の範囲がしっかり決まっていないこともあるんだと、この時初めて知りました」

面接の時には「残業はない」と聞いていたのに、当たり前のようにサービス残業があったことにも驚かされた。

「たしかに無駄なおしゃべりはなくなりましたが、それぞれの業務量が多いので『○○さんの仕事が終わっていないから、皆で手伝おうか』という感じで残業が発生していました。手伝わずに帰宅してしまうと、同僚から『あの人は冷たい人だ』と言われてしまうような雰囲気だったので、がっかりしましたね」

結局、営業の仕事は7割ほどで、あとは業務外といえるような内容の仕事が多かったそう。

よく言えばアットホームな社風だが、裏を返せば各メンバーが自分の仕事に責任を持ちきれておらず、責任の範疇も「なあなあになってしまっている」状況だった。次第に残業が多くなり、代休制度もなかったため、勤務日数や勤務時間は増える一方。町田さんは「もう少し慎重に転職活動をすればよかった」と後悔を語った。

「最初の職場は確かに上司との折り合いが悪かったのですが、大手企業だったのであと数年我慢すれば人事異動があったはず。そうすれば、嫌な上司とは離れられるので、安易に転職してしまったなと後悔しています。結局、最初の職場の方が年収も良ければ休みも充実していましたし、仕事とプライベートをしっかり分けることもできていました。この職場では年収は80万円も下がってしまいましたし、通勤時間も長くなったため、自由に使える時間が大幅に減りました。転職先は確かに皆優しくて温かい方たちばかりなのですが、良い意味でも悪い意味でも僕が考えていた『アットホーム』とはイメージが異なっていましたね」

入社から1年ほどして2度目の転職活動を行ったものの、結局条件面では新卒で入社した勤務先以上の職場は見つけられなかった、と町田さんは残念そうに語った。

type転職エージェント キャリアアドバイザーからのアドバイスをCHECK

では、今回のケースを「失敗転職」にしないために、町田さんは何をすべきだったのか? type転職エージェントのキャリアアドバイザー・加藤美季さんに話を聞いた。

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type転職エージェント キャリアアドバイザー 加藤 美季さんブライダルジュエリーの販売と店舗の店長を経験。モノではなく、個人の提案力が試される職業に挑戦したいという想いから、「type転職エージェント」キャリアアドバイザーに。現在では営業職経験者を中心に、転職者に「寄り添ったカウンセリング」をモットーに転職希望者に向き合っている。

「町田さんは、最初の職場が案外恵まれた環境だったということに転職後に初めて気付いたパターンですね。何事も『失ってから気付く』ということは多いものです。大手企業では当たり前だと思っていた環境や条件も、ベンチャー企業や中小企業になるとなかなか実現できていないことは往々にしてあります』

こういったミスマッチを防ぐ最も有効な方法は、「自分の会社の条件や制度、会社から与えられている恩恵を全てリストアップすること」だという。

例えば制度面の条件であれば、以下のようなリストになる。

・完全週休二日制で、代休取得ができる
・残業代は何分ごとにいくら支給される
・福利厚生の一環で、提携施設が格安で使える
・社員用の格安自動販売機が設置されている

社風や人間関係のポイントであれば、以下のようなリストができるはずだ。

・嫌味は言われるが、定時で帰ることは可能
・今の部署以外の人間関係は良好のようだ
・平均的に〇年程度で部署異動の打診がある
・部署異動の希望はほとんど聞き入れてもらえない

上記のように細かく「今の会社に所属していることで、もたらされていること」をリストアップしていくことから転職活動を始めるとよいという。

「町田さんも、自分の目で職場環境を確認する努力はしていましたが、諸条件の確認にまで思いが至らなかったようですね。全ての条件を洗い出した上で、妥協できない点、できる点を整理して転職先と天秤にかけてみる作業が必要だったと思います。そうすれば一言で『アットホーム』だと言っても、プライベートは分けたいとか、他の業務を手伝わなければいけない規模の会社は嫌だとか、自分の中の条件を明確にした上で転職先を検討することができたでしょう」

転職によって望む条件を100%叶えるのは難しい。だからこそ、自分の中でどうしても譲れない条件は何なのか、細かく優先順位をつけてみることが「満足できる転職」を叶えることにつながるのだ。

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文/石川 香苗子


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