転職 Vol.827

「どこでもいい」でスピード転職は絶対NG! 23歳の“軸ナシ女”が妥協して転職した先に待っていたもの【20代の転職失敗談】

type編集部が回避法をレクチャー!
入社した会社でまずは数年頑張らなきゃ、なんて一昔前の話。今では20代の転職希望者も、若手を採用したい企業も増えてきた。 とはいえ「そろそろ自分も……」と思っても、初めての転職は分からないことだらけ。せっかくの貴重な20代を、失敗で終わらせたくない! そこで、typeに訪れた「20代で転職に失敗した人」たちのエピソードを、type編集部のアドバイス付きで紹介。先輩たちの経験談から、‟失敗転職”の回避法を学んでいこう
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23歳(女性)相田さん(仮名)のケース地元の女子大を卒業後、求人広告の営業職として就職(年収280万円)
22歳 中堅レベルの大学を卒業後、求人広告の代理店に営業職として就職(年収400万円)
23歳 賃貸用不動産を展開する企業の事務職に転職(年収250万円)
転職活動期間:6カ月
希望条件:すぐに入社できること
妥協した条件:年収、雇用形態、仕事内容
応募社数:25社、書類選考通過:5社、1次面接通過:1社、内定社数:1社

今回登場するのは、新卒で求人広告の代理店に営業として就職した相田さん(23歳)だ。彼女が入社前に聞いていた仕事内容は「各社の採用計画をヒアリングし、どんなプランで求人広告を出すのかを考える企画営業職」というもの。自分のアイデアを生かせる仕事、というキャッチコピーに惹かれ、やる気満々で入社したという。

「‟企画ができる仕事”に憧れていたのですが、入社してみたら思っていた『企画営業』とはかけ離れていました……。実態は毎日100件近い電話を企業に掛けてアポを取り、外回りの間に暇さえあれば飛び込み営業。やっとの思いで受注が取れても、求人広告のアイデアを出すのは社内の広告制作チームの仕事でした。言うならば、私は営業の“特攻隊”みたいなものだったんです

毎日電話口で断られ続け、目標売上に達しなかったら上司にも怒られ続ける。そんな環境が嫌になり、相田さんは入社半年で退職を決意することになった。

実家に甘えて半年間、転職活動をストップしていたら……

相田さんは結局、転職先が決まらないまま会社を辞めた。幸いにも実家暮らしであったため、生活には困らなかったという。

「親も、会社でつらい思いをしている私を心配してくれていたので『元気になるまで働かなくていいよ』という雰囲気がありました。それに甘えて、半年近く本気で転職活動をすることもなく、実家に居候していたんです。正直、『いつでも転職できるだろう』と思っていましたね」

その間に求人サイトを見たり、ハローワークに通ってみたりしたものの、ピンとくる会社がなく応募には至らなかったのだという。

「本年ほど経って、やっと本腰をいれて転職活動を始めたものの、私が求めているような『アイデアを生かせる仕事』は、ほとんどが経験者の募集。私がやっていた企画営業職では『企画の経験者』とは言えないので、そもそも応募できる企業が少ないことに驚きました」

「どこでもいい」と転職先に待っていた、やりがいのない毎日

結局、親からも「どこでもいいからそろそろ働きなさい」とせっつかれ、相田さんも「まずは働かなきゃと妥協して」転職先を決めたという。

「そのときは、どうせ企画ができないなら何でもいいか、と思ってしまったんです。求人サイトでたまたま見つけた、近所の賃貸用不動産会社の事務職に応募しました。その会社は学歴不問、人柄重視ということで履歴書はほとんど見られなくって。面接してくれた社長と話がはずみ、『契約社員ならOK』という条件で即採用が決定。とにかく早く働きたかったので、私も内定を承諾しました」

「とりあえず転職」できたと一安心したが、そこに待っていたのは“やりがいがまったくない日々”だった。

「ルーティーン仕事が多いし、仕事中に話をするのは社長ともう一人の社員くらい。だからあまりやりがいというか、働いて社会に貢献しているような実感がなくて……。もちろん刺激もまったくありません」

相田さんは「今回の判断は完全に失敗でしたね……」と肩を落とす。

「給料も安いので、プライベートに使えるお金も減りましたし、生き生き働いている友人の話も聞きたくなくて、最近では飲み会にも参加していません。『なんだかなあ』と思いながら毎日を過ごしています。とりあえず働ければどこでもいいと思ったけれど、仕事は毎日のことなので、もっと深く考えればよかったです」

雇ってくれた今の会社には感謝しているという相田さんだが、実は今でもこっそりと、転職活動を続けている。

type転職エージェント キャリアアドバイザーからのアドバイスをCHECK!

では、今回のケースを「失敗転職」にしないために、相田さんは何をすべきだったのか? type転職エージェントのキャリアアドバイザーに話を聞いた。

「相田さんが今回の『失敗転職』をしてしまった原因は大きく2つ。

1.売り手市場に甘えて転職までの期間を空けすぎてしまったこと
2.転職で何を叶えたいのか、何を変えたいのかを明確にしなかったこと

この2つは、反省点かなと思いますね」

相田さんのように「売り手市場だからいつでも働ける」と思っている20代は多いのだとか。しかし、それに安心するのは危険だ。

「確かに今は売り手市場で求人数は多くなっていますが、決して『企業に入りやすくなった』わけではありません。採用のハードル自体が低くなったわけではないので、『今どき、転職なんていつでもできるし』という考えは甘かったと言えます」

また相田さんの場合は、転職活動をするにあたって「なぜ自分が転職するのか?」を考えきれていなかったのでは、と指摘する。

転職活動において大事なのは、転職で何を叶えたいのかを決めること。自分の中で軸をつくることが大切です」

例えば相田さんの場合は、前職で「企画の仕事以外全てが嫌だった」のではなく「売上ノルマに厳しい組織体制が嫌だった」のかもしれない。それなら「企画ができるか否か」だけではなく、他の軸でも求人を探してみるべきだったと続ける。

「自分は転職で何を叶えたいのか知るためにオススメしたいのは、自分が『仕事中に喜びを感じること、嬉しいこと』と『苦手なこと、不快に感じること』をリスト化・細分化することです」

例)

・お客さんと話すのは楽しい
→その中でも顔見知りのお客さんと話すのが好き
→新規の人と話すのは苦手
→既存顧客中心の仕事が理想
・売上ノルマが厳しいのは嫌
→達成していないと詰められる雰囲気が嫌
→チームで頑張る雰囲気は嫌いじゃない
→ノルマではなく、チームで目標を追うスタイルが理想

「細かくリストにしていくうちに、『自分は転職で何を叶えたいのか』の輪郭がはっきりとしてきます。そうすれば『企画がやりたい』といったフワッとした理想ではなく、『ルーティーンではなく、毎日自分で工夫しながら進められる』『ノルマがなく、チームで協力して仕事ができる』など具体的な条件も見えてくるはず。

そしたら自分に合った求人を見つけることができるし、面接でしっかり転職理由を語ることもできたでしょう」

自分の‟本当の条件”をリスト化し、転職の軸を定めること。それがベストな選択肢を探す近道であり、転職を「失敗」にしないために必要なことなのだ。

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文/大室倫子(編集部)

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