スキルアップ Vol.883

“オンライン商談が苦手”な若手営業パーソンが抑えるべき5つのポイント「●●さえ意識できれば、営業の本質は変わらない」

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、急速に広がりを見せている「オンライン商談(リモート提案)」。若手営業パーソンの中には、「オンライン上で提案するのって難しい……」と思ってはいるものの、変化への対応に精一杯で、なかなか苦手を解消できない人も多いのでは?

そこで今回は、フリーランスの営業パーソンとして大手企業の営業支援を行いながら、オンライン商談テクニックをテーマにしたウェビナー(オンラインセミナー)を数多く開催する濵口魁希さんのもとを訪ねた。

コロナ禍を過ぎても、長期的に生かせる「オンライン商談」のノウハウを伝授してもらおう。

カクトク株式会社 Pro director事業部 / 営業コンサルタント 濵口魁希さん
カクトク株式会社 Pro director事業部 / 営業コンサルタント 濵口魁希さん
新卒でサイバーエージェントのアカウントプランナーとして新規開拓営業・既存アカウントのディレクションに従事。2019年に営業フリーランスとして独立。カクトクでは大手企業の営業コンサルティングから改善提案まで、幅広い営業支援を展開している'

「オンライン商談、なんか苦手」な若手営業が多い理由

この数カ月で「オンライン商談」をテーマにしたウェビナーを開催する機会が増えました。オンライン商談に苦手意識を持っている参加者に、その理由を聞いてみると「原因は分かっていないけど、なんとなく苦手」だと感じている人がとても多く、なぜ苦手なのかを言語化できていない人が大半を占めている印象です。

でも実はこれ、単純に「相手の顔を見続けながら長時間話す」ことに慣れていないから、苦手意識を感じているというケースがとても多いように思います。

考えてみてください。例えば、会議室やカフェなどで対面で商談をするとき、ずっとお互いの顔を見ているわけではありません。たいていの場合は、両者が資料に目を通すために下を向いたり、PC画面や時計を見ていたりしませんか?

カクトク株式会社 Pro director事業部 / 営業コンサルタント 濵口魁希さん

一方、オンライン商談の場合は、画面越しにずっと相手の顔が映っていて、視線をそらしきれません。これが大きなストレスになって、「なんだか苦手」という人が多いんですよね。特に新規営業の場合は、気心の知れたクライアントを相手に話すよりも緊張度合いも高いので、このストレスは大きいと思います。

ずっと顔を見なきゃいけない状況に慣れていない、極端に言うと、僕はそのくらいしか対面・オンラインの商談に大きな違いはないと思います。僕はこれまで何度も対面・オンラインで商談を行っていますが、基本的にはどちらの手法も営業が持ち帰れる情報量に違いはありません。

ただ、間違いなく「慣れていない相手と商談を進めるコツ」はあるので、今回はそのポイントもお教えしたいと思います。

オンライン商談を成功に導く5つのポイント

対面・オンラインでの商談で、あえて違いを挙げるとすれば、オンラインの場合は「時間の制約」が対面よりも厳格だということです。ツールによっては、時間が来たらクローズしてしまうものもありますからね。

クライアントも時間切れの後に追加ミーティングを再設定するのは面倒ですから、制限時間以内に提案からクロージング(もしくは具体的な検討段階)まで持っていけるかどうかが、オンライン商談ではより大事になってくるでしょう。

ではどうすればオンラインの制限時間内で商談成功まで持っていけるのか。順を追って紹介します。

カクトク株式会社 Pro director事業部 / 営業コンサルタント 濵口魁希さん

Point1.普段の1.5倍のスピードで話す

オンライン商談で最も重要なのが、相手の集中力を欠かさないためにスピードを意識すること。なぜなら、相手は「長時間の映像」を見ることに慣れていないからです。

普段、私たちが触れているデジタルコンテンツ、例えばSNSで流れてくるような動画とか、YouTubeやTVって、見やすいように編集で区切られていますよね。クライアントもそのような「編集されて分かりやすい・飽きない映像」に慣れているため、営業がオンライン上で一方通行にだらだらと話してしまうと、冗長でつまらないと思われてしまいがちです。

話すスピードは普段の1.5倍速ぐらいがおすすめ。テンポ感よく、時には相手のリアクションを促すようなコミュニケーションを取るなど、相手を飽きさせない工夫が必要です。

また、商談が始まったタイミングで、アジェンダを提示し相手にも時間配分の意識を持ってもらうことも効果的。そうすることで、相手に飽きさせることなく、提案からクロージングまでの舵を取りやすくなる効果もあります。

Point2.現状・課題の確認は端的に済ませる

対面・オンライン関係なく、商談はクライアントの「現状と課題」を把握・確認するところから始まります。

しかしクライアントがどんなことを課題に感じているのか、先方のペースに合わせながら聞いてしまうと、肝心の提案時間が少なくなってしまいます。これは、営業パーソンなら一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

特にオンライン商談では制限時間がありますから、そうならないためにも、現状把握や課題の確認など、提案に入る前段階は端的に済ませることがポイントです。

「御社の現状は〇〇で、△△の部分に課題を感じているということで間違いないでしょうか?」と答え合わせするようなかたちで、時間を取らないように進められるよう意識してみてください。

Point3.解決策(提案)を数パターン予め用意しておく

これは対面でも同じことが言えますが、クライアントの課題に対していくつか解決策のパターンを用意してから挑むことで、商談がスムーズに進みます。

「経験の浅い若手だと、パターンを用意するのが難しいのでは」と思う人もいるかもしれませんね。でもそもそも、商品やサービスを提案するときに、課題解決の方法は何パターンかしかありません。詳細を詰めるのは次のステップでも構わないので、「うちならこんなことができます」と方向性を定めるのです。

すごくシンプルな例でいうと、飲食店に訪れるお客さまって、お腹が空いていますよね。それならどんな食事を提供してあげられるか。「うちならがっつり食べられるハンバーガーか、カロリー控えめのサラダ、麺類がよければパスタもありますよ」と解決パターンを提示してあげられるはずです。

それと同じで、例えば動画サービスを提供する会社には、動画を作ってほしいクライアントが来ます。話すべきことは、自社ならどんな動画なら作れるのか、というシンプルな解決方法のはずです。

自社が提供できるパターンは、覚えられないほどたくさんあるわけではありません。つまりこれは、経験に大きく依存するものではないので、オンライン商談をスピーディーに進めるためにも、自分の中でいくつかパターンを整理しておくといいでしょう。

Point4.見積もりをその場で行う

オンライン商談では、前述したように「その1回で端的に終わらせる」ことが重要です。そのため「自社にいったん持ち帰って確認する」行為は、なるべくやらないようにしましょう。具体的には「見積もり」の提示を、その場で出せるといいです。

こう言うと、少しハードルの高さを感じてしまう人もいるかも知れませんね。でも、何も詳細に伝える必要はないんです。課題を聞いたタイミングで「うちではこんなことができます」「費用感は大体これくらいです」「工数はこのくらいかかります」と口頭で伝えられたらOK。

そのためにはポイント2・3で話した通り、先方の課題感やこちら提示できそうな内容を予め把握しておくこと。その準備段階で、「どのくらいの費用・工数がかかるか分からない」ということであれば、事前に社内の先輩や上司に聞いて、確認しておきましょう。

Point5.商談後のネクストアクションを必ず決める

オンライン商談では、気軽に話しができる分、相手からするとどうしても優先順位が下がってしまうことも多いです。

商談後の行動が“なあなあ”で終わってしまわないように、その場で「次のアクション」を必ず決めましょう。例えば、先方が「社内で検討してみます」と言ったら、「いつまでに返事をもらえるか」を確認するだけでも構いません。

先方からの優先順位が下がらないように、日時を区切って、ネクストアクションを明確にすることが重要です。

オンラインで「スピーディーに・端的に」さえ意識すれば、営業の本質は変わらない

今回のコロナ禍をきっかけに、オンライン商談を始めた方の話を聞くと、大変ポジティブな反応が多い印象です。年代を問わず便利さを感じる人も増えたので、コロナ禍が収まったとしても、オンライン商談のスタイルはこのまま定着していくでしょう。

もちろんクライアントによっては対面での提案を希望する人もいるので、営業パーソンは状況によって柔軟に対応する必要があります。

とはいえ前述したように、オンラインでも対面でも、営業パーソンがやるべきことは基本的には変わりません。自社とクライアントを理解し、相手が求めらていることに応えるのが営業職の基本です。

逆に言えば、これができる営業パーソンであれば、世の中の変化に関係なく、活躍し続けることができるはず。ぜひ今回挙げたポイントを意識しながら、「オンラインってなんか苦手なんだよなぁ……」を卒業し、「変化に左右されない営業パーソン」を目指してほしいと思います。

取材・文/於ありさ 編集/大室倫子(編集部)

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