スキルアップ Vol.886

新しい生活様式で“睡眠トラブル”が増加中? 「睡眠ファースト」な暮らしで眠り方改革を

リモートワークや時差出勤が導入されたり、外出を控えるようになったりと、この数カ月で私たちの生活は大きく変わった。

それにより、「夜になってもなかなか寝つけない」「しっかり寝たつもりなのに朝起きられない」など、睡眠に関する悩みを抱えているビジネスパーソンも多いのではないだろうか。

なぜ、コロナ禍で私たちの睡眠は乱れがちなのか、より良い睡眠をとるためにはどうすればいいのか――。

SleepTech(睡眠×テクノロジー)でより良い眠りを実現するためのサービスを提供するニューロスペースCEOの小林孝徳さんにアドバイスを聞いた。

プロフィール画像
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株式会社ニューロスペース 代表取締役CEO 小林孝徳さん 1987年生まれ。新潟大学理学部素粒子物理学科卒。自身の睡眠障害の経験をきっかけに、2013年に株式会社ニューロスペースを設立。睡眠の悩みを根本的に解決すべく法人向けの睡眠改善プログラムを開発し、企業で働く多くの従業員の睡眠改善を実現している。書籍に『ハイパフォーマーの睡眠技術』(実業之日本社)がある

※この記事はWoman typeより一部編集し転載しています。

「光を浴びない生活」が睡眠トラブルの原因に

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が解除された後も、引き続き自宅で仕事をしたり、不要不急の外出を控えたりしている人は多いだろう。

そのことが、気付かぬうちに私たちの「睡眠」に大きな影響を及ぼしている。

ニューロスペースが企業を対象に行ったアンケート調査でも、働き方の変化をきっかけに従業員の睡眠の質が低下したり、メンタルに不調が生じたりしているという回答が多く寄せられたという。

小林さん

睡眠の質は、日中の活動量やエネルギーの代謝量と密接な関係があります。一日中家にこもって体を動かす機会が減れば、基本的に睡眠の質は悪くなる

まだ詳しいメカニズムは解明されていませんが、昼間に自宅にいてとくに何もせずじっとしていた日より、仕事や運動をして活発に過ごし、ほどよく疲れた日の方がよく眠れたという経験は皆さんもあるのではないでしょうか。

加えて、日中家にいることによって光を浴びる時間が減ることも、睡眠を阻害する要因になる

小林さん

人間は朝起きて太陽の光を浴びると、その刺激が目から脳へ届き、『概日リズム(サーカディアンリズム)』と呼ばれる約24時間の体内時計がリセットされます。そしてそのリズムに同調して、夜の眠気が導かれるサイクルになっています。

昼間はしっかり覚醒し、夜はぐっすり眠るというメリハリをつけるには、このリズムをつくることが大事です。

小林さん

これまでは朝の通勤途中に太陽の光を浴びていたので、一日のリズムが自然とつくられていた人も多かったと思います。ところが在宅勤務や外出自粛で、場合によっては一日中薄暗い部屋で過ごす人も出てくる。

すると覚醒と睡眠のメリハリがつかず、体内時計が乱れることにより夜もなかなか寝つけなくなります。

「睡眠ファースト」で一日の過ごし方を考えてみよう

体内時計は人によってリズムが異なり、「朝型」もいれば「夜型」もいる。

例えば、夜型の人が無理に早起きしても、昼間は眠くて仕事にならず、夜は早い時間にベッドに入ってもなかなか寝つけないといった睡眠トラブルにつながりやすい。

では睡眠や日常生活においてどんなことがあったら、「睡眠トラブル」だと考えた方がいいのか、小林さんが以下のチェックポイントを教えてくれた。

・目覚ましのアラームがなっても起きられない
・昼間に眠気が襲ってくる
・ベッドに入ると1分以内に寝てしまう
・寝ようと思っても15分以上寝付けない
・週末に寝だめをしないとつらい

小林さん

これらの症状が出ていたら、睡眠の時間やタイミングが自分に合っていないサインと捉えた方がいいでしょう。

どうしても体がつらければ病院にいくのも手段の一つですが、まずは自分でできる睡眠改善法を試してみるのがおすすめです。

睡眠改善のために重要なのは、体内時計のリズムを崩さないこと。

そこで小林さんが提案するのが「睡眠ファースト」で一日の過ごし方を考えることだ。

小林さん

自分がよく眠れる時間帯を知り、何よりも先に『何時から何時まで睡眠時間を確保する』と決めてしまいましょう。

ほとんどの人はまず仕事や家事の時間を確保し、余った時間を睡眠に充てています。しかしそれでは自分のリズムに適さない時間に眠ったり、活動したりすることになってしまうのです。

先ほど挙げたような体からのサインがある人は、朝起きる時間を少し遅らせてみたり、就寝時間を変えてみたりして、どんな睡眠リズムが自分に適しているのか試してみてほしいと小林さんは話す。

時間やタイミングを変えた結果、昼間の眠気や寝起きの悪さなどが解消されれば、それが自分の体内時計に合っているということだ。

就寝数時間前から、心身をオフモードに切り替えよう

「睡眠ファースト」のタイムスケジュールを組んだら、そのリズムを崩さないための習慣を心掛けたい。

小林さん

まずは朝起きたら、しっかり太陽の光を浴びること。一日を家で過ごす予定の日も、朝起きてから少し外を歩いたり、窓際やベランダなどで意識的に光を浴びましょう。

小林さん

休日に寝だめをするとリズムが崩れて、翌週に影響が出るので注意が必要。

いったんリズムをつくってからであれば、休日に少しの二度寝や仮眠をするくらいは問題ありませんが、二度寝は部屋を明るくして平日の起床時刻から+2時間くらいまで、仮眠は30分以内にしましょう。

夕方まで寝てしまうと、睡眠圧と呼ばれる“寝つくための力”が低下し、夜に眠れなくなります。

ぐっすり眠るためには、就寝前に体と心をオフモードへ切り替えることも大切。

特に、一人で自宅にこもっていると、寝る直前までスマホでSNSや動画を見続けてしまうことも多いのではないだろうか。

すると、脳がオンモードのまま寝ることになり、ベッドに入っても寝る直前に仕入れた情報のことを考えてしまったり、夢にまで仕事の場面が出てきたりして、睡眠の質は低下しやすくなる。

小林さん

就寝する数時間くらい前から、オフモードに入っていくのが理想です。寝る直前まで仕事をしないことはもちろん、SNSやTVのニュースを見るのも控えた方がいいですね。新しい情報が入ってくると、脳に刺激を与えてしまいますから。

寝る前のリラックスが“良い眠り”を導いてくれる

また、寝る前に軽いエクササイズで体の緊張をほぐしたり、リラックスできる状態にすることが、良い眠りを導いてくれるという。

小林さん

ストレッチなどの軽いエクササイズは、心身のリラックスにつながります。エクササイズが苦手な場合は瞑想や音楽を聴くことなど、自分にあったリラクゼーション法を見つけてそれをルーティンにするのもいいですね。

ちなみに睡眠の研究者でもある弊社CTOの佐藤は、寝る前に落語を聞くのがルーティーン。落語は『すでにストーリーもオチも分かっている』ので、先が読めることが安心につながりリラックスできるそうです。

働き方やライフスタイルが変わり、在宅時間も増えた今、改めて自分の睡眠を見直す良い機会でもある。

これから続く「withコロナ」の時代に心身の健康を保っていくためにも、ぜひ睡眠の質を高める習慣を身に付けていきたいものだ。

取材・文/塚田有香 企画・編集/大室倫子(編集部)

書籍紹介

ハイパフォーマーの睡眠技術

小林さんの著書『ハイパフォーマーの睡眠技術』(実業之日本社)も好評発売中!
本書では、睡眠がもたらすあらゆるベネフィットを丁寧に記しながら、データに裏付けられたすぐに使える「睡眠のテクニック」を紹介している。

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