アピールポイントの伝え方を磨けば「平均的な実績」でも年収は上がる【年収アップ相談所】
『typeの人材紹介』キャリアアドバイザー 加藤 美季さんブライダルジュエリーの販売と店舗の店長を経験。モノではなく、個人の提案力が試される職業に挑戦したいという想いから、『typeの人材紹介』キャリアアドバイザーに。現在では営業職経験者を中心に、転職者に「寄り添ったカウンセリング」をモットーに転職希望者に向き合っている
こんにちは。『typeの人材紹介』のキャリアアドバイザー・加藤美季です。今回は、個人営業を4年経験した女性の転職事例です。平均的な成績であったにも関わらず、法人営業に転職して年収を60万円アップできたケースをご紹介します。
【転職者DATA】
性別:女性
転職時の年齢:27歳
年収UP額:356万円→416万円(上昇率 約17%!)
業種:自動車ディーラー→人材紹介会社
職種:個人営業→法人営業
男社会な職場から、育児と両立できる環境を求めて転職
Aさんは4年間、自動車ディーラーで個人営業として勤務していました。業界柄もあり、勤めていた会社は男社会で女性は彼女1人だけ。女性がキャリアを積める道筋も、結婚や子育てを支援してくれる制度もない環境でした。近い将来に結婚する予定があったAさんは、ご自分のライフプランを見据えて転職を決意。
転職にあたり、彼女が大きくこだわったのはワークライフバランスが取れる環境。「出産後も長く働きたい」と考え、転職先に求める第一条件に、産休・育休制度が整備されていること、時短勤務が可能なことを挙げました。
希望年収は、現状の356万円以上であればOK。業界はもちろん、営業職であれば、個人・法人は問わないなど、環境面以外の大きなこだわりはありませんでした。
そこで、女性が多く活躍している人材業界を中心に30社をご提案。ご自身の転職活動で人材紹介サービスを利用する中、「求職者と企業をつなぐ仕事に興味を持った」と、人材系に絞って10社に応募し、そのうちの1社に法人営業として転職を果たします。
基本給の水準が低く、歩合制であることが多い個人営業に対し、法人営業は給与のベースが高い。そのため、本人の経験やスキル、実績がより重視される傾向にあります。ところがAさんはコンスタントに平均的な成績を残してはいたものの、飛び抜けた実績はありませんでした。それにも関わらず、比較的難易度の高い個人営業から法人営業への転職を実現しただけでなく、さらに年収を60万円もアップすることに成功したのです。営業成績に自信があったわけではない彼女が、なぜこのような転職に成功したのでしょうか?
選考を重ねながら、面接スキルを地道に改善!
大きなポイントとなったのは、面接スキルを飛躍的に伸ばしたご本人の努力でした。言わずもがな、面接では第一印象が重要。自信を持って明瞭に答えられる準備をしておくことが大切です。ところが転職活動を始めた当初、自身のアピールポイントが把握できていなかったAさんは弱気な受け答えしかできませんでした。
どのような職種に転職をするにしても、他の人と比較してどんな強みがあるのかを明確にすることは必要不可欠。その上で、今回のような個人営業から法人営業への転職を狙う場合、「どういった提案でどうやって数字を挙げたのか」という戦略を具体的かつロジカルに話せることが重要なポイントになります。対個人の営業は、本人のキャラクターが気に入られるなど、相手と親密になることで商品が売れてしまう側面があります。それゆえに、法人営業において必要とされる交渉・提案スキルがあるのか、疑問視されることが多いのです。
さらにAさんの場合、「ワークライフバランスが取れる環境」を転職の第一条件としていたので、仕事よりもプライベートを重視するタイプだととらえられる可能性もありました。そこで、これまでの業務を頑張ってきた事実とともに、「今後も目標を持って前向きに成長して行きたい」という意欲の高さを伝えるようにアドバイスしました。
Aさんはこうしたポイントをしっかりと把握し、数社の面接へ。そこで得た反応をもとに、自らアピール内容を修正し、面接での話し方や経ち振舞いの改善を続けていきました。その結果、第一志望の会社の最終面接時には、別人のように堂々と明快な受け答えができるようになっていたのです。
最終的に、Aさんは第一希望の会社へ転職を決めました。産育休の活用実績があり、女性が長く活躍できる環境が整っている上、社員の成長意欲が高く、社風も合いそうという好条件。さらに、最終面接でそのまま内定が出たほど、Aさんの人物面は高く評価され、求人票に記載されていた「年収400万円」よりもさらに16万円が上乗せされることになりました。
Aさんのように大きな実績がない場合には、経験やスキルをしっかり評価してもらえるように、伝え方を磨くことが肝。今回のケースのように、第一志望の会社よりも先に複数の会社の選考に臨み、そこで得た反応をもとに面接スキルをブラッシュアップしていくことは非常に有効と言えるでしょう。
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取材・文/上野真理子
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