数字の実績はアピールにならない!?異職種への転職で「年収130万円アップ」に成功した2つの要因【年収アップ相談所】


『typeの人材紹介』キャリアアドバイザー 薬袋恵理さん学生時代に労働経済学を学んだことをきっかけに人や組織に関心を持ち、新卒で大手人材派遣会社に就職。企業向けの営業と、派遣就業を希望する方のコーディネーターを計7年半経験した後、『typeの人材紹介』キャリアアドバイザーへ。営業職経験者の専任アドバイザーとして、企業側の視点を踏まえたキャリアプランの提案や、1人1人の価値観を尊重した的確なアドバイスが、多くの転職希望者に支持されている
こんにちは。『typeの人材紹介』のキャリアアドバイザー・薬袋恵理です。今回は、営業職で4年の経験を積んだ女性が、まったく違う職種に転職し、年収を130万円もアップさせたケースをご紹介します。
【転職者DATA】
性別:女性
転職時の年齢:26歳
年収UP額:290万円→420万円(上昇率 約45%)
業種:人材サービス会社→コーチングビジネス会社
職種:営業コーディネイター事務→総合職
転職理由は「極端に低い年収」と「幅が広過ぎる仕事内容」
人材サービス会社で、派遣スタッフの新規開拓営業から手配、さらには給与計算やクライアントへの請求といった事務処理まで手掛けていたDさん。
新卒で4年間勤務した実績があることを考えれば、業界の平均年収は300万円台半ば程度になります。ですがDさんの年収はそれを大きく下回る290万円。現状が極端に低い金額であることだけでなく、将来的な上がり幅もまったく見込めないことに悩んでいました。
また、営業としての数字目標がないため、目に見える実績を積むこともできず、仕事内容の幅が広過ぎて専門性が身に付かないことも、転職を決意する大きな理由となりました。
Dさんが転職先に求めた第一条件は、「頑張りに応じて、年収アップができること」。希望年収も高望みすることなく、平均よりも低めの330万円以上を最低ラインとしていました。
やりたい仕事は特に決まっていなかったため、業界や職種にもこだわりはなく、「専門性を身に付けられる仕事」であることのみを希望。強いて言えば、国内の幅広い企業を顧客とし、何らかの課題を解決するような提案ができる仕事をしていきたいと考えていました。
そこで前職との親和性を考え、同業界である人材紹介会社の営業職やキャリアコンサルタント職を中心に、無形サービスを手掛けるIT会社やビジネスアウトソーシング会社など、合わせて30社をご提案。全部で5社に応募し、最終的にコーチングビジネスを手掛ける会社に転職を決めました。
まったくの異業種・異業界で総合職への転職を果たしたDさん。面談時に年収アップについて強くアピールすることもしませんでしたが、提示された額は420万円。なんと年収130万円アップに成功したのです。
数字で評価できるポイントも専門スキルもないDさんは、なぜ異業種・異業界への転職で大幅な年収アップに成功したのでしょうか?
肝心なのは、華々しい数字の実績ではない
Dさんには自ら希望してアジア圏の現地支店に赴任し、新規開拓を手掛けた経験がありました。会社から与えられた数字の目標はなかったけれど、自身で目標数字を設定。ですが、予定していた6カ月の赴任期間で達成はできませんでした。そこでDさんはさらに6カ月の期間延長を申請し、自分自身が納得できるだけの成果を残してから帰国しました。
成果を評価する仕組みがなくても諦めず、与えられた環境の中で自ら目標を設定し、行動して成果を残した。この点は、応募した全ての企業から大きく評価されました。
また、職場でテンプレートとして使われていたメールの文章の内容を変更するなど、改善提案をしていたこともポイントに。日々の業務の中で小さな努力を積み重ねていたことはもちろん、何事にも目的意識を持って自主的に取り組んでいた点が、Dさんの市場価値を高めたのです。
営業職の場合、数字の実績は確かに評価ポイントとなります。しかし営業職以外の職種に転職する場合、数字の華々しさよりも、むしろこうしたプロセスの方が評価されるものなのです。
Dさんが最終的に選択したのは、専門性を磨けるコーチングビジネスの会社。求人票に提示されていた年収400万円に、さらに20万円が上乗せされました。良いことにも悪いことにも真摯に向き合いながら経験を積み重ねてきたことを、素直に語った姿勢が評価され、「謙虚に物事を受け止め、自己開示できる人物で、コーチングという職種への適性と将来性がある」と判断されたからでした。
こうしてDさんは、まったくの異職種・異業界への転職を果たしただけでなく、年収は290万円から420万円に上がり、破格の待遇を手にしました。
別職種に転職したいと考える人は多くいますが、注目してほしいのは「一番のアピールポイントは数字ではない」ということ。転職したい企業やその職種において、何が求められているのかをしっかり考え、数字のみならず、自分がどの様に仕事に向き合ったのか、何をやってきたのかをアピールしましょう。
また未経験だからこそ、その職種が自分に合っているかどうかは分からないもの。「こういう求人しか受けない」と頑固にならず、可能性の幅を広げた転職活動をすることも大きなポイントとなります。自分の適性に合う職業であれば、本人の性質が大きく評価され、年収アップにつながる可能性も高いのです。
取材・文/上野真理子
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