奇跡の内定、好きな芸能人との結婚、YouTuberとしても順風満帆…! “強運”の持ち主・りおなりの「ツイてる理由」を探ってみた
コロナの影響でキャリアの計画が崩れてしまった、転職活動がうまくいかない……など、「自分ってなんでこんなにツイてないんだろう」と嘆いている人は多いのでは?
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今回、そんな人たちに紹介したいのが、YouTuberのりおなりさんだ。りおなりさんはかなりの“強運”の持ち主で、これまでも数々のラッキーに恵まれてきた。
・人気絶頂期だったメディア運営会社・AppBankの倍率60倍の社員募集に、何の実績もない大学生だったのに「いい人っぽかった」というだけで内定
・動画編集者として入社したが、個人の人気も上昇
・学生の頃から大ファンだった芸能人と偶然出会い結婚
・そのまま夫婦でYouTuberデビューし、チャンネル登録者数10万人を突破
そんなりおなりさんの”ツイてる理由”を知ることができれば、不遇な状況を打破するヒントが見つけられるかもしれない。そこで本人に取材を行い、ラッキーの裏側を探ってみた。
【ラッキー1】新卒なのに倍率60倍の極狭採用枠を突破!
りおなりさんは2014年にAppBankに入社されたんですよね。
そうですね。僕が大学を卒業する年の1月に、AppBankの代表のマックスむらいさんが突然Twitterで求人を募集して。
内容が「動画の編集者を1名募集します。明日の昼までに履歴書を送ってください」というものでした。
翌日までに!? ずいぶん急な募集だったんですね。
はい。締め切りまで12時間もないほどだったのですが、当時のAppBankは人気絶頂期だったので、合計60名ほどの応募が来たらしく。
中にはテレビ業界で活躍しているプロのディレクターもいたみたいで。その中でありがたいことに、自分が選ばれたんです。
すごいですね! 合格した当時は大学生だったんですよね? プロの方に勝る実績などがあったんでしょうか?
それが全く無くて。ただ、所属していた軽音楽サークルで、大きいライブの度にネタ動画を作って流すっていう文化があったんです。
僕は元々動画が好きで、映像系の授業を取っていたこともあり、その動画の企画や編集をよくやっていたんですよね。
それで応募のとき、履歴書と一緒にこれまでに作った動画を厳選して送ったんですよ。それがたまたまむらいさんに気に入ってもらえたんです。
どんな点が評価されたんですか?
動画自体はテレビ番組パロディとか大食いチャレンジといったくだらない内容だったんです。
でもむらいさんは「普通カメラの前に立ったら誰でも顔が緊張してこわばったりするのに、出演者(サークルのメンバー)がみんな笑顔で楽しそうだった。この動画を撮ったやつはきっと全員と仲が良くて、絶対いいヤツなんだろうな、と思った。」と言ってくれて。
他の応募者からもたくさんの動画が送られてきたそうですが、その中でも「採用するならこいつだな」と思ってくれたらしいです。僕の動画が一番AppBankのノリに合っていて面白かったとも言ってくれました (笑)
なるほど。猛者だらけの応募者の中でも、たまたま“いいヤツ感”をアピールできたことと、送った動画が会社の雰囲気に合っていたことがウケたんですね。
でも、大学を卒業する年の1月ということは、一般的には就活も終わっている時期ですよね?
それが僕、それまで就活を一切してなかったんです。
どの求人を見ても「ここで働きたい」とは思えなかったから、「無理に焦らなくていいや」って、エントリーシートすら書かずに趣味で動画を作ったり、遊んでばかりいたんですよね。
しいて言えばその頃はクレープが好きだったから、大学周辺のクレープ屋さんを巡っていろんな店舗の店長たちと仲良くなって、クレープ屋さんになる方法を聞いたりしていたんですけど(笑)
動画編集者とは全然違う道に進もうとしていたんですね。そんな中でも、AppBankはビビっと来たってことですか?
もともとAppBankのコンテンツが好きだったっていうのもあるんですが、軽音サークルで自分が作った動画を見てみんなが楽しんでくれているのが本当にうれしかったんです。これが仕事になったら良いなって思っていて。
そんな時、好きなAppBankから動画編集者の求人が出て、「これしかない!」って。
実はその日は卒業論文の提出期限前日だったんですが、「これ、俺の人生の中で履歴書の方が優先度高いぞ」って確信したので、卒論を全部投げ捨てて、応募締切ギリギリまで時間使って出来る限り良い履歴書を作りました(笑)
興味が向いた瞬間に、全力で振り切ったことが功を奏したんですね。
【ラッキー2】ただの“動画編集者”だったのに、りおなり個人の人気も上昇!
それで、動画編集者として入社したわけですよね。でも、りおなりさん自身もよく動画に出ていましたし、かなり人気ありましたよね?
人気ってほどでもないですが、ありがたいことに演者としても応援していただきました。
というのも、当時、AppBankでは毎日何本ものおもしろ動画を発信しまくっていたんです。でもむらいさんを含めた他の演者はみんな、ライターなどのメイン業務の傍らで動画に出たり、編集したりしていたんですよ。
そんな中、僕が初めての動画専任者として入社したので、自然と動画事業のリーダー的な立ち場になって。そしたら、たまたま動画事業がうまく波に乗ったんです。
それでもっと面白い動画を作ろう、ということになり、徐々に企画もするように。
もともと表に出るのが得意なタイプではないんですけど、自分が考えた企画をうまく進行するために回し役として出演したりして、出演頻度も少しずつ増えていったんですよね。
時代の波にうまく乗れた、と。
でも、あえていうなら学生の頃から「自分の作った動画で人を楽しませたい」っていう気持ちを人一倍強く持ってたので、それも良かったのかもしれません。
というと?
当時はより面白い動画を作るために、テレビや他の人気YouTuberの動画を研究しまくったり、四六時中企画を考えたりしていたんです。
むらいさんたちにも「いい企画思いついたのでやりましょう!」とか、「ここにロケ行きましょう!」って呼び掛けまくってました。
当時のYouTubeは毎日動画を出した方が良かったから、スピード早く、とにかく常に何かアクションしないと、と必死でしたね。
その行動力をむらいさんにも認めていただけて、信頼を置いていただけたのかな、と思います。それを繰り返していくうちに、視聴者の方にも認めていただけて、応援していただけるようになりました。
今ではフォロワーも8.6万人(※)ですもんね。とにかく「面白い動画を作りたい、視聴者を楽しませたい」という思いが、むらいさんの信頼につながり、PV数やチャンネル登録者数、ひいては自分自身のファンをつくることにもつながったんですね。 ※2020年7月現在
【ラッキー3】またも“いい人感”がウケ、好きだった芸能人と結婚!?
噂によると、奥さんの稲垣早希さんとの出会いもAppBankの仕事がきっかけだったとか?
そうなんです。本当にたまたま、運がよかったと思います。実は僕、大学の頃から早希ちゃんのファンで、そのことを周りの人にもよく話していたんですよね。
で、ある時たまたま早希ちゃんがAppBankに撮影に来ることになったぞ、とむらいさんが教えてくれて。その日は僕は休みだったんですが、どうしても一目見たくて、あわよくばサインを貰おうと思って色紙を買って出社したんです。
それで急遽スタッフとして撮影を手伝うことになったんですが、ファンだったからいつも以上に張り切って、テキパキ動いちゃいましたね(笑)。
撮影終わりにサインをいただく時も、めちゃくちゃ緊張しながら出来る限り低姿勢でお願いしたりして。そしたら、そういう仕草を見て「いい人っぽい」と思ってくれたみたいで…(照)
その日に仲良くなって……ってことですか?
いや、そのあとむらいさんが僕に気を使ってくれたのか、早希ちゃんに「個人チャンネルを伸ばすために、りおなりに動画編集を教わりなよ!」って言ってくれたんです。その結果、以降もやりとりが続いて……という感じですね。
まさか自分が好きな芸能人と結婚することになるとは、そもそもお付き合いできるなんて微塵も思ってなくて。
アイドルオタクの後輩に「推しと結婚ってやばくないっすか?」って言われたのを今でも覚えてます(笑)
「自分の好きな人(こと)」を明言していたおかげで、周囲の人が縁をつないでくれたんですね。
【ラッキー4】 退職して半年後にはチャンネル登録者10万人突破!
お子さまが生まれたことを機に今年1月にAppBankを退職されて、現在はYouTubeチャンネル『りおなり夫婦のビログ旅』がチャンネル登録者数10万人を超えていますよね。
退職するときには「これからYouTuberとして生きていくぞ!」って思っていたんですか?
いや、全くそんなことはなく、むしろこれまでの動画の再生数やSNSのフォロワー数はAppBankのブランドがあってこそだと思っていたので、正直収入面はかなり不安でしたよ。
ただ、子どもの成長は出来る限り2人で見守りたかったし、早希ちゃんも早めに仕事復帰はしたいと考えていて。
家族の幸せを考えたら、「僕が家でできる仕事をして、2人で育児をするのが一番だよな」って思ったんです。それで退職を決心しました。
素敵……! でもじゃあ、退職当初はどうやって今後の生活を支えようと考えていたんでしょう?
まずは在籍中から細々やっていた『ビログ旅』の人気をしっかり伸ばす努力をしつつ、YouTube専門の動画ディレクターとして活動しようと考えていました。
これまで6年間AppBankでYouTubeにすべてを注ぎ込んできたし、今までに7000本近くの動画を企画して、撮影して、編集してきたので、その道で活動していく自信はあったんです。
7000本!たしかにYouTuberの黎明期からそれだけの経験を積んできたら、自信になりますよね。
でも結果的に『ビログ旅』のチャンネル登録者数が10万人を超えて、ありがたいことに今では生活のほとんどをこの収入でまかなえるようになったんです。
実は『ビログ旅』の視聴者で一番厚い層は25~35歳くらいで、中には夫婦で見ている人も多いんですよ。自分たちと重ね合わせて僕らの家族生活を楽しんでくれていて。
そう考えると、「家族で幸せに暮らすこと」を考えて決断をして良かったなって思います。あの時退職していなかったら、もしかしたら動画のテイストも変わっていたかもしれませんから。
りおなりさん自身が「最も幸せでいれる状態」をイメージし、そこに向けて思い切って舵を切ってみたことが、結果的に良かったんですね。
ラッキーを呼ぶ秘訣は「自分の心に正直に&一生懸命に」
りおなりさんは、もともとは動画編集者という裏方の仕事でキャリアをスタートさせたわけじゃないですか。なのに、なぜYouTuberとして食べていけるほどになれたんだと思いますか?
AppBankに入社した頃は、まさか自分が将来YouTuberになるとは微塵も思ってなかったです。でも、「周りの人たちを楽しませる動画を作りたい」っていうスタンスは大学生の頃から変わっていないんですよ。ただその方法が変わったっていうだけで。
僕は本当に不器用で、一つのことしかできないんです。だからきっと、大学生のときに「内定取らなきゃ」って焦って他の会社に就職しても、絶対うまくいかなかったと思う。
好きだと思えたAppBankで、「面白い動画を作る」ってことをやり続けてきたから、ここまでやってこれたんだと思います。
世間体に惑わされずに、自分の気持ちに正直に向き合い続けてきた結果が、これまでの数々のラッキーにつながったんですね。
そう思います。それにその方が、純粋に生きてて楽しいと思うんですよね。つらい仕事をオンオフ切り替えながら頑張れる人もいると思うけど、僕の場合は多分、そのうち「何のために生きてるんだろう?」ってなっちゃうと思う。
あとは、自分が幸せで前向きに取り組めることを一生懸命やってたら、自分はもちろん、周りの人もつられて楽しんでくれると思うんですよ。
周りの人も、ですか?
例えば以前、友達に結婚式の二次会の司会を頼まれたときに、絶対に失敗しないように何週間も前からわざわざパワポをまとめて練習してたんです。
でも当日、なぜか新郎新婦より緊張しちゃって、パワポの内容も話すことも全部飛んでアドリブでやることになっちゃって(笑)
進行ミスったり、グダったり酷かったと思います。でも大事な友達の晴れ舞台に暗い顔してらんないので、楽しもうと思って全力でやったんです。
そしたら終わった後には、「面白かったよ、ありがとう」って喜んでもらえたんですよ。
そんな風に一生懸命楽しんでやってたら、もし困ったときも誰かが助けてくれるし、失敗しても許してくれると思うんです。成功してもしなくても、「なんか楽しかったから、こいつに頼んでよかったな」って思ってもらえたりして。
だから自分の中で「幸せな状態でいること、一生懸命でいること」はすごく大切だと思います。それがまた新しいラッキーを運んできてくれるとしたら、超最高ですよね。
取材・文/河西ことみ(編集部)
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