転職 Vol.909

外資系企業への転職に後悔した28歳の事例をプロが解説「求人を選ぶ前に“条件の優先順位決め”が重要です」

type編集部が回避法をレクチャー!
入社した会社でまずは数年頑張らなきゃ、なんて一昔前の話。今では20代の転職希望者も、若手を採用したい企業も増えてきた。 とはいえ「そろそろ自分も……」と思っても、初めての転職は分からないことだらけ。せっかくの貴重な20代を、失敗で終わらせたくない! そこで、typeに訪れた「20代で転職に失敗した人」たちのエピソードを、type編集部のアドバイス付きで紹介。先輩たちの経験談から、‟失敗転職”の回避法を学んでいこう
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28歳(男性・年収600万円)南さんのケース23歳 都内の有名私立大学を卒業後、大手住宅メーカーで営業職に従事(年収350万)
28歳 外資系医療機器メーカーの日本法人立ち上げに営業として参画(年収600万円)
転職活動期間:3カ月
希望条件:業績が安定していること、異業種であること
妥協した条件:初期メンバーのため、安定した企業とは言えないこと
応募社数:10社、書類選考通過:3社、1次面接通過:2社、内定社数:2社

サービス合戦で顧客を奪い合う営業に限界を感じた

もともと人と話すのが好きで、就活時から営業職を志していたという南さん。営業力を付けるために「売るのが難しい高額商材を扱いたい」と、新卒で大手住宅メーカーに入社した。

しかし折しも業界全体で各社の業績が悪化し、他社との価格競争が激化。日に日に営業がつらくなっていったという。

「商談のフェーズになると、必ず他社と比較されるのですが、次第に極端な値引きや無料でオプションをつけるといった過剰なサービス合戦に発展。競合各社でお客さまの奪い合いになっていきました」

自分ではベストだと思う提案をしても、価格の安い競合他社に顧客を取られてしまうケースが増え、徒労感を募らせる毎日。そして28歳のとき、南さんは転職を考え始めた。

「サービス合戦に嫌気がさしたと同時に、社内でも中堅になってきたタイミングで、他の業界で自分の力を試したくなったんです。そこで転職エージェントに登録してみたところ、担当者から『景気に左右されず安定した業界』だと、医療業界をおすすめされました

「安定しているから医療業界」のはずが……。外資系企業に転職して激しく後悔

転職エージェントからすすめられるままに、南さんは医療業界に狙いを定め、10社に応募。2社から内定をもらい、選んだのは外資系医療機器メーカーの営業職だった。

医療業界のことは何も分からなかったものの、その仕事は「日本法人立ち上げ時の初期メンバー」というポジション。

「全員横並びでのスタートだったから安心だと思ったし、外資系日本法人の立ち上げなんてかっこいいなと感じていました」

スタート時の社員は40人、半数以上が外国人という環境にも惹かれて入社を決めた。

「入ってみたら、他の営業メンバーはみんな医療業界の経験者で、バリキャリ志向の高い人たちでした。しかもこれは外資系特有なのかもしれませんが、入社してすぐ次々と人が辞めていって。人手が足りないから総務担当が経理を兼任することになり、給与振り込みが遅れたり、経費精算の金額を間違えたりする状態が1年近く続いたんです」

人事や経理などの担当者が次々抜け、会社としても回っていない。営業部も強化されないので、業績も振るわずボーナスが支払われなかったこともあったという。

南さん自身も業界未経験だったため、思うような営業成績を上げられていないと声を潜めつつも、不満は募る一方だった。

「いくら営業成績を上げろといっても、教えてくれる先輩がいるわけでもありません。やみくもに営業しているような状態で、スキルも身に付かない。安定しているから医療業界をと考えていたのに会社は不安定だし、転職しなきゃよかったと後悔することになりました」

type転職エージェント キャリアアドバイザーからのアドバイスをCHECK!

今回の南さんの転職活動は、どのような点に気を付けるべきだったのか。type転職エージェントのキャリアアドバイザー・植草武尊さんに解説してもらった。

type転職エージェント キャリアアドバイザー 植草武尊さん
type転職エージェント キャリアアドバイザー 植草武尊さん
ホテルコンシェルジュの経験を経てウェディングプランナーへ異動。以降プランナーとして240組のプランニングを行う。経験を生かしつつ、より人生において重大な意思決定のサポートが出来るキャリアアドバイザー職に惹かれ、type転職エージェントへ入社。現在は営業職の転職者を中心に転職サポートを行っている

「南さんの一番の問題は、『自分が転職で何を一番に叶えたいか』を決めきる前に、求人を選んでしまったことです。前職から転職する理由は、商材の売りにくさが嫌だったのか、景気に左右されない業界で働きたいのか、それともスキルを高めたいのか。そもそも転職に求めることの優先順位が明確ではなかったのではないでしょうか」

転職を決意するときは、今の仕事の何もかもが嫌になってしまうこともある。しかし求人を選ぶ際には「何が一番嫌で転職するのか、どこを譲れない条件にするか」を決めることが求められるのだ。

「今回は『安定しているし、かっこよさそう』と外資系医療系企業の求人を選んでいますが、立ち上げメンバーというからにはある程度ハードな仕事であるということは予想できたはず。確かに医療業界は安定業界ではありますが、自分の転職先やその仕事内容も業界のスタンダードに当てはまると考えてはいけません」

もし「業績の安定」が最重要事項だったのであれば、南さんは業界で求人を選ぶのではなく、「経営基盤のしっかりした会社」「業界No.1の会社」など「企業軸で転職先を選んだ方がよかったのかもしれない」と植草さんは分析する。

「南さんの場合、競争が激化して値下げ合戦になってしまったところが一番の転職理由のように見えました。ならば業界で転職先を選ぶより、業界No.1でライバルの少ない会社や、商品・サービスの優位性が高く、他社の追随を許さない強みを持つ会社を選んだ方がマッチしたかも知れませんね」

また、一見「仕事が充実していそう」に見える外資系企業の求人には、ある程度の覚悟が必要だと植草さんは言う。

「外資系企業は成果至上主義で、結果へのコミットを厳しく求められることも多い。実力を発揮して給与アップを狙いたい人にはおすすめですが、南さんの叶えたいことには合っていないように思えます。また、外資系医療機器メーカーの一部門で業績が振るわないと、部門ごと国内メーカーに売却されてしまうこともある。そういうったリスクも把握した上で求人を選べていたかも疑問です」

最後に「転職先に求める優先順位」をぶらさないためには、事前の自己分析とその整理が欠かせないとアドバイスしてくれた。

「転職に求めるものが何なのか、箇条書きで一つ一つ書き出してみましょう。その上で、自分が一番叶えたい部分はどこなのか、理想ではあるけれど妥協できる条件は何なのか。求人を選ぶ前にしっかりと把握し整理することが大事です。その際は転職アドバイザーとの面談を通して、優先度を整理しながら求人を探すこともできますから、ぜひ相談してみてくださいね」

>「type 転職エージェント」に相談してみる

取材・文/石川香苗子

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