スキルアップ Vol.1000

プロスピーチライターが明かす「一瞬で心をつかみ意見を通す対話力」を要約!【10分で読めるビジネス書】

ビジネスや世の中のことももっと勉強したいけれど、なかなか読書の時間が取れない……。そんなあなたに、10分で読める要約版でおすすめ書籍を紹介します!

今回紹介するのは『一瞬で心をつかみ意見を通す対話力』(ひきたよしあき/三笠書房)。

「相手の話を丸暗記するくらいの気持ちで聴く」「対話はLIVE」。長年博報堂に勤め、スピーチライターとして定評のある「対話のプロ」が明かすコミュニケーションの極意が詰まった一冊だ。

この本のポイント

一瞬で心をつかみ意見を通す対話力

●名経営者などは、人に教えてもらうことに躊躇しない。一歩引いて傾聴し、オーバーなくらい驚き、感謝を伝えることに長けている。

●相手の話を丸暗記するくらいの気持ちで聴く姿勢は相手に伝わる。重要な単語や話の骨格を3つ記憶するようにすれば、次回に話が弾む。

●対話はLIVEであり、常に話し手と聞き手が入れ替わる。相手の承認欲求や優越感を刺激し、本音を引き出すことも大事だ。

●上手に意見を通す人の共通点は、相手が自ら手助けしたくなるような、困っている信号を出すのがうまい。

Book Review

新型コロナウイルスが世界を覆い、私たちの仕事のやり方は大きく変わった。中でもミーティングの変化はかなり大きい。感染拡大以前、ミーティングは対面が主流だったが、今はオンラインミーティングが当たり前となった。

そのおかげでスケジュール調整が楽になった面もある。しかし「対話」に焦点を当ててみると、以前より難しくなったように感じる。

本書のテーマは「対話」だ。話し方のプロである著者が、「共感力が高まる3つの方法」「相互理解を深める話し方・伝え方」「相手の満足を引き出す意見の通し方」の3つの章を通じ、対話の極意を伝えている。

例えば、対話で大切な共感を生むには、雑談から入るといい。対話の最初に季節の話や五感に響く雑談を入れることで打ち解けやすくなるからだ。また、一度に長く話すよりも、1分間程度の短い雑談を何度もする方が好印象を持たれやすい。うなずきは対話で最も大事なアクションだが、きちんとできている人は少ない。特にリモートではアクションを大きくしないと伝わらない――。こうした対話力のコツが満載だ。

リモートワークが増えたことで雑談が激減し、課題を感じている会社が多いと聞く。しかし、リモートでも雑談は可能だろう。リアルとリモートの両方、ハイブリッドな対話力が大事だということを、本書は教えてくれる。

【必読ポイント!】 相手を受け止め共感力を高める

1分で打ち解ける雑談力

何から対話を始めるか、挨拶の次に続ける一言は難しい。

例えば講演会で、「冷房は寒くないかい?」「マイクの音は大丈夫ですか?」といった、頭を使わずに五感で反応できる何気ない質問をされると、会場に一体感が生まれやすい。特にリモートでは、五感の共有をしないと要件を伝えるだけになる。それでは人間関係を築きにくいだろう。「そちらは寒いですか?」の一言があるだけでも、打ち解けやすくなる。

2回目、3回目の対話の中での雑談は「相変わらず〇〇ですか?」の質問が効果的だ。〇〇には相手が言いたくなるような「頑張っていること」や「関心事」を入れると対話が弾む。

加えて受け答えには驚きを交える。「うわぁ、それは大変だ!」と入れるだけで盛り上がる。特にリモートでは大袈裟なくらいがいい。驚いた後は、そこに質問を重ねることで対話がつながっていく。

何度も繰り返し会うことによって相手を好きになる「単純接触効果(ザイオンス効果)」のように、人は1回長く話すより、数回短く話す方が仲良くなれるという。そこで著者は1分雑談を勧める。挨拶、共感、驚き・励ましの3つの要素を入れると、1分雑談は成立する。更に前向きな言葉で締めると好感度が増す。

リモート会議での雑談は開始前後を活用する。開始時刻の少し前に入り、同じように早めに入っているメンバーと雑談する。会議後少し残ってもいいだろう。

傾聴力が信頼を生む

松下幸之助氏が部下や新人にも教えを乞うたように、一代で会社を大きくした経営者には腰が低く、人の話をよく聞く人が多い。傾聴し、一歩身を引いて教えてもらい、オーバーなくらい驚き、感謝を伝える。それができる人ほどビジネスで成功し、有能な人ほどそれを自然に行える。低姿勢には重要な情報をかき集める魔力がある

人の話を丸暗記する気持ちで聞く、その前のめりの姿勢は相手に伝わる。しかし話の全てを覚えるのは難しいので、重要なことを3つ記憶しよう。まず、重要と思われる単語や話の骨格の言葉を記録し、その中から3つ選ぶ。そうすれば次の対話で前回の内容を話すことができ、話が弾む。

沈黙は傾聴で大切だが、苦手とする人は多い。5分間、黙ってひたすら聴く練習をしてみると辛さが分かる。

また、対話では「間」も大事だ。説得力がある人は間を長く取る。相手に隙を与えながら話すのだ。4秒、間を取ることを意識してみよう。

一瞬で心をつかみ意見を通す対話力

スピーチアクションで印象を変える

うなずきは傾聴する姿勢を示し、共感を呼ぶ最も大切なアクションだ。しかし、多くの人はできていない。

うなずきの基本動作は、まず「あごを上げる」。これにより笑顔に見え、上気道が開いて話しやすくなる。上げる高さは15度から25度、バンザイの際のあごの角度だ。

その位置をスタートポジションとして、同意を示す際にはそこから軽く首を下げる。深い共感を示す際は、スタートポジションより上の角度から首を下げる。

この2つを練習するといい。更に「はい」と相槌を入れるが、相槌は「はい、はい」と2回が限度だ。「はい、はい、はい」と3回になると小馬鹿にしているような印象を与えかねない。

対話を盛り立てる

最速で理解を得る

対話においては、自分の主張は定めてから臨むものの、あらかじめ持っていた自分の結論に固執しない。対話の中から良いアイデアが出れば採用する姿勢が大切だ。自分の結論の方が良ければ、相手の話を取り入れるふりをしながら、笑顔で自分の結論に導く。自分の結論を持っていることで、対話のコントロールがしやすくなる。

話し方の基礎は、PREP(Point=主張、Reason=理由、Example=具体例、Point=主張)の順で語ると良いとされる。しかし、マニュアル通りにそれを励行するだけでは相手に響かないだろう。相手に響くように話すには、最後に感情を足す。そうすればマニュアル臭さが消え、対話に人間味が足される。

時系列や考えた順番で語る人は多いが、それでは「子どもの作文」のようで、相手に伝わらない。相手が先に聞きたいのは「結論」かもしれない。その場合、「結論から言いますと」と冒頭に入れ、結論から話し始めればよい。望まれる順番に、相手本位で組み立てることが重要だ。

対話を盛り上げて理解を深める

一人でしゃべっている限り、対話は盛り上がらない。一方、相手の声に反応しながら自分の話をすると相互理解は深まる。

対話はLIVEであり、話し手と聞き手が入れ替わり、生きた言葉は相手の発言から生み出される

何かと対立しやすい世の中だが、それでは対話はできない。かといって相手に同調するだけでは能がない。そこで、相手の自己承認欲求や優越感をくすぐりながら、本音が出るのを待つ。ポイントは相手が聞いてほしい点を的確に突くことだ。質問形式で、5W1Hで探ってもいいだろう。

対話を盛り上げるには、話を舵取りすることも必要だ。「確かに」「仮に」「とはいえ」「逆に」といった「舵取り言葉」を使えば、対話の軌道修正、掘り下げ、盛り上げができる。舵取り言葉の使い方はインタビュー記事などで勉強できる。

一瞬で心をつかみ意見を通す対話力

心に響く言葉を作る

心に響く言葉とは、相手の期待に応えた言葉だ。素晴らしい名言も相手の期待とズレていれば全く響かず、むしろいら立たせるだけだ。

相手が聞きたいこと、5W1Hのどれを聞いているかを明確にとらえ、それに真摯に答える。それが相手の心に響く言葉になるだろう。

一方、ビジネスの場面などであえて響かない言葉を使うテクニックもある。お詫びの記者会見などで「現在調査中です」「プライバシーに関わるのでお答えできません」とワンフレーズに逃げ切る方法などだ。

「本質を見抜いているように見せる」テクニックは、相手の信頼を得るために使える。コツは「それが何のためにあるのか」を考えて紙に書き出すこと。そこからある程度本質を理解できたら、それを会話の中に織り込む。本質を深く追求したり、多くの人に共感してもらったりする必要はない。

例えば、日常の中で「お風呂とは?」と問いかけて考えてみる。そうすることで本質に迫る訓練ができ、思考を深めた先に相手に響く言葉が生まれる。

満足を引き出し、相手を動かす

相手のやる気スイッチをON

仕事で良好な関係を続けている相手に対し、好悪どちらの感情を持つかというと、やはり好感だろう。そして、好感を持つ相手に対して否定的な感情は持ちにくい。

では、相手に好感を持ってもらうにはどうすればいいか。そのコツは、相手を取り巻く環境に好意的な発言をすることだ。本人自身をほめるとおべっかに聞こえるので、相手の上司や会社環境などをほめる。ネガティブな言葉を使わないことで周囲が肯定的になり、意見も通りやすくなる。

嫌いな気持ちは察知されやすい。まずは相手を好きになることも大事だ。

上手に意見を通す人の共通点は、「甘えん坊話法」で相手の助力を引き出していることだ。相手が自分から手助けしたくなるような、困っている信号を出すのがうまいのだ。人は押し付けられるとやる気は出にくいが、自分から動いた時は多少の無理をしてもやり遂げようとする。

説得力をアップする手法としては、WHY、HOW、WHATの順番に話す「ゴールデンサークル」がある。重要なのはWHY、「なぜやるのか」から始めることだ。実際の対話ではWHYとHOWの区別が難しいので、相手にWHYを徹底的に問う。「なぜ」を熱く語ることにより、自分の哲学が明確になる。

哲学は人の心を動かす。自分の存在意義に疑問を持ち、思い悩む人は多いが、組織もプロジェクトも同じだ。確かな存在意義、存在価値は、物事を前進させる力に変わる。

WHYの問いは、進めようとすることの存在意義について、対話を通じて確認することである。

一瞬で心をつかみ意見を通す対話力

相手を動かす方法

相手に詰問されるような場面では、1.首を動かさず右を見る。2.首を動かさずに右上の天井を見て「はい」とうなずく。3.最後に相手を真正面に見て力強く「大丈夫です」と言う。4.口角を上げてにっこり笑う。こうすることにより、相手に安心感を与えられるだろう。

スピーチライターの世界では、感情や思いは相手の左目に向けて、理論は右目に向けて語れと言われる。左目は右脳に通じるので、物事をイメージでとらえ、右目は左脳に通じるので理論的に考えようとするからだ。目線の動きも安心感を与えるツールになる。

相手を動かすには「オノマトペ(擬音語)」のような、身体全体に働きかける言葉も有効だ。ロジックでは伝わらない微妙なニュアンスや感覚を伝えることができる。優れた話し手は対話の前半でロジックを用い、後半に会話が弾むようになったら徐々にオノマトペを使いだす。「ドキドキしますね」「サクサク進めましょう」といった具合だ。

これらの言葉は共に行動を起こしたくなるマジックワードだが、全く伝わらない擬音やネガティブなワードは逆効果なので使わない。ひらがなのオノマトペ、「さらさら」や「ひたひた」などは固まった感情をほぐす効果がある。カタカナとひらがなのオノマトペを上手に組み合わせ、行動につなげよう。

次につなげるコツ

相手に次も話したいと思わせるには、対話の最後に「良い対話だった」とまとめるより、今回話し切れなかったことを整理してお互いに共有しておくといい。

それが1回限りの対話であったとしても、対話の後半は次を想定して今日話せなかった点を盛り込んでいく。つまり「あなたともっと話したい」というメッセージを送り、次の対話につなげていくのだ。

仕事とプライベートを明確に分けたい気持ちは分かるが、公私混同の付き合いをすることは次の対話につながることもある

SNSには多くの人のプライベートが公開されており、ビジネス以外の顔ものぞく。「いつも楽しく拝見しています」と声をかけ、ちょっとした話題の中に軽く差し込む。そんなやり取りから生まれる「また会いたい」という気持ちが、次の対話へとつながっていく。

著者情報

ひきたよしあき

博報堂フェロー、スピーチライター。1984年早稲田大学法学部卒。学生時代より「早稲田文学」学生編集委員を務め、NHK「クイズ面白ゼミナール」のクイズ制作にも携わる。博報堂に入社後、CMプランナー、クリエイティブディレクターとして数々のCM制作を手がける。政治、行政、大手企業のスピーチライターとしても活動し、“人の心を動かす”原稿¬¬が評判を呼び、数多くのエグゼクティブから指名が殺到。また、明治大学をはじめ、多くの大学の講義では「就職後まで役に立つ」「一生ものの考える力が身につく」と学生からも支持を集める。慶應MCC、WASEDA NEOをはじめ、全国各地のカルチャースクール、企業、自治体、学校で講演活動を行うほか、社会人向けオンライン学習コミュニティ「Schoo」では、コミュニケーションの重要性や、日本語の素晴らしさをわかりやすく伝える講義が大人気となっている。主な著書に『指名殺到のスピーチライターが教える言葉のちからをつくる本』(三笠書房《知的生きかた文庫》)、『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)など。

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