株式会社キャリアデザインセンター 人材紹介事業部 部長 檀上 悠一さん 外資系アパレル企業にて販売職を約4年経験後、『type転職エージェント』に入社。営業職や販売・サービス職、女性マーケット領域を中心に多数の転職支援を強みとしている
「30歳手前、販売・サービス職」から営業職に未経験転職できる人とできない人の“決定的な差”
20~30代の年収水準が高い営業職。接客・販売系の職種で働く20代の中には、これまでの実務経験を生かし、年収アップやキャリアアップのために営業職に転身したいと考えている人もいるのでは?
しかし、いざ転職活動を始めようというときに気になるのが、接客経験しかなくても「転職できるの?」「入社後に営業職としてやっていけるの?」という疑問。
そこで、営業職の転職事情に詳しい『type転職エージェント』のキャリアアドバイザー・檀上悠一さんに、販売職から営業職にキャリアチェンジできる人とできない人の違いと、転職活動をする上で大事にしたいポイントについて教えてもらった。
求められるのは「アウトプット志向」
檀上さんによると、「コロナ禍によって販売・サービス職から営業職への転職を望む求職者の数は格段に増加している」という。
営業職は販売・サービス職と同じようにコミュニケーションスキルが重視される職種の一つということもあり、親和性が高い職種であることが理由に挙げられる。またコロナ禍が追い風となっている業界も多く、それらの業界では営業未経験者の採用ニーズが高まっているのも理由の一つだろう。
販売・サービス職経験者の中でも、営業職転職が上手くいく人の特徴はずばり「アウトプット志向の人」だ。
企業が未経験者を採用する場合、志向性は特に重要視されます。特に営業職の場合、内向的だったり目標に対する意識が低かったりする人は、入社後の教育にパワーがかかることが多いため、企業からは敬遠されがちです。
逆に仕事に対して積極的に行動を起こしてきた人や、目標を達成するために努力をしてきた人、つまりアウトプット志向がある人については転職市場において重宝される存在となるでしょう。
営業職のミッションは営業利益を上げることであり、シビアな目標が設定されることが多い。営業職への転職をする際は、「接客」や「サービス」といった視点はもちろん大切だが、「売上」「利益」に貢献できることをアピールすることが重要だ。
また販売・サービス職経験者が営業職に転職する場合、それまでの接客スタイルと近い個人営業を選択することが多いが、営業職として大切な「アウトプット志向」を持ち合わせている人であれば、法人営業としての採用チャンスも充分あると言える。
「売上」以外でも、アピールできるポイントはあるはず
「積極的な性格ではない」「これまで数字を意識して働いたことがあまりなかった」という人も諦めないでほしい。
これまでの経歴の中で意識していたことやこだわっていたことを思い返せば、必ず何かしらのエピソードはあるはずだ。
例えば「リピート率を上げるためにしていたこと」、「回転率を高めるために意識していたこと」、「お客さまにファンになってもらうためにしていた工夫」など、売上や利益に直結する話ではなかったとしても、数字やプロセスに関する話は選考において評価されやすいポイントの一つだ。
販売・サービス業界では、個人に対して目標やノルマが設定されていない場合も多いですよね。
それであれば、会社が設定した目標に関する話以外でも、自分が仕事をする中でどのような目標を立てて、それを達成するためにどのような努力をしてきたかという話も充分アピールポイントになりますよ。例えば『アルバイトの離職率を減らすために○○をしていた』なども立派なアピールポイントです
冒頭でも述べた通り、販売・サービス職と営業職の仕事内容は親和性が高く、未経験からチャレンジするうえでハードルの低い仕事の一つだ。
一方で自らお客さまにアプローチし、目標やノルマを達成することが求められる営業職は、来店したお客さまに対してアプローチする販売・サービス職と比較するとより能動的な動きが求められる。
その点を理解した上で、書類選考や面接選考でこれまでの経歴をしっかりアピールできるかどうかが、営業職転職の成否の分かれ目と言えるだろう。
文/赤池沙希
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