株式会社キャリアデザインセンター 人材紹介事業部 部長 檀上 悠一さん 外資系アパレル企業にて販売職を約4年経験後、『type転職エージェント』に入社。営業職や販売・サービス職、女性マーケット領域を中心に多数の転職支援を強みとしている
キャリアアドバイザーが解説、若手未経験転職市場の実態「いまの“狙い目”は営業職」
コロナ禍における「採用控え」が緩和されはじめた今、「未経験の仕事に挑戦してみたい」と考える20代もいるはずだ。では実際に、どんな職種にチャレンジするのがいいのだろうか。
そこで、最新の転職事情を知る『type転職エージェント』のキャリアアドバイザー・檀上悠一さんに話を聞いてみると「今なら『営業職』が狙い目」だという。その理由を詳しく聞いた。
「営業未経験採用」を積極的に行う企業が増加
一時期はコロナ禍により「各業界の採用控え」が話題になっていた。しかし2022年4月の新規求人倍率は2.19倍(厚生労働省)。今ではコロナ禍以前よりも売り手市場が続いている。
中でも特に採用ニーズが増えたのが、「IT・Web業界や人材業界の営業職」だ。
IT・Web業界は、対面でのコミュニケーションが難しいコロナ禍でも、ZoomやGoogle Meetなどのビデオ会議によるアプローチが可能な業種です。営業活動における支障がほとんどないため、営業職の求人も活発になっています。
また最近では、各業界でクライアントの問い合わせから営業的なアプローチを行うカスタマーサクセスという考え方が浸透してきています。従来の飛び込み営業だけではなく、内勤営業というスタイルもかなり主流になってきており、人材業界などを中心に需要が高まっています
さらにここ1~2年は人口減少による経験者不足のため、各企業が未経験者へと間口を広げて採用するケースも増えてきているという。
特に企業が間口を広げているのが『未経験の営業職採用』です。各社、これまでは近い商材を扱っていた営業経験者を狙って採用をしている企業が多い印象でしたが、最近は市況が変わり、未経験者も積極的に選考しているんですよ
狙い目は「新卒採用が止まっていた」求人
営業未経験採用の間口が広がっているとはいえ、キャリアの浅い若手人材であれば「もう少し、今の会社で経験を積んでから転職したほうがいいのでは」と考える人もいるはずだ。しかし若手人材にこそ「今」狙ってほしい企業があると檀上さんは続ける。
それは、コロナ禍による影響で直近1~2年で新卒採用ができなかった企業です。もともと企業側は『若手人材に自社のカルチャーを根付かせたい』という考えを持っていますから、今20代の若手人材を中途採用で補おうとする動きが活発化しているのです。
若手人材の採用を行う企業の場合は、『入社後に育てていこう』というスタンスの企業が多いため、営業職未経験者にも充分採用のチャンスがあるでしょう
さらに在宅やリモート勤務が一般化したことにより、家庭の事情によってキャリアを築くことが難しかった女性の活躍の場も広がっている。
以前はライフイベントなどによりキャリアを中断する女性が少なくなかったため、残念ながら企業側も女性の採用には慎重にならざるを得ない部分もありました。しかしコロナ禍でオンライン商談が普及したり、多様な働き方が認められるようになったりしたことで、ライフイベントを経た女性が働きやすくなりましたよね。
さらに営業職はもともとコミュニケーション力の高さや女性ならではの視点が活かしやすい業界も多いため、女性採用のニーズもどんどん高まっています
転職活動は「プロに相談」しながら進めてみて
最後に檀上さんは「もし今、20代で少しでも転職という2文字がちらついているのなら、まずはチャレンジの道を選んでほしい」と話す。
好況な業界であれば、今は特に間口を広げて採用している状況。営業職経験者はもちろん、販売職の方などのニーズも高く、まさに今がチャンスと言えます。
実際に転職をするかどうかは置いておいても、転職活動をすることでこれまでの自分の経験やスキルが他の企業で生かせるのかを判断する材料にしてみてもいいと思います
もし転職エージェント経由で転職活動をする場合は、約20社程度の選考を受けるのがおすすめだそう。最初からあまり絞らず、さまざまな企業の選考を受けるなかで比較検討しながら進めていくのがコツだ。
20代で初めて転職活動をする人の中には、履歴書の書き方に自信が無かったり、面接対策に時間が割けなかったりして、足踏みしてしまうことも少なくありません。そういった方は、ぜひわれわれに相談いただければと思います。書類選考のコツや添削、転職活動のノウハウは豊富にあるので、ぜひ頼ってくださいね
文/赤池沙希
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