キャリア Vol.1014

即購入につなげる“最後の詰め”はどう書く? セールスコピーライティングのプロが五つのポイントで解説

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これまで4回にわたって、“売れる文章”を書くコツについて解説してきました。

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最終回となる今回は、購入直前でお客さまを離脱させないための“最後の詰め”となる文章のつくり方についてお話します。

お客さまがインターネット上や雑誌、チラシなどで見つけた商品を「欲しい」と思っても、実際に買うかどうかは別問題。「購入」という期待するアクションを引き出すためには、次の五つのポイントを意識すると効果的です。

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【記事執筆者】 株式会社グローアップマーケティング 代表取締役 谷本 理恵子中小メーカーの通販部門の運営責任者を経て、合格率1%といわれる「ダイレクト出版認定セールスライター」となり独立。主に、30代以上の女性をターゲットとする化粧品や健康食品のネット通販で、「無理なくリピート購入されるメール」や「チラシ」などの制作を通して、売上2倍・利益5倍など高い実績を出す。「女性特有の購買心理」を活用した効果的な文章やデザインのコツを、セミナーや講演、社内研修などで伝えている。主な著書に『ネットで「女性」に売る』(エムディエヌコーポレーション)『女性に「即決」される文章の作り方』(ぱる出版)『プリンセス・マーケティング』(エムディエヌコーポレーション)がある。現在は、オンライン学習プラットフォーム『Udemy』でセールスコピーライティングなどの講座を持ち、人気を博す

※この記事は姉妹サイト『Woman type』より転載しています。

ポイント1:競合商品・サービスと違うポイントを説明する

商品を購入して後悔するのは、誰でもいやなもの。そのため、「他にもっと良いものがあるのかもしれない」「本当はもっと安く買えるかもしれない」といった不安を感じたまま物を買う人は少ないでしょう。

けれど、星の数ほどある競合商品やサービスを徹底的に調べて「どこがどう違うのか」「どれが自分にぴったりなのか」「どこで買うのが一番いいのか」などいちいち比較検討するのは、時間も手間もかかって大変です。

実際、毎日のように新しい商品やサービスが生まれている現代において、世界中からすべての情報を集めて吟味することは、ほぼ不可能でしょう。調べれば調べるほど、かえって何が良いのか分からず、選べなくなってしまいます。

そのため、セールスコピーライティングにおいては「他とどこが違うのか」という比較視点を持つことが大切。

一方的に「うちの商品はここがすごいですよ」と主張するのではなく、「Aという商品は、こういう特徴があるから、こういう人にぴったりだけど、逆に、こういう人にとっては、うちのB商品の方が、こういう点でおすすめですよ」といった具合に、他と比べてどこがいいのかを伝えることが重要なのです。

多くの人は、「デメリットのない商品やサービスは存在しない」と分かっています。長所と短所は表裏一体なので、万人にぴったりの商品はありません。

ですから、良いことばかり書かれていても、「隠されていることがあるのではないか?」と疑わせてしまう原因にもなり得ます。だからこそ、競合商品の存在を認めた上で、それぞれの長所や短所について説明する方が、すんなり受け入れてもらいやすく、信頼につなげられます。

ポイント2:「お客さまにとって親切な情報」を届ける

比較視点を持つと言っても、他の商品やサービスの特徴を調べ上げて「比較表」にまとめることが、お客さまが欲しい情報とは限りません。必要なのは「細部まで比べること」ではないからです。

そもそもお客さまは、商品やサービス自体にくわしくなりたいわけではありません。

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必要なのは、お客さまに「どうしても、この商品でなくては」という確信を与えること。

幅広い人にアピールしようと欲張って「他の商品やサービスにも当てはまる一般的な話」ばかりを並べてしまうと、あえて選ぶ理由が分からなくなってしまいます。

一度まっさらな気持ちで自分が書いた文章を読み直すと「この説明は、他社でも使えるからイマイチだな」「この説明だけでは、選びきれないかもしれない」などと気づくことも多いはずです。

ポイント3:「買わない理由」をなくす

お客さまが「この商品は自分にぴったりだ」と納得できたとしても、すぐに購入するわけではありません。

商品の購入には、貴重なお金や時間、手間を投資することになりますから、投資に見合うだけのリターンを手に入れられるかを吟味しなければ、安心して動くことができません。

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もちろん、安くて手軽なものであれば「とりあえず試してみよう」とすぐ購入できるかもしれませんが、商品価格が高くなるほど迷うポイントも多くなります。

つまり、決断を促すには、単にメリットを説明するだけでは不十分。「買わない理由」をすべて消してあげる必要があります。

買わない理由の典型は「「時間がない」「お金がない」「使いこなす自信がない」の三つ。その他にも「でも、○○かもしれない」「もし○○だったら、どうしよう」といった不安や疑問は、購入前にたくさん浮かんでくるものです。

そして、それらの不安や疑問を一つでも残したままにしてしまうと、「やっぱり、やめておこう」と購入を諦めてしまいます。

ですから、お客さまが購入前に迷ったり、ためらったりする理由にはどんなものがあるのかを、思いつく限り書き出してみましょう。

そして、迷った末に「やっぱり買わない」という結論になることがないように、お客さまの頭の中にある「買わない言い訳」を完全にひっくり返す説明を用意しておくことが大切です。

この時、「○○がないから無理」を「少しならあるはずだ」と説得しようとしても、不安を完全に取り除くことはできません。

中途半端な理由でにごすのではなく、むしろ「○○がないからこそ、おすすめ」もしくは「○○がないのではなく、むしろ○○はたくさんある状態になる」という積極的な説明に転換することで、「買わない理由」を確実に消してしまいましょう。

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ポイント4:「次にとるべき行動」を明確にする

商品の説明を読んだ後、「何をしてほしいのか」が不明瞭な場合、購入前に離脱されてしまう可能性が高くなってしまいます。

セールスコピーライティングの世界では、どれだけ注意散漫な状態で読んだとしても、たとえ疲れている時間帯に見たとしても、次にとるべき行動が確実に分かるように、はっきり伝えることが必須です。

例えば、「今すぐお電話を!」の一言が文末にあるかないかで、問い合わせの数は変わってきます。また、ちょっとしたことで電話するのをちゅうちょしてしまわないように、必要な情報はすべて明記しておきましょう。

例えば、電話番号の近くに、どんな情報があった方がお客さまにとって便利でしょうか? 定休日や営業時間が分からないと電話をかけにくいかもしれませんし、担当者の名前の読み方が分かってた方が安心しますよね。

電話が得意な人ばかりではないので「チラシを見たと電話口でお伝えください」などと、お客さまが何を言えば良いのかを指定することで問い合わせのハードルを下げることができます。お客さまに期待通りの行動してもらうために、最後まで気を抜かないことが大切です。

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ポイント5:「今すぐ」行動を促す

「次にとるべき行動」が明確に指示されていたとしても、「今すぐでなくても、次の機会でもいいのではないか」という気持ちがまだ残ってしまうかもしれません。

実際、多くの商品やサービスは、生活必需品というよりは「あったら便利だけど、なくても困らないもの」に過ぎず、「どうしても今すぐ買わなければ」といった緊急性がないものですよね。

けれど、さまざまな商品やサービスがあふれている今、お客さまにその場で行動していただかないと、戻って来てもらえることはまずありません。

「今度にしよう」とその場を離れてしまえば、すぐに面倒になって「まあいいか」と結局行動しないままになることが大半でしょう。

だからこそ、「どうしても今すぐ買わなくては」と思える理由をつくってあげることが重要になるのです。

例えば「今だけ」とか「在庫限り」といった形で、限定性や希少性をつけ、今すぐ行動するモチベーションを上げる手法は、よく見かけますよね。また、定期的にイベントを行うことで、買う機会をつくることもできます。

洋服などを買いに行ったときに、ほとんど買おうと決めてはいるけれど、できれば最後に、誰かに後押ししてほしいと思う瞬間はありませんか? 逆に、せっかく買うつもりだったのに、しっかり勧めてくれないから、買いそびれた経験もあるのではないでしょうか。

セールコピーライティングとは、お客さまが自分で自分に「買っても良い」と許可を与えられる言い訳をたくさん用意することだとも言えます。

せっかく「買いたい」気持ちになっているお客さまに、気持ちよく商品を購入していただけるように、細かいところにまで気を配って文章をつくることが大切なのです。

大切なのは「お客さまを理解すること」

さて、5回にわたって「今すぐ行動させる」ための文章の作り方を説明してきましたが、いかがでしたか?

セールスコピーライティングには、さまざまな手法がありますが、すべての基本となるのは、読み手であるお客さまのことをよく知り、「どんな情報を知ると買いたい気持ちになるのか」を誠心誠意考えることにあります。

お客さまの立場になって考えれば「どんな説明をどんな順番で読みたいのか」はおのずと決まってきますし、「伝えたい、広めたい」と心から思う気持ちは、必ず伝わります。

ぜひ、セールスやプレゼンテーションの文章も、コミュニケーション手段の一つだということを忘れず、これからの仕事に役立てていただけたら幸いです。


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