スキルアップ Vol.118

板ばさみで悩む女子多数!「売上マインド」と「貢献マインド」のジレンマ【連載:太田彩子】

“かしこカワイイ”を目指す
営業女子のお作法
営業女子の、営業女子による、営業女子のための連載コラム! 「営業部女子課」の太田彩子が悩める営業女子たちに贈る“オンでもオフでも輝けるヒント”。
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「営業部女子課」主宰 太田彩子女性営業を応援するコミュニティ「営業部女子課」主宰。早稲田大学法学部卒業後、リクルート『Hot Pepper』創刊期にメンバーとして携わり、営業として数々の社内表彰制度に表彰されたのちに起業。「女性営業の人材育成」や「女性の働き方」を専門とし、女性営業プロジェクトやダイバーシティプロジェクトの立上げ・企画支援を精力的に行う。「1億売るオンナの8つの習慣」(かんき出版)や「成功できる人の営業思考」(PHPビジネス新書)など

「営業部女子課」主宰の太田彩子です。

前回のコラムでは、男性の方が得意だと思うけれど、女性の私もできるようになりたいこと」について説明させていただきました。今回のテーマは「『売上マインド』と『貢献マインド』のジレンマ対処法」です。会社で数字を追うときのマインドを営業先で引きずらないためには、思考のスイッチがポイントになります。

今回のテーマ:「『売上マインド』と『貢献マインド』のジレンマ対処法」

お客さまに感謝されることがモチベーション
でも数字も作らなければいけない

日々営業をしていると、会社にいるときと、営業先にいるときで上手く気分を切り替えられないと感じることがあるのではないでしょうか? 例えば、会社の朝礼で数字の話が出てきて、不足している営業数字におけるかい離をどう埋めていくか、焦る気持ちでどんよりしてくる……。朝礼後にはお客さまとのアポがあるが、前向きな気持ちに切り替えられない。身に覚えのある方も多いでしょう。

そもそも営業という仕事は、一生懸命お客さまに尽くしたり、課題を解決したりすることで相手に喜ばれ、その対価として契約を得られるというのが本筋です。営業部女子課のアンケートによると、特に営業女子にとって、頑張ろうと思ったり、楽しいと感じたりできるのは、お客さまから感謝されることがモチベーションにつながるから。しかし、会社に戻って上司より「数字、数字」と言われると、無意識のうちに売上数字ばかりを考えてしまう。分かっているけど、お客さまのお役に立つ、という意識よりも、「1円でも多く売らなくては」に追われてしまうジレンマにつながります。

なぜこのジレンマに悩まされるかというと、お客さまの役に立とうという「貢献マインド」と、セールスパーソンとして利益を追求せねばならない「売上マインド」が切り替えられていないから。では、この2つを上手に自分のものにするにはどうすれば良いのでしょうか。

自分都合の「売上マインド」
お客さま主義の「貢献マインド」

思考の切り替え方を説明する前に、セールスパーソンとしての「売上マインド」と、お客さまのお役に立とうという「貢献マインド」の違いを整理しておきましょう。

まず「売上マインド」とは、「今月はいくら売り上げられるか」という自分中心、自社都合の考え方です。一方「貢献マインド」は、お客さま主義、お客さまの立場に立つ考え方。とにかく相手が喜ぶことをして相手の役に立つことで、その対価として報酬を頂くのだ、という考え方が土台です。

「貢献マインド」はとても大切ですが、「貢献マインド」に傾倒し過ぎてお客さま主義100%になっても売れません。「正当な対価をしっかり頂く」という意思を残しておかないと、お客さまの使いっ走りで終わってしまうからです。会社が営利団体として利益を追求するからこそ、良いサービスをお客さまに提供できるわけですし、私たちのお給料もそこから出ています。しかしながら、もう一方の「売上マインド」がそのままお客さまに伝わったとしても、不信につながり、売れないでしょう。
だからこそ、2つの考え方のバランスを取り、頭の切り替えが必要になるのです。

「みんながハッピーになる」方法を考える

「売上マインド」と「貢献マインド」の間で揺れたときには、「どうすればみんながハッピーになるのか」を考えてみてください。まずはお客さまに幸せになっていただくことが大切ですが、そのためには貢献する側の自分自身が元気でなければなりません。

「自分が元気」というのは、お客さまにも貢献するけれど、会社にも貢献するという状態です。なぜなら、自分が元気であるためには、売上という結果を出し、数字にストレスを感じない状況を保つ必要があるから。「お客さまをハッピーにするためには、自分が元気でなければならない。そのためには、売上を立てる必要がある」という思考を持ってみるのです。「売上か貢献か」ではなく「貢献も、そして売上も」という考え方にするのです。ただし、優先順位は「貢献マインド」が上位にあります。

スムーズに思考をスイッチするためには、習慣を付ける必要があります。売上マインドと貢献マインドというジレンマに陥ったら「まずは、お客さまに貢献する、それが結果対価として売上に繋がる」と思考する癖を付けてみて。

思考が変われば、行動も変わります。そうすれば、困った場面でも「お客さまが喜ぶことが大切だけど、そのためには売上を立てて自分が元気にならなければならない」という考え方に基いて仕事に取り組むことができるようになるのです。迷った時には、「どうしたらみんながハッピーになれるのか」と思考をスイッチしてみてくださいね。

構成/飯田 樹

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営業部女子課
営業部女子課
太田彩子が主宰する、女性営業コミュニティでは日本最大級「営業部女子課」。その輪を全国47都道府県に広げる「花咲かプロジェクト47」をスタートさせ、各地元の女性リーダー(通称:花咲か特派員)とともに「女性の営業力」×「地域活性」にも取り組んでいる。
公式HP:営業部女子課: http://eigyobu-joshika.jp/

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