ボンドの強さは事前準備のおかげ!?『007 スペクター』に学ぶ、デキる営業マンの立ち振る舞い【連載:シネマセラピー】
映画ソムリエ 東 紗友美1986年6月1日生まれのA型。あだ名は“ガシヒー”。広告代理店勤務の後、フリーランスの映画コメンテーターへ転身。年間400本以上の作品を鑑賞し、映画関連のテレビ番組に出演する一方で、新聞や雑誌、Webなどへの執筆も行う。また、映画公開イベントのMCとしても活動し、映画業界を盛り上げるため多方面で活躍中。『ヒガシアター。』: http://higashisayumi.net/
今月の相談
今年も残り、約1カ月。早速、新年からの目標をたてました。僕の来年の目標はズバリ、「デキる営業マンになること!」とは言っても、何を磨けば良いか分かりません……(笑)。人材関係なので、初対面でも好感度が高い“デキる営業マン”になれるような映画ってありますか??
(20代/人材関係営業)
今月のお悩みにピッタリなのはこの1本!
『007 スペクター』
おお、なんとざっくりとした目標(笑)!!
でも気持ちは分かります! では、007の最新作『007 スペクター』をご覧になってはどうでしょうか?
『007』と言えば説明不要かもしれませんが、イギリスの秘密情報部員ジェームズ・ボンドが活躍する、スパイアクション映画のシリーズ作品。1962年からスタートし、今回でなんと24作目になります。
今回は、2012年に公開された前作で焼け落ちたジェームズ・ボンドの故郷“スカイフォール”に残されたある写真を受け取るところから物語が始まります。この写真を手がかりに、メキシコ、ローマ、オーストリア、タンジールなど世界中を巡りながら、悪の組織「スペクター」を追い詰めて行くという内容なのです。
多くの国々の景観も堪能できるので、冒険のようなワクワクした気持ちでこの一年を締めくくってくれることでしょう!
また、本作は51歳で史上最年長となる“ボンドガール”モニカ・ベルッチの起用や、灯油8418リットルと爆薬33キロを使用してギネスに認定された大爆発シーン、360億円の制作費(目標興行収入は1000億越えだとか……)など、桁違いなことだらけなところも話題となっています。
そんなジェームズ・ボンドと言えば、世界共通の“デキる男”の代名詞。どんな年代の男子でも一度は憧れたことがあるはず。
来たる2016年、“デキルる営業マン”を目指すアナタにも、何かインスピレーションを与えてくれることでしょう!
そこで、営業マンという一見スパイからはかけ離れた職種でも、ジェームズ・ボンドのココを模範とすれば、デキる営業マンへレベルアップできる! というポイントをお教えしましょう。
◆マネしたいポイント1
「観察力」と「判断力」で動じない
実は、冒頭10分以内で、ジェームズ・ボンドの目の前の建物が「ドッカーン!」と大爆発するシーンがあります。しかし、ボンドは焦らずシレっと対応。即座に頭を切り替えて敵を追いかけ、捕えることに成功します。
このシーンから学べるのは、焦らず自分の置かれた状況を常に観察できれば、いつでも素晴らしい判断を下すことが可能だということ。
私たちは一般人なので、日頃から彼のような危険には晒されていませんが、予想外の出来事が起きても動揺せず、冷静な対応をすることが何より大事で、それが営業マンとしての実力にもつながることでしょう。
◆マネしたいポイント2
敵との正面対決は「段取り力」と「準備力」で差をつける
今回の敵「スペクター」は、映画版『007』シリーズの初期の頃の作品で敵となった犯罪組織です。これまで幾度となくジェームズ・ボンドと死闘を繰り広げてきた宿敵で、本作では「スペクター」の核心部にまで迫るボンドですが……、捕まってしまいます(汗)。
手足の自由を奪われ、魔法使いでもない限り逃げられないと言う絶体絶命の状況に陥りますが、ここがまさに見どころ。
「ゥオオオ~!」と言う方法で切り抜けてしまいます!
さすが過ぎます(拍手)。こんなものも準備していたのか! と、突っ込むと同時に感激(笑)するその方法は、ぜひ映画館でチェックしてください!
これ、私たちの状況に置き換えるなら、重要なクライアントに会うような場面。気合いをただ入れるだけでなく、どのような流れになるかをあらかじめ“段取り”をつけ(想像力も大事ですね!)、資料や事例を参考に、何が起きても対応できるよう“準備”しておく。これができれば、周りとも差が生まれ、自分の自信にもつながると思います。
デキる男に通じる本質は、営業マンもスパイも変わらないのかもしれませんね。
ココにも注目!
名乗り方や、スーツ姿の出で立ちも参考に
相談者さまはご存知でしょうか?
ジェームズ・ボンドが名前を聞かれた際には、答え方にある“お約束”があります。それは、ゆっくりと低めの声で「ボンド。ジェームズ・ボンドだ。」と答えること。
これ、日本語にしてみると「鈴木。鈴木太郎と申します」となります。ん……? さりげなく名字を2回名乗ってるぅぅぅ!(笑)
しかも、いつだってビシっと決まったスーツ姿で、姿勢もバッチリ。好感度は溢れんばかりです!
タフな仕事もたいがいスーツでこなす彼の出で立ちは、営業時のスーツファッションの参考にもなるでしょう。もちろん、ボンドのようなお高いスーツは買えなくても、色の組み合わせや素材感など真似できるポイントを探してみるのも楽しいかもしれませんよ。
それでは、新年に向けて、仕事のできるナイスガイを目指すアナタに、『007 スペクター』を処方します。
これでお悩み、解決しますように!
【今月の1本】
『007 スペクター』
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レイフ・ファインズ ほか
制作年/国:2015年/アメリカ
公開日:2015年11月27日(金)、28日(土)、29日(日)先行公開。12月4日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
クレジット:SPECTRE©2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.
URL:http://007spectre.jp/
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