転職 Vol.1051

新人からの提案は嫌われる? 中途入社者が気を付けるべき業務改善のお作法

仕事で成果を出すには常に業務改善の視点が必要。新しい職場でも「もっとこうした方が良いのに」と改善ポイントに気付くことがあるかもしれません。

中途入社者からの業務改善提案はどんなことに気を付けたらよいのかを解説します。

新しい職場・仕事で活躍するには何が必要?
転職1年目、なんでも相談室
本連載では、転職後のさまざまな壁を乗り越えて、新しい職場で活躍するためのコツをアドバイス! 入社直前の不安な気持ちから、入社後の仕事・人間関係のトラブルまで、転職後1年目に起こりうる「あらゆるお悩み」を取り上げていきます。

※本記事は『type転職エージェント 転職そのあとLABO』のコンテンツを一部編集の上転載しています

今回のお悩み

業務の改善提案をしたいが生意気と思われないようにするには?
1カ月前に転職で入社し、複数の先輩社員から業務のレクチャーを受けているのですが、業務の進め方や社内ルールに非効率なものが多く、モヤモヤしています。

前職でも同様の業務をしていたので即戦力として貢献したいと思っているのですが、外から来た人間にいきなり業務改善の提案をされるなんて普通に嫌ですよね……。

生意気だと思われて立場が悪くなるのを避けつつ、業務改善の提案をするにはどうしたらよいでしょうか?

タイミングと伝え方を間違えなければ「生意気」なんて思われない

転職1年目、なんでも相談室

こんにちは、ねも姉です。

同じ仕事内容なのに、新しいやり方やルールに合わせないといけなくて、さらにそれによって仕事効率が下がってモヤモヤする……。まさに“転職あるある”ですね!

仕事のやり方は、会社規模や組織の歴史、メンバー構成、マネージャーの方針などが複雑に絡み合って築かれるものですから、職場ごとにルールが異なるのは当然のことと言えます。

でも「それが唯一無二の絶対の正解」であることはめったにないのも事実。あなたの提案をきっかけに、新たなルールに変化していく可能性もおおいにあります。

本日のご相談者さんは、具体的に提案したいアイデアがあって、それを伝えたいけれども、先輩社員の感情を考えると言いにくいという状況かとお察ししました。

組織のためになるなら改善提案はぜひぜひすべき! というわけで、中途入社者からの業務改善提案は、「いつ」「どのように」伝えるのが良いか、にフォーカスしてお悩みに答えていきたいと思います。

「いつ」伝える?→自分が正しく現状把握できていると思えたとき

中途入社したばかりの段階では、組織や業務プロセスについての理解が不十分かもしれませんよね。なので、思いついた瞬間「ここ変えません?」なんて口に出すのはご法度です。

まずは業務の細部や流れを理解すること。それから、どうしてそういうルールなのか背景を知ること。先輩社員にレクチャーを受けながらこれらを学び取り、現状を把握することが大事です。

大・大・大前提として、やりもせずに文句を言うのは筋違い! やってみることで問題の特定や今のルールになっている意図が分かるかもしれません。業務のやり方に非効率さを感じた場合でも、いったん既存のルールを受け入れて取り組んでみましょう

どんな仕事も自分が関わる前後に「つながり」があるものです。例えば、毎月の定例資料を作成する作業があるとします。あなたは提出したら終わりでも、その後に他の部署でその資料を使って会議が行われていたり、別の資料に使うデータになっていたりするかもしれません。

つまり、どこか一部を変えるとその前後にも影響があるということ。ルールを変えるとしたら、どこまでが影響範囲になるかも把握していないとまずいことになりそうですよね。

なので、自分が正しく現状把握ができていると思えるまでは、改善案を提案するには時期尚早と思っておきましょう。

一方で、特に理由なく受け継がれているだけのケースもあるので、さらっと言ってみたら意外とすんなり受け入れられる可能性も……。そんな場合も含めて、次の項目で「どのように」伝えるべきかを考えてみましょう。

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「どのように」伝える?→「試してもいいですか」と許可を取る感じで

提案を伝える際は、「採用されなくてもいい」というおおらかな気持ちで臨むのがおすすめです。新参者の提案が即座に受け入れられるとは限りませんが、先輩たちからのフィードバックやアイデアに対する意見交換をすることで、共通の目標に向けた改善に発展することがあるはず。

また、もし改善したい作業が自分のパートだけで済むようなものであれば、「こういうやり方を試してもいいですか?」と確認を取った上で、自分だけやってみるというのも手です。結果、良さそうだったら関係する人たちに情報提供し、イマイチだったら元に戻すだけです。

それによって大きく業務が改善したなら、周囲の方からきっと真似してくれるでしょう。

もし「影響範囲がつかみきれてないかも」と不安なら、「この部分ってこう変えたらどこかに不都合ありますかね?」のように、提案前の事前調査的に周囲に聞いてみるのもよいかもしれません。

業務の改善提案は、単なる指摘や批判ではなく、より良い業務遂行に向けた内容であるべきです。ただの一般論や抽象的なアイデアではなく、実際の業務上の問題点をどう改善できるのかを論理的に伝えましょう。

「提案を通すぞ!」と戦いを挑むのではなく、先輩社員とコミュニケーションを図りながら、より良い方法を探っていくくらいの柔軟性がある方が組織もあなたもハッピーになれるのではないでしょうか。

どのように伝えるか悩んだら、「内容は具体的に! 態度は柔軟に!」を心掛けてみてくださいね。ちなみに絶対NGワードは、「前職のやり方の方が良かった」ですのでご注意あれ。

いったん受け入れてみる方が実は「お得」

転職1年目、なんでも相談室

いったん受け入れてみる方が実は「お得」のイメージ-type転職エージェント
先ほど、「ルールややり方に違和感を持ったとしても一度受け入れてやってみる方が良い」とご説明しましたが、それにはいくつかの理由があります。

組織の文化や歴史の理解が進む

既存のルールややり方は、組織の歴史や背景、特定の制約事項に基づいている可能性があります。これらを受け入れることで、組織文化に関する理解を深めることができ、職場に馴染むまでの時間が短縮できたり、今後の仕事が進めやすくなる効果もあるのではないでしょうか。

ベテラン社員の知恵を吸収できる

既存のルールを受け入れることで、先輩社員やベテランの経験や知恵を吸収する機会が得られます。効率は多少悪かったとしても、今のやり方が採用し続けられているのには、組織内の独自の理由やノウハウが含まれているかもしれません。

それらの知恵を受け継ぐことで、今後の業務で生かせる「より良い判断」や「効果的な改善策」を見つけることにつながるでしょう。

チームの一体感と信頼関係につながる

「同じ釜の飯を食う」ではないですが、既存のルールを尊重することは、チームへのリスペクトを示すことにつながります。組織の一員として協力することで、同僚との信頼関係や一体感を築くことができます。

逆に言えば、中途入社者が即座に既存のルールに反対する姿勢を示すと、その後の協力関係を築きにくくなったり、最悪の場合、敵対視されてしまうことも……。最初は既存のルールに従いつつ、チームとのコミュニケーションや関係構築を重視する方が長期的なメリットは大きいのです。

まとめ

本来は、組織にとって業務改善はいつだって求められているものです。ただし、転職したばかりのタイミングでは、独りよがりな提案になってしまうことも。以上のポイントに気を付けて、新しい組織でバリバリ活躍していってくださいね!

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相談室の人 ねも姉転職情報誌の編集・ライティング、求人広告営業、新卒採用人事、転職サイトのマーケティングなど、さまざまな立場で人材業界にどっぷり浸かり15年超。転職者や人事、経営者など300人以上への取材などで得た知識や自身の転職経験を生かして、転職ノウハウや転職後の活躍応援コンテンツを発信中。最近は小一の息子の忘れ物癖が直らないのが悩み

『type転職エージェント 転職そのあとLABO』とは
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