ひと足先に選ぶ次世代のMVE : 堀田峰布子
松下電器産業株式会社は2008年10月1日よりパナソニック株式会社へ社名変更いたしました。
?商品企画とデザインの橋渡し役を目指す? 携帯電話のプロダクトデザインに関わった5年間、堀田は企画者とデザイナーとの間の壁を感じることがあった。プロダクトデザインは、ある意味で特殊な分野である。ビジネスの論理とは異なるエモーショナルな要素も多く、デザイン分野独特の言語体系もある。 「商品企画とデザインとの間に、共通言語がないというか。両者が共有できていないことも多いのではないか」と堀田は考える。そして、その橋渡し役になろうと決めたのである。 そのためのトレーニングは松下時代にも積んできたが、大学院時代の蓄積もある。一般の美術系大学とは異なり、筑波大学の大学院では統計や分析などの授業も必須だったという。「よく『数字を味方にしなさい』と教えられました」と堀田は振り返る。 上司からは「メーカー(のデザイナー)とウィルコム(の企画者)の間の翻訳者になってほしい」といわれたことがある。それが現在の堀田のミッションだが、具体的には3つの役割がある。ウィルコムの端末全体のデザイン面でのディレクション、商品企画、そしてデザインである。 9(nine)ではデザインを担当したが、その前に手がけた『nico.』ではプロダクトマネジメントと商品企画、デザインの三役を担った。「デザインもできるプランナー」にとどまらない働きである。このキャリアの先には、どのような仕事があるのだろう。堀田は携帯端末の未来を変えたいと考えている。 「W-SIMには大きな可能性があります。ハンディフォンだけでなく、たとえば椅子やぬいぐるみにW-SIMを差し込んで通話できるようにすることもできる。そんな、ケータイの領域を超えた世界を作りたい。それを最初にやりたいですね」 すでに国内では成熟市場といわれる携帯端末だが、少し視点を変えると、そこには新しい市場が見えてくる。そんな市場を、堀田はビジネスの論理で見つめている。 |