ひと足先に選ぶ次世代のMVE : 酒徳峰章
人との交流がモチベーションの源泉 酒徳の開発は一貫してオープンソース方式である。言語開発がある程度固まった段階で一般公開し、ユーザーからの反応や改善提案を反映して完成度を高めていく。単独開発のPGは特に孤独だ。開発に成功しても、ユーザーから評価される保証はない。モチベーションの維持は、開発エンジニア共通の悩みだ。 「オープンソースなら独りよがりの開発を防げますし、使用したユーザーからお礼や褒め言葉があると、やり遂げたという充実感を得られますね。その充実感が次の開発へのモチベーションになります」 もちろん、多くのユーザーに使ってもらうための工夫や更新は欠かさない。酒徳はバグの修正や機能追加といった月1回のなでしこのバージョンアップを自らに課し、ライブラリには即使える1000以上のプログラムが収録されている。毎月のダウンロード数は平均で1500、多い月は1万を超える。 モチベーションの源はユーザーの反応だけではない。酒徳は2004年度のプロジェクト成果が評価され、IPAのスーパークリエイタに認定されている。そして、2005年度下期の未踏プロジェクトに再度応募して採択されている。酒徳はこのとき、すでにウノウの社員として勤務していた。普段は自宅で開発に取り組み、週に2日同社に出社する。 「未踏ユースプロジェクトに採択されたことで、優秀なエンジニアと出会う機会が増え、大いに刺激を受けています。ウノウの尾藤CTOとの出会いもその一つです。フリーとして何度か一緒に仕事をするうち、入社したいと思うようになりました。ランチは必ず会社の仲間と食べ、情報や意見交換しています」 また技術顧問を務める八角研究所との出会いも、未踏プロジェクトがきっかけだ。 なでしことひまわりは、一般ユーザーのプログラミングへの抵抗感を弱めた。それでも実践する人は全体から見ればまだ少数に留まる。 「アイデアは無数にあります。音声認識技術が進めば、日本語でそのまま命令したり、対話しながらプログラミングしていくことも可能でしょう」 酒徳の伝道師活動に終わりはない。 |