マンション管理士とは
複数の世帯がひとつの建物の中で暮らしを営むマンション。人々が気持ちよく共同生活を送るためには、さまざまな取り決めや管理が必要になります。マンション管理士は、マンションのスムーズな維持管理のための専門知識をもっている、マンション管理のプロフェッショナルともいうべき存在です。マンションにはそれぞれに管理組合があり、総会や理事会を催し、より住みよいマンションづくりのための取り組みがおこなわれています。しかし、組合員はみな住人であるため、マンション管理の専門知識を有しているわけではありません。そこで、専門知識を生かしてコンサルティングしたり、トラブルを未然に防いだり、また、さまざまな手続きのサポートなどを通して、居住環境を守るお手伝いをするのがマンション管理士です。マンション管理士の資格がなければ不可能な独占業務というものはありませんが、専門性が高く、また、取得の難易度も高いため、資格としてもっていると専門分野への就職に有利となるでしょう。
マンション管理士の活躍の場は?
マンション管理士の資格取得後は、マンション管理会社やビル管理会社などへの就職が有力です。マンション管理会社とは、マンション管理組合より委託された管理業務をおこなう会社です。日本国内にある約9割のマンション管理組合が管理を管理会社に委託している背景があります。その中で、マンション管理士は、総会や理事会の運営、管理規約の見直しや改正、修繕積立金の管理や修繕工事に関する諸手続きなどのほか、ペットや騒音に関するトラブル解決などさまざまな業務をおこないます。人々の快適な居住環境を守り、マンションの資産価値が下がることを防ぐために働くことを求められます。また、ビル管理会社や不動産会社でも、マンション管理業務をおこなっている場合があり、マンション管理士の資格で活躍できる場合があるでしょう。
マンション管理士の今後は?
マンションがある限り、マンション管理士の仕事はあると言っても過言ではありません。区分所有法により、マンションは、所有者の意思決定機関である管理組合を構成しなければならないという決まりがあるためです。また、マンションの建設が増えている現状があるだけでなく、築年数の古いマンションのリノベーションが多くみられるようになり、今後も活躍が期待できるでしょう。マンション管理会社においては、従業員の数に応じて、重要な業務をおこなうことができる「管理業務主任者」の存在が必須です。マンション管理会社に勤務する場合には、絶対に取得しておきたい資格でもあり、実際に、マンション管理士取得者の約7割が管理業務主任者の資格も有していると言われています。また、宅地建物取引士や司法書士、建築士などの資格取得により、さらに業務の拡大が望めるでしょう。