Noコーディング?!誰でもかんたんBaaS入門

サーバーサイドからさようなら。BaaS入門。 - 第1回 -

BaaSってどんなサービス?

さて、BaaS(Mobile BaaS、MBaaS等とも呼ばれます)という言葉を聞いたことはありますか?

BaaS(ばーす、と読みます)はモバイルアプリのバックエンドサーバー機能を肩代わりしてくれるクラウドサービスの総称で、「Backend as a Service」の略語です。

BaaSはモバイルアプリのバックエンドサーバーに必要な主な処理をあらかじめ用意しREST APIとして提供してくれるため、サーバーサイドのプログラミングに不慣れなクライアントエンジニアでも簡単にバックエンドサーバーを手にすることができます。

提供されている機能は各社違いがありますが、ユーザー管理、Push通知、データストア、効果測定など自分で実装すると面倒なものが揃っていて便利です。

BaaSは昨年くらいから注目が集まり始めました。 今年の4月にFacebookがBaaS大手のParse.comを買収したニュースはとても話題になりましたので、このニュースでBaaSという言葉を聞いた方も多いかもしれません。

さらに2月にはGoogleが、6月にはMicrosoftが相次いでBaaSサービス提供を開始し、さらにはAmazonの参入も噂されています。

 

なぜ世界はBaaSを注目しているの?

ではなぜ世界のトップ企業たちは今BaaSに注目をしているのでしょうか?

それは、モバイルアプリの市場が拡大し開発のニーズがまだまだ増加し続けるためだろうと推測できます。

今年App Store(Apple)とGoogle Play(Google)のそれぞれに掲載されているアプリの累計ダウンロード数が、相次いで500億を突破しました。(※1)

まず500億という数字の大きさにびっくりしますが、注目したいのはダウンロード数の増加速度が早くなっている点です。

App Storeは300億→400億は7ヶ月間で達成したのに対し、400億→500億はわずか4ヶ月で達成しています。

世界でモバイルアプリの利用が急速に加速していることがわかります。

では日本のモバイルアプリ利用状況はどうでしょう?

日本でも多くの人がモバイルデバイスを所有してモバイルアプリを利用する環境が整ったと言えるでしょう。

総務省が今年の6月に発表した通信利用動向調査の結果(※2)によると、昨年末の時点でスマートフォンの保有率が約50%、タブレットの保有率が約15%だそうです。

通信利用動向調査の結果

またインターネットを利用する時に使うデバイスの割合は、PCや従来型携帯の割合は減っているのに対しスマートフォンやタブレットの割合は増加しています。

特に40歳以下の各年代はスマートフォンが従来型携帯を上回っています。

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これらから日本でもモバイルアプリの利用が増加していると推測できるでしょう。

モバイルアプリの利用者が増えれば当然モバイルアプリの開発ニーズも高まります。

世界のトップ企業たちはアプリバックエンドを簡単に用意できるBaaSを提供して、アプリ開発者のシェア獲得競争を繰り広げています。

アプリ開発者は各サービスの機能や価格、提供コンセプトなどを比較した上で自分のアプリ開発に合うものを選ぶことになると思います。

余談ですが、弊社も今年度はモバイルアプリ開発に主軸を移し、50本のアプリをリリースすることを目標にアプリ開発しています。

そのうちほとんどのアプリはBaaSを活用しています。

 

BaaSはアプリ開発現場で受け入れられるか?

BaaSはアプリバックエンド開発を肩代わりしてくれるもので、世界のトップ企業が注目するサービスだということはわかりました。

しかし実際にアプリ開発現場の課題を解決してくれるのでしょうか?

現在App Storeの登録アプリ数は90万本、Google Playの登録アプリ数は100万本に達しています。

いくら良いアプリを作ったからといって、数多くのアプリの中から自分のアプリを見つけてダウンロードしてもらうのはなかなか難しいことでしょう。

またダウンロードしてもらえてもすぐに飽きられてしまっては売上が上がらないので、長い間利用してもらえるヒットアプリを生み出すまでは立て続けにアプリをリリースし続けなくてはなりません。

しかし実際には開発リソースに制限があり、なかなか思うようにアプリを量産することはできないのが現実です。

BaaSを利用すると限られた開発リソースをコアとなるアプリ機能の開発に集中させることができます。

するとアプリをリリースしたり機能追加するまでの期間が短くなり、いわゆるPDCA(Plan、Do、Check、Act)のサイクルも短くなります。

つまり、ヒットを生み出すまでの試行回数が増えるので成功確率があがるというわけです。

そして、小さい規模でテスト的にアプリを量産して成功したアプリに重点的にプロモーションを行う・・・BaaSを使うとこのような効率的なものづくりを実現することできます。

このように、BaaSは開発現場の課題を解決できるので充分に広く受け入れられるでしょう。

 

スキルアップの視点でみたBaaS

先程世界のトップ企業たちが次々とBaaSに参入している話をしました。

またBaaSは開発現場の助けになるサービスだということもわかりました。

おそらくBaaSは日本でも広く利用されて、次第に関係する求人も増えてくるでしょう。 すでにBaaS提供企業はいくつもありサービスも多種多様です。

各サービスが提供する機能に着目して比較をするのもよいですが、転職をふまえたスキルアップという観点でみればどのサービスが今後主流となるかという視点で比較するのもよいかもしれません。

せっかく覚えるなら潰しがきくものの方がいいですよね(笑)。

※1:Apple’s App Store Marks Historic 50 Billionth Download

Google Play Passes 50 Billion App Downloads

※2:総務省「平成24年通信利用動向調査の結果」

 


[第2回] 注目BaaSの機能を学んで、簡単モバイルアプリを制作してみよう

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[第3回] 4つのポイントでわかるBaaSのユーザーアカウントの仕組み

さっそく次の4つのポイントを順に追いながら、BaaSの基本的なユーザーアカウントの仕組みを見ていきましょう。・匿名ユーザーによるログイン ・SNSアカウントによるログイン ・アカウント作成時の認証方法 ・アカウントのスコープ Point1 : 匿名ユーザーによるログイン BaaS内に登録する情報の多くは、情報の所有者を示すユーザーIDやそれに準じるID(複数のユーザーIDが所属するグループIDのようなものなど)に紐づく形で登録するでしょう。 ユーザーへ情報を表示する…

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