情報化社会と言われている今、ビッグデータを活用することで、あらゆる分野に役立てようという動きがますます活発化しています。特にこの2年、SNSやスマートフォンの急速な普及を受け、データ量も急激に加速傾向。マーケティング対策を考えていればこれを活かさない手はないと考えるのは当然と言えるでしょう。
そこで俄然脚光を浴びているのが、ビッグデータ活用を成功に導くための新たな職種『データ・サイエンティスト』。さて、データ・サイエンティストとは具体的などのような職業なのでしょうか?
情報戦略に欠かせない存在として注目度が高いデータ・サイエンティストは、一言で言えば『統計解析のプロフェッショナル』と称されます。ただし、これはある一面に過ぎません。
データ・サイエンティストの具体的な必須能力及び仕事内容とは?
データ・サイエンティストに必要な能力は大まかに分けて3つと言われています。1つ目が、複数の既存統計モデルの中から該当の事業目的に合うものを選択、または組み合わせながら、オリジナル数理統計モデルを作り上げる能力。2つ目が、大規模分散データ処理基盤を始め、WEBサイトレコメンドに応用可能な機械学習機能などのテクノロジーを用いて、情報システムを整備及び運用する能力。3つ目が、事業課題を理解し、課題の優先順位を的確かつ迅速に判断できる能力。
この3つを併せ持ち、携わる事業内容によりビジネスの理解を深めつつ、ただデータを提出することなく各事業担当者に分かりやすい表現に噛み砕きながらコミュニケーションを図る能力が求められるのです。つまり、一方的に自己完結をして相手に丸投げをするような人物では、いくらデータ分析能力に優れていようがデータ・サイエンティストには適さないでしょう。
データ・サイエンティストはチームで動く?
特徴として、分析プロジェクトにおいてはデータ・サイエンティストのチームが組まれ、得意分野によって担当が分かれるケースが多いようです。統計解析が得意な人材、IT経験が豊富で理解が深く応用が可能な人材などでチーム構成することで、ひとつのチームとしてデータ・サイエンティストにおける必須要綱をすべて網羅することを目的とされています。
なぜかというと、人材として3つの能力すべてをひとりで満たすという条件がほとんど不可能に近いため、ということが大きな理由。よって、個々の得意分野を活かしながら互いに持ち寄りチームとして機能させ、貴重なビッグデータを一日でも早く活用することを最重要課題として方針が敷かれているのです。
急速にニーズが高まるデータ・サイエンティスト、その課題とは?
情報化社会だからこそ、急速にニーズが高まっているデータ・サイエンティスト。課題点としては、なにより人材が足りないということです。3つすべての能力を満たさないまでもなかなか資質に見合う人材が見つからないことに加え、まだ新しい職種ということもあり既存の職種に比べ絶対数が不足しているのです。
今後、5年後、10年後を見据えると、現在の情報量のおよそ50倍以上が溜まると言われているビッグデータ。貴重な鉱山でもあるビッグデータを活かすために、他職種からのデータ・サイエンティストへのヘッドハンティング及び育成は、情報化社会においてなにより最重要な急務課題だと見られています。