あまりにも「それはもう知ってて当たり前」といったJavaScript。だからこそ「今さら聞けない……だけど聞いておきたい」と内心感じている人もいるのではないでしょうか。
JavaScriptとは? 一言で言うと『インターネット上にあるWEBページを記述するプログラム言語のひとつ』になります。動きのある画面を構成したり、あらゆる計算を行ったり、情報検索などの結果を導き出す作業をWEB上で実現させるためのプログラム言語です。JavaScriptが世に登場するまで、WEB上では文章や画像など動作がないコンテンツしか扱えませんでした。ところが、JavaScriptの開発以降、WEB上の可能性が一気に広がったのです。
Javaとなにが違う? JavaScriptの特性
Javaと混同されることが多いJavaScriptですが、元々『LiveScript』の名称だったJavaScriptがなぜこのネーミングになったかというと、開発したNetscape社がJavaを生み出したサン・マイクロシステムズ社と業務提携を行ったことが発端。「Javaより初心者やデザイナーが手軽に利用できる言語」という当時の思惑が理由です。開発寄りのJavaに対し、デザイン寄りのJavaScriptという見解が認識されているのも、こうした経緯があるからこそ。JavaScriptの特性を考えるとすべてとは言えませんが、確かにJavaScriptを使用してできることというのは、WEBページのデザイニング方面に強い傾向はあります。HTMLとCSSだけではどうしても限界があるWEBページ構築ですが、JavaScriptを使用すると特性を活かした機能や動きをプラスすることができるのです。
また、動的処理を行ってもポストバック(一度サーバーに通信し、処理結果をパソコンに返してから再びWEBページを表示しなおすこと)をする必要がないため、画面が切り替わらずスムーズな動作が実現できる利点もあります。
こんなところにも使われている! JavaScriptの使用例
加えて、昨今なくてはならない存在となっているSNSにおいてもJavaScriptは有効に働きます。Twitter、Facebookを始め、写真での交流を図るInstagramといった多くのWEBサービスがAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイスの略。プログラムの機能や管理するデータを、外部プログラムから呼び出し利用するための手順やデータ形式)を公開しているため、JavaScriptを使用しそれらが利用可能なのです。例えば、ブログなどでTwitterのタイムラインやFacebookのイイねボタンを表示しているページがありますが、あれらはJavaScriptとTwitter及びFacebookのAPIを使用した結果です。JavaScriptがWEBでの可能性を広げていると言えましょう。
JavaScriptの問題とそれらの解決策とは?
逆にJavaScriptの問題は、ポストバックが不要な代わりに処理はWEB上で確認できる位置に置かれるため、誰でもソースを見ることができソースコードを盗まれる可能性があるということ。また、データベース操作ができないため、動的処理をすべて任せることは非現実的であること。加えて、利用者側の環境に依存するため、ブラウザなどによって機能や挙動が異なることが挙げられます。
これら問題の解決策の筆頭が、TypeScriptなど新たなプログラミング言語です。コンパイラ(プログラミング言語で作ったソフトウェアのソースコードをコンピュータ上で実行可能な形式に変換するためのソフトウェア)によりJavaScriptコードに変換され実行されるので、特別なソフトウェアが不要なことが大きな特徴。一長一短があるJavaScriptですが、短所を補うものを上手に取り入れつつ、JavaScriptの利点を効果的に配しWEBページ制作をすることが得策と言えます。