キャリアコース分析営業職
30歳からはじめる5つのキャリアコース |
| あなたがたどるべきはどのようなキャリアなのだろうか？４つの脳力から分析した志向や特性が浮かび上がってきたはず。ここでは、30歳からはじめる編集部のおすすめキャリアコースの「傾向と対策」に迫る。 《2006年5月号より抜粋》 |
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  仕事で顧客企業の担当者や部下と接した際に、「よくそこまでわかってくれたね」とか、「あなたと一緒のプロジェクトは、とてもやりやすい」などという感謝の言葉をもらったことがある人も多いだろう。そんな人は、対人関係のマネジメント力に長けている人だといえる。対人関係のマネジメント力を活かせる職種としては、産業カウンセラーや心理カウンセラーなどのカウンセリング業、パーソナルコーチやコーポレートコーチなどのコーチング業、また、カスタマーサポートやキャリアアドバイザーなどといった職種がある。 では、カウンセリングとコーチングの違いとは何だろうか？ 実際のところは、両方の肩書きを持って活動している人もおり、人によって何を違いとするかも異なる。また、様々な団体が認定資格を設定しているが、いずれも国家資格ではないため、明確な基準は存在しない。しかし大きく分類すると、カウンセリングは、うつ状態のクライアントを相手に治療や癒しを目的に行われ、コーチングは、社会人として健常なクライアントを相手に自己実現を目的に行われると理解されている。 採用数は少ないコーチ職人材紹介業は採用が活発 人材動向としては、カウンセラーを設置する企業は増えているが、その求人はなかなか表に出てこない。多くの人は、スクールを修了して資格を取得した後に、個人事業者としての独立を目指すようだ。また、コーチングを提供する企業などでは、スタッフを募集しているケースがあるものの、採用人数に限りはあるようだ。 一方で、求人が多いのが、カスタマーサポートやキャリアアドバイザーである。カスタマーサポートにおいては、デルコンピュータの「ゴールドサポートサービス」のように、有償であるかわりに特別なサポートが受けられるなどといったサービスの多様化が、あらゆる業界に広がってきた。そのため、今後も求人意欲が衰えない職種だと考えられる。また、キャリアアドバイザーも、常に求人が多い。この職種は、企業の要求を誤解なく汲み取るスキルが求められるという意味において、ソリューション営業に近い側面もあるといえるだろう。 ところで、対人関係のマネジメント力に長けた人が必要とされるのは、上述の職種ばかりではない。企業の課長や部長といったマネジメントクラスの人にとっても、必須のスキルである。 そこで注目を集めているのが、コーチングだ。コーチングとは、「相手の自発的な行動を促すコミュニケーションスキル」を指す。あくまで自発的な行動を促すのであり、一方的な指示や指導とは異なる。 今回取材したコーチ・トゥエンティワンでコーチングを学んでいるビジネスパーソンは、人事や営業、マネージャー職に就いている人が多い。また、同社の関連会社で、コーチングを軸としたコンサルティングを手がけているコーチ・エィでは、日産自動車の課長以上の全ての役職を対象に、コーチングスキルの研修を行ったという。 そのコーチングにおける最も大切なスキルは、「聞くスキル」である。コミュニケーションというと、話すことに重点が置かれがちであるが、実は違う。通常、聞き手は、話のなかから自分が聞きたいことだけを取捨選択して聞いている。そのため、コーチングのトレーニングには、即座のフィードバックが欠かせない。相手が伝えたいことをきちんと聞けているか、反対に、自分が伝えたいことを過不足なく相手に伝えられているかをお互いにフィードバックしあうことで、自分の聞き方や質問の仕方を振り返るのだ。 ＥＱを高めるカギもここにあると言って過言ではない。日常の営業の場でもトレーニングは可能なのだ。例えば、クライアントに提案を受け入れられなかったとき、先方が期待していたのはどんな要素だったのか、それを聞き逃したのはどのタイミングだったのか、じっくりと振り返ることで、聞く姿勢の見直しができる。 また、こちらが発した言葉が本当に伝わっているのかを認識しながら話を進めていくのも、コミュニケーション能力向上の一歩だ。例えば、話が伝わっているか否かは、相手の返答以外の表情やしぐさからも読み取ることができる。常に細かなところにまで気を配るクセをつけることで、コミュニケーション能力は格段に向上するはずだ。 対人関係のマネジメント力は、どんな職種に就くにせよ、必要なスキルである。一度現在の自分のレベルを、じっくりと振り返ってみる価値はあるだろう。 |
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