次の転職先に入社するまでのインターバル期間に旅行に行く、「転職旅行」という言葉をご存知だろうか? いつか転職するときには、残った有給を消化して旅行に行きたいと考えている人も多いと思うが、実際、転職経験者たちは転職旅行に行けているのだろうか? 今回@typeでは、日本最大級の旅行クチコミサイトを運営する『フォートラベル株式会社』と共同で、20~50歳の@type会員を対象に転職旅行についてのアンケートを実施した。
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【質問:転職旅行に行ったことはありますか?】
転職旅行に行ったことがある人は全体の約3割。7割以上もの人が転職旅行に行くことなく、次の会社に入社していることが分かった。「いいえ」と答えた人に、その理由を聞いてみた。
【質問:なぜ、行けなかったのですか?】
一番多かったのが、「お金が無かった」という回答。次に「転職旅行を知らなかった」「行く時間が無かった」という回答が続いた。本当は行きたかったが行けなかった人たちは、
・もう少し時間的に余裕を持って転職すれば良かった
・期間をとって、次の会社への入社日を決めるべきだった
・引き継ぎ等のスケジュールをうまく立てておけばよかった
など、スケジュール調整の甘さを後悔している人が大多数を占めた。
では、転職旅行に行けた人は次の転職先へ入社するまでにどのくらいのインターバルがあったのだろうか。Q1で「転職旅行に行ったことがある」と答えた人に質問したところ、以下のような結果となった。
【Q3:次の転職先に入社するまで、どのくらいインターバル期間がありましたか?】
意外なことに、約半数の人がわずか1ヶ月以内に次の会社に入社していることが分かった。インターバル期間が短くても、転職旅行に行けた人は何が違うのだろうか。工夫した点を聞いてみた。
【工夫した点】
・早くから退職の意思を伝えてスムーズに引き継ぎができるようにした
・退職時期と入社時期の調整を早めに行った
・航空券の手配、転職先での物件探し・契約、友人との旅行計画等、全ての予定を1ヶ月以内にまとめて完了させた
転職旅行に行くために必要なことは退職を決めてからのスケジュール調整
上記の結果から、転職旅行に行けるかどうかの違いは、期間ではなく、退職を決めてからの“段取り”にあるようだ。では、転職旅行に行くためには何が必要なのだろうか。転職スケジュールの立て方のコツをtypeの人材紹介で多くの転職者と向き合ってきたキャリアアドバイザーの青柳真理子氏に聞いた。
「退職を決めてから次の転職先へ入社するまでの流れをイメージすることが大切です。自分はこの日を最終出社日にしたいという意思を持っていないと、会社が指定した退社日に退職をすることになってしまい、インターバル期間が全くないということになってしまいます」
退職届を提出してから実際の退職まで、平均すると1ヶ月~2ヶ月程度かかるのが一般的。その間に有給を消化をしたい場合には、会社との退職交渉の場で自分の希望をしっかりと伝えることが大切だと青柳氏は語る。
「退職交渉においてまず重要なことは、『自分で主導権を持つこと』。特に転職が初めての人は会社に任せっきりになりがちですが、まずは自分自身で退職までのスケジュールを立ててみることをおすすめします。入社日から逆算して、最終出社日と退職日を決定し、そのために必要な引き継ぎの要件を洗い出す。必要であれば、引き継ぎリストや自分がやっていた仕事をマニュアル化するなど、事前に準備をして退職交渉に臨むと、会社との交渉もスムーズにいくケースが多いですね」
円満退職のカギは義務をきちんと果たすこと
そして、次に意識しておきたいことは、「権利ばかりを主張しないこと」だという。
「残った有給休暇を使うことは権利として主張できますが、“有給休暇を〇日使いたいからこの日までに退職したい”というような交渉の仕方は避けましょう。“引き継ぎはしっかりと行うので、退職日から次の会社の入社日までの〇日間は有給を消化する期間にしたい”と自分の義務を果たしたうえで、会社側に希望を伝えることで円満退職を実現することができます」
退職交渉は転職活動の中でも労力を使うフェーズ。しっかりと転職の段取りを立て、新しい職場ですっきりとした気持ちで再スタートをきるための心と体の“休息”期間を確保しよう。
【アンケート調査概要】
●調査方法:転職サイト『@type』の20代~50代の会員へのWebアンケート
●調査期間:2014年10月31日(金)~11月10日(月)の11日間実施
●有効回答者数:437名