給与天引きされる「住民税」がお得になる“おいしい制度”、ふるさと納税って何?【男子マネー】
ハートマネー代表 氏家祥美お金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。立教大学卒業後、旅行会社で営業職を担当。結婚や出産を経てファイナンシャルプランナーの資格と出会い、2005年にFP会社を仲間と設立。2010年より独立。結婚・出産・マイホーム購入時の家計相談のほか、転職・起業時のマネープランを得意とする。「いちばんよくわかる!結婚一年生のお金」(学研パブリッシング)、「35歳を過ぎた女性に贈るこれからのお金のお作法」(秀和システム)ほか著書多数。http://www.heart-money.net/
今話題のふるさと納税、もう試しましたか? とってもお得なので、この制度を教えてあげると営業先でも喜ばれること間違いなし。これを機に、住民税のしくみまで語れるようになると、信頼度もぐんとアップしますよ。
今回のテーマ:わずかなお給料で頑張っている人ほど
住民税の負担は大きい
ふるさと納税は、個人が2000円を超える寄付金を住所地以外の自治体にした場合に、住民税のおよそ2割程度が還付、控除されるという制度です。
消費税や所得税に比べて、普段あまり話題にされないのが住民税。しかし、ぜひ一度、お給料明細をしっかり見てください。住民税の税率は誰もが一律10%。所得税率は5%~45%と所得額に応じて段階的に上がっていくので、わずかなお給料で頑張っている人ほど、住民税の負担はとても大きいんです。
ふるさと納税の制度を使って寄付をすると、この住民税の2割程度の金額までであればふるさと納税をした寄付金と相殺できます。つまり、寄付金として払った金額のうち2000円を超えた分はちゃんと戻ってくるのです。
要するに、住民税を納める先をちょこっと変えただけで、お礼の品としておいしいものがじゃんじゃん届く、という不思議な状態を作れるというわけ。ね、面白いでしょ。
ふるさと納税を実際にはじめる
3ステップ
ふるさと納税を始めるステップは「寄付金控除目安額をチェック」、「送ってほしいものを送ってくれる自治体を選ぶ」、「自治体に寄付をする」の3つです。それぞれ説明していきましょう。
●ステップ1 「寄付金控除目安額をチェック」
ふるさと納税として納めた寄付金のうち、税金の控除を受けられるのは、いつも納める住民税の2割程度。この金額を間違えないことが、この制度をお得に利用する第一ポイントです。この金額は、昨年の給与収入、家族構成、各種控除額があれば求められます。
具体的な金額を知りたい方は、ふるさと納税を専門に扱っているこちらのサイトで寄付金控除目安額を計算してみましょう。お手元に源泉徴収票を用意しておくとスムーズに計算できますよ。
昨年度はふるさと納税での税金還付には確定申告が必要でしたが、2015年度からは、給与所得者については、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を寄附先自治体へ提出すれば、確定申告をしなくても税金の還付が受けられるようになりました。
●ステップ2 寄付する自治体を選ぶ
続いて、寄付する自治体を選びましょう。実家があるから、子どものころよく行ったからなど、文字通りのふるさとだけでなく、日本全国の中から自由に自治体を選ぶことができます。
特に思い入れのある自治体がない場合には、「お礼の品」から選んでみましょう。先ほどご紹介したサイト「ふるさとチョイス」では、米、牛肉、野菜、果物、カニなど、お礼の品のカテゴリー別に自治体を選べるようになっています。食品カタログを見る感覚で眺めてみると楽しいですよ。
「ひとり暮らしだから食材はいらない」という場合でも、ホテルの宿泊券や化粧品、お酒やお菓子なども豊富に用意されていますから、うまく使えばデート代やプレゼント代の節約になるかも?
●ステップ3 選んだ自治体に寄付をする
お礼の品から、「10000円の寄付でビールを1箱」くれる自治体を選んだとします。ふるさと納税のサイトから、その自治体のふるさと納税ページに入って、氏名や住所等の個人情報を入力し、10000円の寄付をすること、寄付の方法、寄付金の使い道等を一緒に選択します。このときに「寄付金税額控除にかかる申告特例申請書を要望する」というところも選択しておくと、確定申告の手間を減らすことができます。
全国規模だからこそできる!
営業トークでの使い方
もしこのコラムを読んでふるさと納税に興味を持ったら、まずは一度試してみてください。いろんな商品があるから、ワクワクしますよ。そして「お得だな」と実感したら、ぜひ営業の場でも話題にしてみましょう。
出張する前にその地の「お礼の品」をチェックして、出張時にどれがおススメか聞いてみたらいろいろ教えてもらえそうです。取引先の担当者の出身地を知っているなら、その土地のお礼の品を話題にしてみると、話も弾みそうですね。「こんな自治体から、こんな商品をもらったよ」と一緒に盛り上がることができますし、知らない人に教えてあげたら、感謝されること間違いありません。
営業トークのひとつに「ふるさと納税」もぜひ加えてみて下さいね。
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