トレンド Vol.199

知らないでは済まされない! もうすぐ始まるマイナンバー制度は会社員の何を変える?

しっかり稼いで、たっぷり遊んで、「結婚できる男」になる!
モテる「男子マネー」
自分で稼いだお金を好きに使うのが幸せ! 若いうちは遊ばなきゃ! でも、周りの30歳前後の先輩たちを見ていると「お金がないから結婚できない」なんて壁にぶつかっているらしい……。とはいえ、お金にケチケチした男はモテない、どうしたらいいんだ~。というわけで、愛する彼女(今はいなくても)に奥さんになってもらえるよう、今からスマートなマネー力を身に付けるべし!
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ハートマネー代表 氏家祥美お金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。立教大学卒業後、旅行会社で営業職を担当。結婚や出産を経てファイナンシャルプランナーの資格と出会い、2005年にFP会社を仲間と設立。2010年より独立。結婚・出産・マイホーム購入時の家計相談のほか、転職・起業時のマネープランを得意とする。「いちばんよくわかる!結婚一年生のお金」(学研パブリッシング)、「35歳を過ぎた女性に贈るこれからのお金のお作法」(秀和システム)ほか著書多数。http://www.heart-money.net/

マイナンバー制度についてもう皆さんはご存知ですか?「聞いたことはあるけれど、よくわからない……」と言っている場合ではありません。

なぜなら、マイナンバーの導入はもう目の前に迫っていて、各企業では管理部門の方を中心に、マイナンバーの研修が多数行われています。それに、業種によってはビジネス拡大の大チャンス。営業の場で大いに活用できる話題なんです。また、自分のたいせつな個人情報を守るためにも、ぜひチェックしておきましょう。

今回のテーマ:国民一人ひとりの個人情報がぎっしり詰まったマイナンバー。セキュリティは厳重に

マイナンバーとは、平成27年10月から日本に住民票を持つ全ての人に通知される12ケタの番号のことです。生まれたばかりの赤ちゃんから、おじいちゃんおばあちゃんまで全ての人に番号が付けられ、原則としてその番号は一生変わることはありません。そんな一つの番号で一生管理されるような制度の導入開始が、もうすぐ目の前まで来ているんです。

これから一生関わってくる制度のこと
きちんと知って議論しよう!

マイナンバーによって何が管理されるかというと、今のところ以下に限るといわれています。

●税金(税務署へ提出する書類)
●社会保障(年金、医療保障、介護保険、生活保護、児童手当など)
●災害対策(防災、災害対策に関する役所関係の事務)

ただし、将来的には、預貯金口座とマイナンバーをリンクさせるなど、マイナンバーの利用範囲は拡大するといわれています。

ここまで聞いて、皆さんはどう思いましたか? 行政の事務手続きが簡素化して、便利になると思った人、管理されるようで窮屈と思った人、そんなこといつ決まったんだ!? と驚いた人、いろいろいることでしょう。

書店に行けばマイナンバー関連の書籍はいくつも出ていますが、私の感覚としては、ここまで導入が目の前に迫ってきているにもかかわらず、ワイドショーや週刊誌などであまり取り上げられていないことが不思議でなりません。国民の誰もが一生関わるであろう制度なのに、巷での議論がほとんどないまま、実務でかかわりのある人だけが粛々と準備をしている印象があります。

議論をするにもまずは基礎知識がなければ始まりません。まずは制度の概略をおさえていきましょう。

●個人番号カードの交付は平成28年1月から。年内(平成27年10月~)に郵送される書類に写真を添えて申請しよう

10月6日以降、年内にはほぼ全員に、自宅あてに「通知カード」が簡易書留で届きます。この通知カードには、12ケタの個人番号と、氏名、住所、性別、生年月日が書かれています。

この通知カードには、個人番号カードの申請書と返信用封筒が同封されています。記入済の申請書に顔写真を添えて返送するか、顔写真のデータを添えてスマホなどからWEB申請すると、平成28年1月1日以降に役所の窓口で、写真入りの「個人番号カード」を受け取ることができます。

個人番号カードの作成は義務ではありませんが、今後勤務先などでマイナンバーの提示を求められる機会が増えていきます。早めに取得しておいた方がいいでしょう。

●マイナンバーを勤務先に届け出すると、税金や年金、健康保険などの情報が一つの番号で管理される

平成28年以降、各企業は給与天引きで支払う税金や社会保険料を納める手続きのために、全従業員(パートアルバイト含む)のマイナンバーを集める必要があります。そのため、会社から番号を求められたときには、会社に伝えなくてはいけません。

ここから、2つの視点でマイナンバーについて考えてみましょう。

1つ目は、個人としての視点です。マイナンバーを会社に伝えるということは、会社経由で税務署や、年金・健康保険などの届け出にもマイナンバーが使われることを意味します。ワンストップで全ての情報にアクセスできるわけではないとはいうものの、あなたの年収も年金記録も病院への通院履歴も全て、この番号で管理されることになります。

マイナンバーがとても重要なことが分かりますよね。

これまでもレンタルビデオ店の会員カードを作る時などに、身分証明書として運転免許証番号のメモを取られた記憶がある人もいると思いますが、マイナンバーをこうしたシーンで記録することは禁じられています。人に聞かれても、「税金・社会保険・災害対策」以外の場面ではマイナンバーは使えないことをきちんと頭に入れておいて、自分の番号は自分で守るようにしましょう。

企業側は社内のいろいろな仕組みを
変えなければならない

2つ目は仕事の視点です。マイナンバーは個人情報の塊ですから、従業員全員(パート・アルバイトを含む)からマイナンバーを集める企業にとっては、セキュリティー対策の負担が増すことが考えられます。紙の書類の管理はもちろん、オンライン上のシステムにも対策が求められます。

各企業にとっては、総務や経理担当者の負担が増すこと、情報管理担当者の研修が必要になること、情報システムのセキュリティー対策が必要になることなどが考えられます。

こうした制度の変更はビジネスチャンスにつながりますので、ご自身の仕事と関連付けて考えてみてもいいかもしれません。

新しい制度が導入されるときには、自分の暮らしや仕事にどんな影響があるのかを考えてみてください。単なるニュースが、暮らしに仕事に役立つようになりますよ。

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