黒田復帰、松坂復帰、大谷イケメン――今年は野球ネタが豊富【連載:長谷川豊】
フリーアナウンサー
長谷川 豊フジテレビ出身のフリーアナウンサー。13年間、朝の情報番組「情報プレゼンターとくダネ!」で、現場取材やニュースのリポートを担当。ニュースプレゼンテーションのプロフェッショナルとして活躍。現在はアナウンサーだけではなく、講演・執筆など、多方面で活躍中
公式ブログ:http://ameblo.jp/yutaka-hasegawa/
今、旬なネタを話すときにどんなことに注意して話題を振っていくか? フリーアナウンサーの長谷川豊が解説する、営業type式「今週の話題」。その話題の「使えるか? 使えないか?」の度合いによって☆の数が変化します。
今週はこの4つを取り上げてみました。
1、渋谷区の同性カップル「結婚証明」条例案 ☆☆
この話は結構大事な話題で、ニュースとしては伝える価値はあるものの、残念ながら話題性、「使えるか、どうか?」という観点から言うとあまり「使えない」方の話題といえます。
もともと、去年の4月からアメリカのNYでも同性婚は認められ始め、世界的に「性同一性障害」の人々を差別するのはやめよう、という流れが盛んなんですけれど、ようやく日本の渋谷区でそれに付随する「結婚証明」の書類を発行しよう、という流れになっているんですよね。
ええ、もちろんいいことです。性的マイノリティーの人々が差別されないことはとてもいいことです。でも、「人間は体験していないと理解できない」生き物ですから、多くの方が「性同一性障害の方の気持ち」を理解はできないんですよね。なので、話題としてはふくらみ切らないと思います。
2、バレンタインの珍事件 ☆☆☆☆
兵庫県で起きた万引き事件です。何のことはない。生活保護を受けている67歳の容疑者。普通にスーパーで買い物をした上で、バレンタインチョコの特設コーナーから板チョコ2枚(販売価格合計157円)を盗んだ疑いとのこと。
調べに対し「バレンタインデーに今まで一個もチョコをもらったことがなかったので欲しかった」と容疑を認めているということですが、逮捕時の所持金は400円。
この話はどうでもいいんですけれど、この話はいろんなものの入り口に使えます。
「バレンタインってどう思います?」
「海外のバレンタインって、男性がお菓子やお花を愛する女性に贈るものらしいですね、日本って逆ですよね?」
「バレンタインって、モテない男性には本当につらいんですよー」
など、この時期にしかできないバレンタイントークの題材に出来ると思います。
3、黒田博樹投手、大リーグから広島に復帰 ???
これは相手によります。「スポーツが好きか、広島が好きか」で、かなり威力が変わってくる話題ですね。と、言いますのも、今年のプロ野球は見どころがたくさん。特に、素人感覚で話せる内容が多いのです。皆さんも少しはチェックしておくといろんな機会に使えるでしょう。
黒田投手は広島県民の大スターと思っておいてください。もともと広島で活躍し、僕が赴任している間にもニューヨークヤンキースで大活躍。かなり地元でも愛されました。広島では、地元のテレビ局が彼の復帰会見を全局、生中継するなど、社会現象になっています。広島ファンの方にとっては「黒田が」とその名前を出しただけで、なぜかあなたの好感度が上がるレベルだと思っていいです。
広島ファンでなければ、「松坂復帰」も面白いニュースです。日本から鳴り物入りで大リーグへ。しかし、けがに悩まされ、最後の挑戦として日本に舞い戻った松坂大輔投手。彼が活躍できるかどうか、スポーツマスコミはかなりの注目をしています。黒田投手よりも松坂投手の方が一般的な知名度は上かもしれないですね。
また、大リーグうんぬんよりも現在最大の注目は大谷翔平選手であることは間違いありません。打ってよし、投げてよし。なぜか顔もハンサムというほぼ反則級の選手ですが、これをうまく使って、新人や2年目の皆さんは「〇〇よし、〇〇よし、さらには〇〇よしの〇〇商事の大谷翔平こと、△△です!」といった自己紹介はユーモアとして使える可能性があります。
4、働き過ぎ防げるか「残業代ゼロ」法案提出へ ☆☆☆☆
ちょっと真面目な話ではありますが、今週最も使えそうな話題はこれでしょう。働いている人は皆、この法案に対して何らかの印象を持っています。まじめな話なのに、身近感があり、不真面目な印象も与えませんのでなかなか汎用性の高いネタといえます。
日本人は「働きすぎである」、これは皆さん異論の余地はないでしょう。その対策として取られたのがこの「残業代ゼロ法案」。
「はっきり言って現場を無視している!」
「分かっていない!」
と、各方面より異論が噴出しています。当然です。典型的なお役所仕事だからです。しかし、この法案でも作らないと、諸外国から見て恥ずかしいほどの労働時間、さらには「見せかけ残業」が蔓延しているのが日本の企業の実態でもあります。ざっくりとしたこの法案の挑戦によって「残業」が減るのかどうか? そもそも、残業って何なんだろうか?
いろいろと勉強すればするほど面白い話です。唯一、ユーモアに欠けるので和気あいあいとした場所では使えませんので、星を一つ減点です。
公式HP:http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/
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