KIZUカイロプラクティックグループ代表院長 木津直昭(きづ・ただあき)氏日本カイロプラクティックカレッジ卒業、豪州公立マードック大学スポーツサイエンス学科卒。1992年、東京・日本橋で開院。20年以上にわたる来院患者数は、グループ全体で25万人。豊富な臨床体験に基づき、新聞、雑誌、テレビなどにも多数出演。正しい姿勢がもたらす健康情報を中心にメッセージを発信し続けている。カイロプラクティック健康科学士、日本カイロプラクターズ協会正会員、行動姿勢研究会 共同代表
営業マンの職業病!? 専門家が教える『W荷重肩こり』の撃退法
商談のためにPCや営業資料など、重い荷物を持ち歩く営業マン。移動中は情報収集のためにスマホ画面を見つめる――。
最近、そんな営業マンの間で新しい肩こりが増えているといいます。
「肩こりの原因のひとつとして最近増えてきたのは、スマホの使用で前傾姿勢になり、頭を支える首・肩への負担に加え、手荷物の重さがプラスされるWの荷重による肩こりです。放置しておくと肩こりを重症化させ、さらに血行不良・全身の不調を引き起こす可能性があります」
こう話すのはKIZUカイロプラクティックグループ代表院長の木津直昭氏。
営業マンを悩ます「W荷重肩こり」のメカニズム、予防とケアの方法を木津氏に聞きました。
5kgのカバン+スマホ使用で首・肩への負担は30kg超に
2016年春にピップ株式会社が行った調査によれば、ビジネスパーソンの手荷物の重さは平均4.6kgだそう。
これはノートPCやタブレットの普及により、その周辺機器と一緒に持ち歩く機会が増えたからと推測できます。
「まっすぐな姿勢では頭を支えるために約6kgの荷重が首・肩にかかりますが、スマホを使用する際の前傾姿勢になると4倍以上の約27kgになると言われています。さらに5kgの荷物を持つことで、30kg以上の荷重が首・肩にのしかかります」(木津氏)
木津氏によると、同じ姿勢で荷重が掛かり続けることで、首・肩周辺の筋肉が血行不良を起こして、乳酸が蓄積することで、肩こりにつながるとのこと。
ではそんな「W荷重肩こり」はどうやって予防・ケアすればいいのでしょうか。
「W荷重肩こり」の予防・ケア
「W荷重肩こり」は、「荷物の持ち方を変えることにより肩の負担を軽減できます」と、木津氏は言います。
<荷物の持ち方編>
・荷物を持つ手を変える
・電車の中では網棚を利用する
・肩ベルトを付けられるものは、肩紐の長さをできるだけ短くし、カバンが揺れないようにする
・リュックタイプになるものはなるべく両肩で担ぐ
「手荷物の中身を変えるのは難しいでしょうから、まずは手荷物の持ち手を変えてみることがオススメです。また、電車内でなるべく網棚を利用する、肩ベルトを調整して荷物が揺れにくい位置にする、リュックタイプのデザインを利用する、などの対策が挙げられます」(木津氏)
いずれにしても、長時間同じ姿勢で手荷物を持ち続けないようにすることが大切だといいます。また、普段の生活でできる予防法・ケア法も教えてもらいました。
<日常生活編>
・肩甲骨周りのストレッチで筋肉をほぐす
・40度以下の湯で10~15分、肩まで入浴する
・ピップエレキバンなど、磁気治療器を貼る
「肩こりを感じたら、体全体の軸や肩甲骨をリセットするストレッチをしましょう。例えば、『胸反らし』。体の後ろで腕を組み、肩甲骨の間の筋肉を収縮させるように胸を反らせ、同時に首も後ろに反らします。息を吸って吐いてを繰り返しながら5回を目安に行います。立って腰が反らないように下腹に力を入れて行うのが効果的です」(木津氏)
また、体全体を暖める入浴や、磁気治療器で血流を改善させることも効果的だということです。
放っておくと重症化しやすく、腕の痛みや痺れまで併発する恐れがあるという「W荷重肩こり」。
業務時間に占める移動時間の割合は3割にのぼるとも言われている営業マンにとって、もはや職業病とも言っていいかもしれません。
電車での移動時間など、どうしても姿勢が固まりがちになってしまいますが、これからは少し意識して予防してみてはいかがでしょうか。
文/佐藤健太(編集部) 画像提供/ピップ株式会社
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