『働き甲斐のある会社ランキング』で2年連続3位
サイボウズ株式会社の中途採用情報
「根性論」で育った営業マネジャーは、どのようにして長時間労働のスパイラルから逃れるべきか【サイボウズの考え】
『働き甲斐のある会社ランキング』で2年連続3位に選ばれるなど、現在では、柔軟な働き方ができる企業として有名なサイボウズ。
そんな同社の現在の離職率は4%。しかし、2005年当時の離職率は28%もあり、毎週誰かの送別会が行われている状況だったという。そして、当時の管理職たちの多くが長時間労働で育った世代だった。
そんな「根性系」リーダーたちはどのようにして長時間労働から逃れればいいのか。
2016年11月10日に幕張メッセで開催されたイベント『Cybozu Days 2016』での、同社執行役員営業本部長の栗山圭太氏の話を紹介する。
サイボウズをかつて支えていた根性系管理職
先日、電通で若い女性社員の過労を苦にした自殺という痛ましい事件が起きました。
同社では「鬼十則」を掲げていますが、それが社会から批判を受ける事態になっています。
ただ、もしかしたら、この会場に来ていらっしゃる管理職クラスの方の中には、このひとつひとつの項目について、「どこがおかしいんだ?」「当然では?」と、あまり違和感を持たれない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
学生時代、運動部では水を飲まないことが美徳とされ、家庭内でも父親は家事・育児にノータッチ。「24時間戦えますか?」が流行語になり、営業では「契約取ってくるまで帰ってくるな」と言われて育った世代かもしれません。私もその“根性論”世代の一人です。
かつてのサイボウズの管理職にもそういう人がたくさんいました。しかし、人がどんどん辞めていく――。
この状況に危機感を持ち、無理やりにでも打破しようとしたのが社長の青野だったのです。
子どもを病院にすら連れていけない人が、
世の中を変えられるはずがない
社長の青野は断固として改善の姿勢をとりました。「これから変わるサイボウズのワークスタイルの理想に共感しない管理職は失格だ」という強い言葉まで使って。
実際に、この理念に共感できずに会社を去った管理職もいます。
そもそも、サイボウズが扱っているのは世の中の働き方を変えるグループウェア。自らが手本とならなければいけない。
だから青野もあえて強い言葉を使ったのかもしれません。それを裏付けるような青野の印象的な言葉を覚えています。
「子どもを病院にすら連れていけない人が、世の中を変えられるはずがない」
当時の管理職を集めて、青野がこう言ったとき、自身を顧みて、うなだれている管理職もいました。
家のどこに保険証があるか分からない、子どものかかりつけの病院を知らないなど、実はこういう管理職の方、いらっしゃるのではないでしょうか?
サイボウズでは、他にも、勤務時間をライフステージに合わせて変えられる制度や、勤務体系ごとの給与の明示化、男性の育児休暇制度など、福利厚生ではなく、経営課題という観点で社内の制度を整えてきました。
長期間労働改善のキモは
取引相手と上下関係を作らないこと
かつてサイボウズでも常態化していた長時間労働の問題。「自分は人事部ではないし、役員でもないから環境を変えようがない」と思っていませんか?しかし、皆さんにも変えることができるのです。
「明日の朝イチの会議で使いたいから用意してほしい」とクライアントからお願いされて、ふと時計を見るとすでに定時を超えた18時――。なんて経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
営業やクリエイティブなど、お客さまありきの部門では、顧客から急に資料の準備などをお願いされることがありますよね。そんな部門はどうしても長時間労働が生まれやすいのです。
「急にお願いされても難しいです」と断れればいいのですが、現実的にはそんなに簡単に断れないでしょう。
なぜか。それは発注側よりも受注側の立場が弱いからです。
現代の日本では、仕事相手の外部企業を「業者」扱いしている人たちがとても多い。これが長時間労働を生んでいる要因のひとつ。つまりは電通の事件も、クライアント側にも責任があると言えるのです。
外部企業はあくまで“パートナー”。対等な立場で仕事をし、双方が変わらないと社会は変わりません。
もしあなたが発注側だとしたら、相手に無理なスケジュールで発注しないこと、もしあなたが受注側だとしたら、相手に言われたスケジュール感を本当にそれが必要かどうかを確認すること、これらを意識して仕事をすれば、自分のチームはもちろん、パートナーの企業の長時間労働さえもなくすことができるかもしれないのです。
安倍首相が9月の『働き方改革実現会議』の中で話されているように、これからの3年間は「働き方の改革」が最大のチャレンジだと表明しています。つまり、日本の成長のためには個々人の働き方を改革することが一番重要だということなのです。
だからこそ、皆さんのようなマネジャー層に率先して長時間労働からの脱却に取り組んで欲しいと思っています。きっとできることがあるはずですから。
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取材・文・撮影/佐藤健太(編集部)
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