転職 Vol.353

退職届ってどう書くの?【#8円満退職の仕方:営業の転職ノウハウ】

営業ならではの仕事の探し方から退職交渉テクニックまで
営業の転職ノウハウ
一般的な転職活動と違って、営業職の転職では自分の実績を企業に売り込み、転職先でいかに活躍できるかをアピールすることが大切。この営業の転職ノウハウでは、営業パーソンの転職活動で必要な書類の準備方法を伝授。営業職の転職ならではのノウハウを活かし、理想のワークスタイルを手に入れよう!
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転職先から内定が出たら、次の課題は、退職交渉をいかにスムーズに進めるかになる。辞める意思を伝えてから退職日までは2週間というのが法的な最低ライン。だが円満退職のためには、少なくとも1カ月は見積もるべきだろう。事前準備をしっかり行い、退職交渉に臨むようにしよう。

【1】退職までの計画を立てる

[ポイント]
■ヘタな嘘は絶対につかない。辞める理由と自分のキャリア設計までを、正直にキチンと話す
■事前準備が大切!周囲の人に迷惑をかけないよう、退職までのスケジューリングは用意周到に
■自分より先に辞めた先輩の“退職までの様子”を事前勉強しておくこと。その会社における「上手な辞め方」は、マニュアルでは分からない

退職の意志を告げる前に、まず引き継ぎに必要な期間など計算し、転職先の人事に告げる入社予定日を決めるとよい。 また、『早ければ○月×日、遅くても○月×日には……』という話の進め方をするとリスクヘッジになりますね。 ヘタな嘘は絶対につかない。辞める理由と自分のキャリア設計までを、正直にキチンと話すことが重要だ。

【2】退職することを会社に伝える

退職の意志は、まず直属の上司へ伝えること。そうすれば人事からアプローチが来る。 気をつけなくてはいけないのが、いきなり人事に辞表を出すのはNGであること。 上司がなかなか退職を認めてくれないなどの場合のみ、人事に辞表を持って行くなどの強硬手段を採るようにしよう。 また、退職交渉でもめて、入社時期がずれ込む可能性が出た場合、転職先の人事に状況をマメに報告するとトラブルを防げる。
この項目では実際の退職交渉の場で上司がとる引き留めの方法。特に売れている営業パーソンは引き留めにあう可能性が高い。 そんなときにも確固たる退職の意思を持って、退職交渉に臨むようにしよう。

牛歩戦術

「もうちょっと待ってて」「上からの返事がなかなか返ってこなくて…」というように、なかなか退職交渉が進まないケース。

過去のミス・トラブルを持ち出される

「あの時のミスは会社の痛手になったけど、チームのみんなが助けてくれたからなんとか会社が存続できたんだ」というように過去のミスやトラブルを持ち出してくるケース。

情に訴えかけられる

「なんで辞めるの?もっと一緒に頑張ろうよ」と泣いてすがるようなケース。

会社の損失でおどされる

「辞めたら1億飛ぶよ」「顧客がいなくなり、会社が倒産してしまう」など、会社の損失を訴えかけてくるケース。

【3】退職届を書く

退職届を出すときの注意点

内定から入社に至るまでのプロセスは、わだかまりを残さないよう、スマートにこなしたいもの。 退職する意志を正式に表明するものが退職届である。一方的に退職願を書き、提出するのは、言語道断。 退職の意志が決まったら、まず直属の上司に相談する。その上で退職日なども決め、退職願を作成するようにしよう。 離職届など、退職してから取りに行かなければならない書類などもある。 また、転職した企業によっては、前の職場がクライアントになる可能性もゼロではない。 多かれ少なかれ、退職後も前にいた企業との関わりは続くことを肝に銘じておこう。

退職届の記入例

退職届けの書き方

1、私儀
私儀は、謙虚な意味を込めて行末に入れる。

2、退職理由
特別な理由はいらない。「一身上の都合」でかまわない。

3、退職日
退職日を記入する。上司と相談して決めた方がよいだろう。有給休暇が残っている場合は、消化後の日にちにするのが一般的。

4、提出日
上司への提出日を記入。

5、宛名
提出するのは直属の上司でも、宛名は会社の最高責任者宛にする。敬称は殿。自分の名前よりも上に来るように。

【4】退社の準備

スマートな引き継ぎの仕方

引き継ぎは退職交渉の中でも特にもめるポイントであるため、退職交渉を行う際に自分で引き継ぎのスケジュールを立てておくとよい。 引き継ぎのためのマニュアルを作って、退職交渉の際に上司に見せるのもいいだろう。 会社の指示を待つのではなく自分で進めることが、スムーズな退職準備のカギとなる。

会社から受け取ったものについて

退社時には身分証明書や健康保険証はもちろん、支給されたものはすべて返却するのが原則だ。

担当していた顧客について

今後もお付き合いがある可能性が高いため、退職の挨拶をしておこう。直接会って挨拶をするのがベストだが、 どうしてもできない場合は、電話もしくはメールで退職の挨拶をしておくことが、今後の営業活動にも繋がってくるだろう。

【5】保険・年金・税金の手続き

■手続きは同時進行で迅速に

離職票、雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票など、退社後に必要になる書類を受け取るのを忘れずに。 また、確定申告など、自分ですべき事柄は忘れずにチェックすること。 「税金」「保険」「年金」などのお金に関わる手続きは、在職中は給料天引きのため、意外とルーズになりがちだ。 ちょっとした不注意であとあと面倒が起こりやすいものだけに、面倒がらずにきちんと確認し、手続きを済ませよう。 退職をしても、意外なところで前職と関わることもある。“立つ鳥跡を濁さず”が鉄則だ。

■税金

「住民税」は退職時に未納分を納入する必要がある。1~5月に退職した場合は5月までの未納分を退職時に一括納入。 6~12月の場合は、退職時に一括か、年4回の分割のどちらかの支払い方法を選択できる。 納入方法に疑問や問題がある場合には、会社に相談してみるのもひとつの手だろう。 「所得税」は、納めすぎていれば源泉徴収票を提出すれば、年末調整の際に還付される。 源泉徴収票の提出方法は2種類ある。退社年の12月までに再就職したのであれば、 新しい会社に提出すれば、年末調整の手続きをしてくれる。 一方、再就職が翌年以降に持ち越された場合には、翌年の確定申告期間(2月15日~3月15日)に、 所轄の税務署に行って確定申告を行う必要がある。

■保険

失業時の保険で注意すべきなのは、失業期間の収入に関わる「雇用保険」と、医療に関連する「健康保険」の2つ。 「雇用保険」の失業等給付には、(1)失業状態で被保険者の資格消失が確認できる。 (2)離職日以前の1年間に満6カ月以上、雇用保険に加入していた。(3)ハローワークに休職申し込みをしている… などの受給条件が設けられている。受給期間は退職日の翌日から1年間だけなので、失業期間が発生したなら、すぐに手続きすべきだろう。 「健康保険」には、「国民健康保険」(医療費の3割本人負担。退職日の翌日から14日以内に手続きが必要)と それまでの健康保険を離職後2年間まで適用できる「任意継続被保険者制度」(本人負担が2割。ただし事業主負担分の保険料は本人負担。 退職日の翌日から20日以内)の2種類がある。市町村役場でよく内容を確認して、速やかに手続きを済ませたいものだ。

■年金

20歳以上60歳未満の人は国民年金への加入が原則。就業中は第2号被保険者(国民年金と厚生年金か共済年金に加入)だが、 失業期間中は第1号被保険者(国民年金のみ)に変わるので、市町村役場で変更手続きをする必要がある。 扶養義務のある配偶者も同様だ。未払い期間があると減額になったり、場合によっては年金が受け取れなくなることもあるので、 必ず手続きしよう。

■失業保険について

会社都合と自己都合では失業給付を受ける期間や仕組みが異なるため、近くの職業安定所(ハローワーク)に問い合わせてみよう。

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