自分より営業成績がいい後輩に慕われる秘訣って? 相手によって態度を変える後輩への対処法【連載:社内営業のお作法】
内藤誼人氏
ビジネス心理学の第一人者として、実践的な心理学の応用に力を注いでいる。
著書に『「人たらし」のブラック心理術』(だいわ文庫)、『すごい!ホメ方―職場で、家庭で、恋愛で…相手を思うままに操る悪魔の心理術』 (廣済堂文庫)、(廣済堂出版)『ジョジョの奇妙な冒険が教えてくれる最強の心理戦略』(かんき出版)、『裏社会の危険な心理交渉術』(総合法令出版)など
【お悩み】先輩の成績によって態度を変える、仕事のできる後輩に慕ってもらいたい
自分よりも売上げ成績がいい後輩がいます。その後輩も、自分より売上げの高い先輩には丁寧に接していますが、そうではない先輩には態度を変えます。先輩である以上は、後輩からも慕ってもらいたいと感じていますが、どうすればいいでしょうか?(27歳/広告/法人営業)
もちろん、仕事自体に全力で取り組み、仕事ができるところを見せつけて、部下に見直してもらうという努力は忘れてはいけません。「ただ先輩なんだから」という理由だけでは、部下は尊敬できないでしょうから、やはり仕事ができるところをアピールしていきたいものです。
でも実は他にも、意外と簡単なテクニックがあるのでご紹介しましょう。
まず、その部下が丁寧に接しているという、売上げの高い先輩(あなたにとっては同僚になるのでしょうか)とできるだけ仲良くなってください。そして、仲のいい様子を、その部下に見せつけてやるのです。これだけで、あなたも部下に慕われることができます。
「○○さんは仕事ができないからナメてたけど、僕の尊敬する△△先輩とものすごく仲良しなんだな」と思えば、あなたのことを見直してくれるはず。
なぜなら、私たちが人を評価するときには、一人一人を個別に評価するのではなくて、一緒につるんでいる人を含めて“セット”で評価するからです。
そのため、相手が尊敬する先輩と自分が仲良しであることをアピールしていれば、自分もその先輩と同じように尊敬してもらえるのです。
アリゾナ州立大学のロバート・チャルディーニは、この心理テクニックを「連結法」と名づけました。部下が好きな先輩と仲良くしていれば、その先輩に対する「良いイメージ」が、相談者自身にも結びつけられます。
チャルディーニは、有名人であるとか、好かれている人と自分をうまく結びつけることで、自分のイメージがよくなると指摘しています。
部下が自分にだけ露骨に態度を変えてくるというのは、自分が尊敬する先輩と、相談者を別の人間だと思っているからなのです。ですから、その部下が尊敬する先輩と、自分は「同じ」だということを教えてあげてください。
「アイツ(部下が尊敬する先輩)とは、入社以来、ずっと友達でさ」
「アイツとは、大学も一緒で昔からの知り合いなんだよね」
「アイツとは、週末もよく一緒に遊ぶんだよ」
「お互いの結婚式には、スピーチし合おうって約束しているんだよ」
こんな感じの話を聞かせてあげていれば、その部下の頭の中では、尊敬する先輩と、相談者のイメージがしっかりと結びついていき、“セット”として評価してもらえるようになるはず。
次回は、「叱るとすぐにしょげてしまう後輩の対処法」をお教えします。乞うご期待!
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