「これだからゆとりは……」「イマドキの若手って……」が口グセな先輩の対処法【ビジネス心理学者・内藤誼人のQ&A!社内営業のお作法】
内藤誼人氏
ビジネス心理学の第一人者として、実践的な心理学の応用に力を注いでいる。
著書に『「人たらし」のブラック心理術』(だいわ文庫)、『すごい!ホメ方―職場で、家庭で、恋愛で…相手を思うままに操る悪魔の心理術』 (廣済堂文庫)、(廣済堂出版)『ジョジョの奇妙な冒険が教えてくれる最強の心理戦略』(かんき出版)、『裏社会の危険な心理交渉術』(総合法令出版)など
【お悩み】人を“世代の特徴”で一くくりにしてしまう先輩
ジェネレーションギャップに敏感で、人を世代の特徴で一くくりにしてしまう先輩(30代・女性)がいます。先輩は就職氷河期に就職したので、「私の世代は、ハングリー精神がある」と言い、平成生まれの私は「ゆとり世代は根性が足りない」と言われてしまうのでモヤモヤした気持ちです。世代の壁を乗り越え、仲良くなる方法はありますか?(25歳/メーカー/法人営業)
先輩が「世代」に対して強いこだわりがあるのなら、扱いはそんなに難しくなりません。なぜなら、その時代について話していれば、当人は満足できるのですから。
先輩の世代、すなわち80年代であるとか、90年代の流行について調べて、それを話題に盛り上がればいいんです。
「80年代の音楽って、ものすごくいい曲が多いんですよね」
「90年代のテレビドラマって、面白いものがたくさんあったみたいですね」
「先輩が就職活動していた時って、大変だったみたいですね」
こんな感じで切り出してみてください。
きっと先輩は目を輝かせながら、「そう!そう!そうなのよ~」と笑顔で話してくれるに違いありません。あとは興味深そうな顔をして、「うわぁ~、そうなんですね!」と適当に相づちを打ってあげるだけ。
人間というのは、自分が生きてきた時代がやっぱり一番素晴らしい時代だったと思いたいもの。そういうこだわりがある人こそ、自分の素晴らしい話を聞いてくれる相手に好意を持つものです。
話を聞くときのコツは、とにかく頻繁に相づちを打ってあげること。これに尽きます。
ウェスタン・イリノイ大学のジャック・ハワードは、90秒おきに相づちする場合と、2分おきに相づちする場合とで、相手に与える印象がどう違ってくるのかを比較をする実験を行っています。結果、90秒おきに相づちするだけで、聞いている人の魅力が高まることを明らかになりました。同一人物であっても、相づちの頻度を増やすだけで、相手に感じさせる魅力も高まるのです。このテクニックを使わない手はありませんね。
ちなみに私の場合ですと、相手が年配者の場合には、戦時中のお話を切り出すことが多いです。たいていの人は、「辛い時代だったけど、いいこともたくさんあったんだよ」と感慨深そうな顔をして、愉快にその頃の話を聞かせてくれます。
私はただその話を聞いてあげているだけなのですが、そんなことだけで相手は私のことを好きになってくれるんです。
先輩が就職氷河期について語るのが好きなのであれば、その頃の話をどんどん質問してあげてください。自分の「聞く技術」を磨くトレーニングにもなるので、営業活動にも役立つでしょう。
次回は、「些細なことですぐに機嫌が悪くなってしまう先輩にも愛される、社内営業のお作法」をお教えします。乞うご期待!
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