

南 直哉(みなみ じきさい)1958年、長野県生まれ。禅僧。青森県恐山菩提寺院代(住職代理)、福井県霊泉寺住職。早稲田大学第一文学部卒業後、大手百貨店勤務を経て、1984年に曹洞宗で出家得度。同年から曹洞宗・永平寺で約20年の修行生活を送る。『禅僧が教える心がラクになる生き方』(アスコム)など、著書多数。
「僕、営業に向いてないみたい」、「職場で浮いてる気がする」……。営業としても、ビジネスパーソンとしても、まだまだ自信が持てない若手は多いはず。上司や同僚には相談しにくい、営業type読者から寄せられた‟心のモヤモヤ”を、元会社員であり現在は恐山の禅僧として活躍する南直哉さんにぶつけてみた。日々さまざまな人の心を救ってきた直哉さんの一言が、若手営業マンの悩みの突破口となるかもしれない。
南 直哉(みなみ じきさい)1958年、長野県生まれ。禅僧。青森県恐山菩提寺院代(住職代理)、福井県霊泉寺住職。早稲田大学第一文学部卒業後、大手百貨店勤務を経て、1984年に曹洞宗で出家得度。同年から曹洞宗・永平寺で約20年の修行生活を送る。『禅僧が教える心がラクになる生き方』(アスコム)など、著書多数。
お客さまの立場になって、よく考えてみてください。「お調子者で面白い奴」から商品を買いたいと思うでしょうか。
あなたは自分のことを「面白いキャラクター」だと位置付けていますね。この「キャラ」というのは、市場価値としての個性のことだと考えてください。友人市場においては、あなたのキャラはお笑い担当として価値が高かった。しかし仕事の市場で売れない個性、通用しないキャラクターならさっさと変えるべきです。
私から言わせてもらうと、最近の若い人たちには、こうした「明るいお悩み」が多い気がします。以前ある若者に「学校で友達ができなくて、引きこもりになろうと思うんです」と、まるで将来の進路を相談されるみたいに淡々と言われたことがあります。引きこもりは、なろうと思ってなるものなのかと、とても驚きました。
とても素直で真面目だけれど、ものを考える機会が減って、悩み方を身に付けていないのではないかと心配になります。その中で一番の問題は、自分に何が起こっているのか言語化できないことです。例えば「むかつく」の一言で全てを片付けてしまい、何にむかつくのか、どういうときにむかつくのか、どのような不具合を起こしているのか説明できない。「むかつく」という感情に流されて、その場の構造を見極めることができないのです。
「困った」と感じたときは、いったん損得を抜きにして、状況を見つめ直してください。何に困っているかを探そうとすると、感情に引きずられてしまうので、感情を切り離して、今何が起こっているかを冷静に考える。そうすれば、「お調子者で面白い奴」が求められていないことが、段々分かってくるはずです。
焦って結論を出すことはありません。時間と手間をかけて、じっくりと自分なりの結論を出していってくださいね。
あなたはきっと、職場の雰囲気や人間関係をとても大切にされている方なのでしょう。けれども残念ながら、職場の雰囲気は自分で選べるものではないし、気の合う人ばかりが集まっているとも限りません。
そもそも、職場とは仕事をする場です。気が合わない人が多くても、周囲から少々浮いてしまっても、何も問題はありません。それでもコミュニケーションを取りたいと思うのなら、仲良くなるよりも「役に立つ存在」になれるように努力してみましょう。
仕事をする場だからこそ、役に立つ人間のことは誰も無視できません。極端な話、たとえ嫌いな相手であっても、仕事ができる人間に対しては一目置くはずです。
そうして成果を上げ続けていれば、友達ではないかもしれませんが、「仕事仲間」はできます。人間の根源的な欲求は「他者から認められること」なので、同僚から信頼され、尊重されれば、友達などいなくても心は満たされるはずです。
自分の「やるべきこと」をしっかりとやっていれば、共感してくれる人は現れるもの。その中で、重要な問題を共有したり、困難を共に乗り越えた相手とは、簡単には崩れない関係が生まれてきます。
本当の友達とは、あえてつくろうとしなくてもいつの間にかできてしまうもの。安心して、目の前のやるべきことに取り組んでください。
【バックナンバー】「直哉さん、僕もう営業辞めたいんですけど……」営業マンの“モヤモヤ”を、恐山の禅僧に相談してみた(1)
取材・文/瀬戸友子 写真/大室倫子(編集部)
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