僕たち友達じゃないんですけど……学生気分が抜けない後輩の対処法【ビジネス心理学者・内藤誼人のQ&A!社内営業のお作法】
内藤誼人氏
ビジネス心理学の第一人者として、実践的な心理学の応用に力を注いでいる。
著書に『「人たらし」のブラック心理術』(だいわ文庫)、『すごい!ホメ方―職場で、家庭で、恋愛で…相手を思うままに操る悪魔の心理術』 (廣済堂文庫)、(廣済堂出版)『ジョジョの奇妙な冒険が教えてくれる最強の心理戦略』(かんき出版)、『裏社会の危険な心理交渉術』(総合法令出版)など
友達じゃないんだけど……学生気分が抜けきらない後輩
学生気分が抜けていないのか、年の近い私と友達感覚で接してくる新人がいます。プライベートの話をしたり、休日に遊ぼうと誘ってくれるのは嬉しいのですが、営業活動の話や後輩指導がしづらくて困っています。後輩の好意を無碍にしたくはないのですが、どうすれば「職場の先輩」として仲良くなれるのでしょうか?(25歳/男性/通信系個人営業)
仕事モードの自分と、プライベートモードの自分の演出を変えることです。そうすれば、新人も仕事のときにはきちんと「職場の先輩」として見なしてくれるでしょう。
仕事モードの自分を演出する方法はいくつかありますが、一つめは話しかけるときの「声」を変えることです。
普段はやさしい声で話しかけてもいいのですが、仕事の時には少しだけ力強い声を出すようにするのです。女性なら、声を低く抑えるのもいいでしょう。そういう声で「ちょっと話したいことがあるんだけど」と言えば、新人の方も緊張してピリッとした態度で聞いてくれるはずです。
イギリスのサッチャー元首相は、ボイス・トレーニングを受けて低い声を手に入れたそうです。そういう声でなければ、首相として威厳のある命令が出せなかったからでしょう。普段の声と、仕事モードの声を使い分けることができれば、新人も仕事のときには、仕事の先輩として扱ってくれるようになります。
また仕事モードのときだけ、声を大きくするのもいいアイデアです。プライベートのときには小さな声で話して、仕事モードになったら明らかな違いが分かるくらいに大きな声を出して差をつければ、新人にも「あ、先輩は今仕事モードに入ったな」ということが分かってもらえるでしょう。
声を少し大きく張るようにすることには、別のメリットもあります。それは力強さを感じさせて、新人を威圧できるということです。これはハーバード大学のクラウス・シェーラーが指摘していますが、心理学的には大きな声を出していると「パワー」を感じさせるというのです。
顔の表情を変えるのもいいですね。仕事以外で新人と接するときには、ニコニコしていてもいいのですが、「さあ、仕事だ!」というときには真剣な顔をすること。少しくらい険しい顔の方がいいかもしれません。
本気の顔をしていれば、新人も「今は遊びの時間じゃないんだ」ということに気付いてくれるでしょう。
私も、大学の学生と普段はお友達のように気軽にお喋りしていますが、講義が始まった途端、違う声を出し、違う表情を見せることで学生の気を引き締めています。「仕事モード」の自分をうまく演出するように意識してみてくださいね。
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