ロート製薬会長が「副業を受け入れない会社は発展しない」と断言する理由
副業制度をいち早く取り入れ、新たな働き方で注目を集めるロート製薬株式会社。その代表である山田邦雄さんは、なぜ副業許可の判断ができたのか?
またソニーに在籍して新規事業を担当しながら、『ハピキラFACTORY』で自身が代表を務める正能茉優さんは、本業と副業をどう切り替えているのか。新たな働き方の最前線を走る二人に副業の実態を聞いた。
※第1回は以下からご覧いただけます
>「経営者の7割が副業に反対」の今、ロート製薬会長×ソニーの”パラレル女子”が語る「副業」のメリット/デメリット
「本業を大事にする」大前提があれば、副業は企業にもメリットがある
―前回は、働き手が副業をするメリットを伺いました。今回は、副業を解禁することによって得られる企業側のメリットについてお話を聞かせてください。
山田 副業によって社員たちが生活をより充実させ、新しい才能を開花することは、会社にとっても大きなメリットになるのではないかと思います。またマルチキャリアがもっと普及してくれば、副業として来てもらう機会も増えて、企業側・働く側双方にメリットが生じるのではないでしょうか。
正能 私も実際に自分で会社を経営する立場として、全く違う企業で働いている友人や優秀なデザイナーが『ハピキラFACTORY』で副業をしに来てくれたら嬉しいですね。
山田 自分の企業を副業として選んでくれる場合、受け入れる側としても、あくまでも「本業を大事にしている」という前提があるといいですね。「タダで手伝ってほしい」とは言えませんが、「毎日来たい」といわれても全部を背負うことはできませんから。それと、副業は食べることに困っていたり、嫌々やらされているわけではない。本人がやりたくてやってることなのでやりがいがあり、イキイキと働ける気がします。
副業はどう管理されるべき? 懸念される人事への負担
――正能さんは、実際に副業をしてみて大変だと思うことはありましたか?
正能 私自身が大変というよりも、副業によって会社に負担をかけていると感じることがあります。例えば私が今回の取材のように外にでる時は、「ハピキラFACTORYの正能茉優」でもあり「ソニーの正能茉優」でもある。そうするとどちらの会社の広報にも確認をお願いしなければいけないので……。
あとは、私のように副業をしている人がちゃんと働けているのか確認するために、人事の方たちが時間配分をチェックしてくれています。ルールが整備されていないからこそ会社側にある程度負担をかけてしまうんですよね。これをどういう風にしたら改善できるかはすごく興味があります。
山田 これまでは一人一人と向き合って、その人がどんな働き方をするか、どんな成長をしているかというのを見ることが課題でした。これからは今まで以上にそういった体制をうまく回していくこと必要になってきますよね。
正能 過渡期であることは間違いないので、自分でもルールをつくっていく気持ちでやっていきたいなと思ってます。
※この対談は動画でも視聴することができます。
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