キャリア Vol.680

24歳・舞台女優が『Uber Eats』で働き始めて気付いたこと 「どんな選択をしてもアンチはいる。だったら好きに生きなくちゃ」

最近、都心部ではフードデリバリーサービス『Uber Eats』の配達スタッフを目にする機会が一段と増えた。スマホから注文するだけで、好きなお店の食べたいメニューをすぐに届けてくれるこのサービス。日本では現在11都市以上でサービスを展開し、忙しい女性にとっても、強い味方となっている。

また、『Uber Eats』ではニーズの増加にともない配達スタッフの数を急ピッチで増やしているそうだが、その自由な働き方が若者の間で評判だ。

現在24歳の田中智美さん(仮名)も、『Uber Eats』配達スタッフならではの、“自分次第”な働き方に魅力を感じて仕事を始めた一人。

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Uber Eats 田中智美さん(仮名)

1994生まれ。高校卒業後、大学で演劇を専攻するも半年で中退。アメリカへ留学し、ケンタッキー州の大学と、ニューヨークの専門学校でパフォーミングアーツを学ぶ。卒業後はブロードウェイやオフブロードウェイのオーディションを受け、数々の舞台に立つ。ブロードウェイでの出演作に『Kris Kringle(クリス・クリングル)』など。2018年10月に帰国し、現在はフリーの舞台女優としてさまざまな作品に出演するかたわら、『Uber Eats』の配達スタッフや都議会議員事務所のスタッフとしてインターンシップに勤しむ

かつてはNYのブロードウェイでも活躍した経験を持つ田中さん。現在も本業は舞台女優だが、稽古の合間に『Uber Eats』の配達業も楽しみながら続けている。

好きな時に、好きなだけ働く毎日が「自分らしい」と話す彼女に、理想のワークライフバランスと、生き方について聞いた。

※本記事は、姉妹媒体『Woman type』からの転載です。元記事はこちら

「仕事があるから」を理由に、やりたいことを諦めたくない

『Uber Eats』を初めて知ったのは、アメリカで暮らしていた時です。特にNYなどは東京と比べても断然フードデリバリーサービスの文化が根付いていたので、自分もよく使っていましたし、配達スタッフがバイクで颯爽と街を駆け抜けていく姿も目に入っていました。

私が実際に『Uber Eats』の仕事を始めたのは、2018年の10月に帰国してからのこと。気が向いたときにいつでも働けるのがいいなって思って始めました。毎日同じ時間、同じ場所で働くっていうのがどうしても嫌で。「仕事があるから」ってやりたいことを諦めたり、後回しにする生活も嫌だったので、そんな自分にピッタリだなって思ったんです。

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「さあ、やるか」と思い立ったら、ウェアを着て、自転車に乗って『Uber Eats』のロゴバッグを担ぐ。アプリを立ち上げてオンラインにしておけば、自動的にマッチングされた依頼がスマホの画面に表示されるので、その指示に従ってどんどん配達をこなしていきます。

実際やってみて感じたのは、思っていたよりゲーム感覚だということ。次から次へとスマホに「このお店へ向かってください」「配達先はこちらです」と次々に通知がくるので、その指令を一つ一つこなしていけばOK。完全出来高制なので、やればやるだけお給料も増えていきます。

ジム、配達、舞台……その日、何をどのくらいやるかは気分次第

基本のワークライフバランスは、ざっくり言うと昼は『Uber Eats』、夜は舞台、という感じ。朝9時ぐらいからジムで体を鍛えて、11時から15時までは『Uber Eats』のアプリをオンラインにして、配達に集中。注文が殺到するお昼時だと1時間に4件くらいの配達をこなします。休憩もしっかり取って、夜は舞台の稽古へ。一日中体を動かしているので、夜はぐっすり眠っちゃいますね。

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ただ、これはあくまで一例です。毎日起きたいときに起きるようにしているし、ジムに行かず家でゆっくりしているときもある。舞台に専念したければ『Uber Eats』の仕事をしばらくお休みすることも。「今日はお休みにさせてください」っていう連絡を会社に入れる必要もないので、気持ちも楽ですね。いつも自分の体調や気分、スケジュール次第で働き方を決められるので、すごくストレスフリーな状態です。

一方で、『Uber Eats』の仕事はただお金を稼ぐためにやっているのではないかと思われる方もいるかもしれませんね。確かに、収入面も大事なのですが、私にとっては『Uber Eats』の配達の仕事って、楽しみなんです。自転車でいろいろな街にいくのも好きだし、流行りのお店を知ることもできる。そこではいろいろな人との出会いもありますし、ついでに有酸素運動もできてしまう。毎日を無駄にせず過ごしたい私にとっては、これ以上ない働き方です。

どんな選択をしてもアンチはいる。だったら「私は私」で生きていこう

最近では、ある都議会議員さんの事務所でインターンも始めました。舞台と、『Uber Eats』と、政治の世界で、パラレルならぬトリプルキャリアをつくっているところ。

政治に興味を持ったきっかけは、トランプ政権の政策が理由でビザが切れてしまい、日本への帰国を余儀なくされてしまったこと。その時初めて、「政治のせいで夢が断たれる」という経験をしたんです。本当は、ブロードウェイでもっと演劇がしたかった。だから、もう傍観者ではいられないなと思って政治の勉強を始めたところです。

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やりたいこと、興味のあることにはすぐ飛びついてしまう私ですが、今はそれでいいって決めています。中には「ちゃんと就職しなくて大丈夫なの?」って聞いてくる人もいますが、あんまり気にしません。例え不安定な暮らしだったとしても、自分で選んだ道なら後悔はしないから。

もともと人と比べない性格ではあったけれど、アメリカにいた頃にさらに強化されたような気がしますね(笑)。日本にいると、どうしても同調圧力が強くて息苦しくなることがあるけれど、そんなときは「私は私」って言い聞かせています。

舞台をやっていると「ちゃんと働かなくていいの?」と言う人がいる。「舞台をやめる」と言えば「せっかくやってきたのにもったいない」と言う人がいる。どんな選択をしても、いつだってアンチはいるんです。だったら、周囲の人の声なんて気にせず、好きなときに好きなことを、好きなだけするのが一番なんだって最近気付きました。

明日はどんなことをしよう。目線は常に前へ。過去は振り返らずに、その時々でやりたいことにまっすぐ向かっていきたいですね。

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取材・文/石川 香苗子 撮影/赤松洋太 企画・編集/栗原千明(編集部)

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