キャリア Vol.716

元女子高生社長・椎木里佳が次のJKトレンドを予測!「ドロップシッピングECが、女子のショッピングを変えていく」

教育改革実践家の藤原和博さんが、経営のプロフェッショナルをゲストに迎え、「働く力」について考えるtypeの動画コンテンツ「10年後、君に仕事はあるのか?」。今回のゲストは、株式会社AMFを15歳で起業し「女子高生社長」として一躍脚光を浴びた椎木里佳さんだ。

現在も大学に通いながら、経営者として女子中高校生向けのマーケティング事業やイベント企画などを手掛ける椎木さん。記事前半の本記事では、現在手掛ける事業や若者市場のトレンドについて教えてもらった

※この記事は「typeオリジナル キャリア動画」を一部編集の上、テキスト化したものです。

株式会社AMF 代表取締役 椎木里佳さん

株式会社AMF 代表取締役 椎木里佳さん

2013年、中学3年生で株式会社AMFを設立。女子中高生メンバー50名を擁する「JCJK調査隊」を率いたマーケティング・リサーチ業務で成果を残し、“女子高生社長”としてメディアにも多数出演。著書に『女子高生社長、経営を学ぶ』『大人たちには任せておけない!政治のこと』がある。16年「フォーブスが選ぶ30歳未満の30人」の1人に選出された

父は経営者。「15歳で起業」は特別なことだとは思わなかった

藤原

椎木さんといえば、若手経営者の中で最も注目されていているうちの一人。キャリアを積むたびに「最年少なんとか」っていうタイトルがずっと付いていますよね。これから何を仕掛けようとしているのか、私は非常に注目しています。

椎木

ありがとうございます!

藤原

椎木さんが出された自叙伝的小説『女子高生社長、経営を学ぶ』を熟読させてもらいました。椎木さんのお父さんは、有名なアニメ『鷹の爪団』の制作プロダクションの社長でいらっしゃると。

椎木

そうですね。最近は『パンパカパンツ』っていうキャラも人気みたいです。

藤原

父娘で起業家ということで、椎木さんもお父さんからいろんなことを学んでいるなと。僕も3人の子を育てましたけど、娘って中高生になると父との会話が少なくなるじゃない。でも椎木さん父娘は良い感じでコミュニケーションが取れているよね。

椎木

はい、めちゃくちゃ仲良いんですよ。今でも一緒に住んでますし、結婚するなら父みたいな人がいい(笑)

藤原

お父さんを超える人となると、なかなか現れないかも……(笑)!? 話はズレたけど、椎木さんは15歳で起業したっていうのがすごいよね。

椎木

うーん、でも私自身は起業した時に、自分が特別だとは全然思ってなかったんですよ。起業することって、別に皆中3くらいでやってるんだろうなと思ってたし。だから起業して周りから「すごいね」って言われて、え、私すごいの? ってびっくりしたというか。

藤原

いや、すごいことでしょう。

椎木

そうやって言ってもらえるなら、自分の年齢を武器にしたビジネスをまずはやってみようって思ったんです。そこから、女子中高生向けのマーケティング事業、『JCJK調査隊』や『JCJK総研』に関わらせていただけるようになって。

藤原

企業に対して、10代のマーケティング調査やアドバイスをしていると。

椎木

はい。今でも女子中高生の子とお仕事をしてるんですけど、去年『JCJK流行語大賞』というのを発表したら、ありがたいことに結構取り上げてもらえまして。事業はやっと軌道に乗ってきたという感じですね。

“陰キャラ”の自分を変えたかった中学生時代

藤原

椎木さんの話を聞いていると「この子は初めからとにかくイケイケのキャラだったんじゃないか」って思いがちなんだけど、実は割と大人しい子だったそうですね。

椎木

そうなんです。中学生くらいまでは、めちゃくちゃ“陰キャラ”だったんですよ。

藤原

インキャラ? 陰で暗いキャラってこと?

椎木

そうです。私は幼稚舎から慶應に通っているんですけど、周りの同級生は皆お金持ちなんですね。で、当時はまだ父の会社も小さくて、私の家は全然お金持ちでも何でもなかった。ピラミッドがあったら下から一層目くらいのところにいたんです。

藤原

分かりやすいね(笑)

椎木

私にとってはそれがすっごいストレスで。どうにかして自分を変えたいと思ったんです。だから中学に入学する時に、ダンス部とかそういうモテる子が入る部活に入ってキャラチェンジしようとしたりして(笑)

藤原

今『Forbesが選ぶ30歳未満の30人』に選ばれる椎木さんが陰キャラだったっていうのは、なんだか安心できるよね。この記事を見ている人も「自分だって何かきっかけがあれば変われるかも」と思うじゃない。

椎木

そう思ってもらえるならうれしいですね。

これから女子に流行る事業は、動画とドロップシッピングEC

藤原

話は戻るけど、今事業としてやっている、『JCJK流行語大賞』について詳しく教えてもらえる?

椎木

JCJK流行語大賞は、『JCJK調査隊』に所属してくれている中高生100人にアンケートを取るんですよ。その年に流行った「ヒト・モノ・コト・アプリ」の4部門と、次の年に流行るトレンド予測を教えてもらいます。どこからもお金を貰わずにやっているので、大人の事情は一切なしでリアルなデータを出しています。

藤原

ちなみに、去年・今年の傾向は?

椎木

2018年はタピオカや、プリクラの機械など、昔からあったものがパワーアップして流行るという傾向がありました。2019年も引き続き、そういうリバイバル的な要素は強くなるんじゃないかなって思います。

藤原

プリクラって今は何ができるようになってるの?

椎木

今のプリクラ機は、目が大き過ぎたり、肌が綺麗過ぎたりするのはちょっと時代遅れになっていて。逆にアラが出やすいというか、影がしっかり写るようなものが人気なんですよ。

藤原

リアルになってきてるんだね。

椎木

あと面白いのが、プリクラの機械に入ると、そこにスマホを立て掛ける棒があるんですよ。スマホで動画を撮りながら、プリクラも撮るっていうのが流行っていますね。

藤原

プリクラを撮影しているところを撮ってるってこと?

椎木

そうです。そうやってプリクラを撮影している様子をインスタにあげるんですよ。

藤原

なるほどね、それは知らなかった(笑)! じゃあ、椎木さん自身が、これから力を入れていきたい、って思うものはあるの?

椎木

やっぱり動画系ですね。今でいうとTikTokだったり、ASMR(※「体がゾクゾクっとする音」を収録した動画アプリ)みたいに、動画のコンテンツからヒットが生まれるっていうのがどんどん加速するんじゃないかなと思います。

藤原

今の若い人たちってGoogleで検索せずにいきなり YouTubeで検索するらしいじゃない。これからは企業でも動画でプレゼンしないといけなくなるかもね。

椎木

そうです、そうです!

藤原

これ知っとかないと、時代に取り残されちゃいますね……! 他にも注力したいことは何かある?

椎木

今は『kloset』っていう韓国のアパレルとコスメのドロップシッピングECを主力でやっています。

藤原

それは椎木さんが経営するAMFが、そのサイトをプロデュースしているということ?

椎木

韓国の会社と業務提携をしているので、発注が来て配送するのは韓国の会社、それまでの過程は全部AMFというかたちです。ドロップシッピングっていう、ビジネスモデルで。

藤原

商品の発送を製造元が直接行う取引方法だね。

椎木

はい。誰も余分な在庫を持たないビジネスモデルなので、AMFにも韓国の会社にもリスクがないですし、配送も3日くらいの短期間でできるんですよ。今はそこにインフルエンサーのPRも追加していて、商品をインスタなどのSNSで見た子が買ってくれる仕組みです。

藤原

そういうのって、今は中国なんかでも流行っているみたいだね。

椎木

そうです。

藤原

バイヤーが直接卸業者のところに行って、リアルタイムで服が売れたり。どこにいてもニューヨークやパリで買い物できるみたいなことになってくるんだね。……この流れに僕自身がついていけるかどうか、段々心配になってきました(笑)


流行・時代の変化を上手く事業に取り入れ、事業を拡大してきた椎木さん。彼女自身は、今後のキャリアをどう考えいるのか? 後半では、彼女のキャリア観を深堀して聞いていく。

本記事の動画はこちら

企画・撮影協力/(株)ビジネス・ブレークスルー


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