スキルアップ Vol.21

女性営業マンが持つ6つの強みと、それがデメリットに変わるとき【連載:太田彩子】

“かしこカワイイ”を目指す
営業女子のお作法
営業女子の、営業女子による、営業女子のための連載コラム! 「営業部女子課」の太田彩子が悩める営業女子たちに贈る“オンでもオフでも輝けるヒント”。
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「営業部女子課」主宰 太田彩子女性営業を応援するコミュニティ「営業部女子課」主宰。早稲田大学法学部卒業後、リクルート『Hot Pepper』創刊期にメンバーとして携わり、営業として数々の社内表彰制度に表彰されたのちに起業。「女性営業の人材育成」や「女性の働き方」を専門とし、女性営業プロジェクトやダイバーシティプロジェクトの立上げ・企画支援を精力的に行う。「1億売るオンナの8つの習慣」(かんき出版)や「成功できる人の営業思考」(PHPビジネス新書)など

こんにちは。「営業部女子課」主宰の太田彩子です。

前回のコラムでは、「営業職に就く女性の特徴」や「男性の中で女子力を発揮させる方法」についてお話しさせていただきましたが、2回目となる今回は、「女性が持つ6つの強み」や、「営業女性のメリット・デメリット」などを紹介したいと思います。

今回のテーマ:『紅一点のチーム! 顧客も会社も男性だらけの中で、私はどうやって女子力を発揮すればいいのか?』第2回

女性が持つ“6つ”の強みとは?

営業女性ならではの勝ち方や、自社で取り扱う商材の売り方において、最大の武器になるものは何だろう? そう考えた時に、女性が持つ6つの強みを最大限に活かせば、今後の勝ちパターンを模索できるのではないかと思います。

まず1つ目は、“共感性”

これは実際に、イギリスにあるケンブリッジ大学で、“共感指数(empathy quotient)”というものを男女別にそれぞれ分析した結果、女性の方が共感する能力が高いという調査結果がでました。

営業女性の働くモチベーションとして共通する点が、「自社の数字目標を達成したい」というよりも、「お客さまを助けたい」「お客さまからありがとうと感謝されるのがうれしい」が挙げられます。その背景にあるのが共感性です。お客さまに自らが歩み寄って共感しながら、提案することによって、より良い課題解決が図れるのではないでしょうか。

次に2つ目は、“協調性”

これは、他人と調和を取る力や、一緒になって頑張ることができる力なのですが、これぞまさに営業の世界において、最も必要とされる力なんです。

実際に、ある大学における実験結果では、男性ばかりいる組織よりも、その中に女性が一人でもいる組織の方が、パフォーマンスが上がったという結果が出ています。メンバー同志の調和をはかりチームワーク力を向上させたそうです。協調性は、女性が持っている強みの1つです。

営業というのは、「売り」と「買い」両者が満足してこそ成り立つもの。二人三脚で一緒に頑張る協調力は不可欠です。

3つ目は、“親和性”

女性は、誰とでもすぐに仲良くなれることが多いんですね。そして第一印象も良い。

それが顕著に表れたのが、男性が多い研修と女性が多い研修で比較をしてみたアイスブレイクの場面でした。女性は研修スタート時から堰を切ったように話し出し、その中では笑顔も多く見受けられました。一方で、男性同士の場合では、会話が非常に少なく笑顔が少なかったのです。

営業活動というのは、お客さまの懐に飛び込んで信頼関係を築くという“人たらし力”が求められるため、すぐに打ち解けて仲良くなれるということは、お客さまにも好かれやすいということにも繋がります。

4つ目は“勤勉性”、5つ目は“繊細性”

勤勉性とは、1つのことに対して真面目に取り組む力です。

決して大雑把ではなく、細かい約束をきちんと覚えていて、それを守ったり、小さなことでもコツコツと続けられる。営業にとって、最も必要とされることの1つだと考えます。

例えば、顧客の細かい要望に対しても真摯に受け答えることができる力です。

そして、繊細性とは相手に対して思い遣りを持てたり、細かい所まで気を配って相手の気持ちを敏感に読み取れる力です。

とある会社で実際にあったことですが、男性と女性での見積書の出し方に大きな違いが見られました。男性の場合、ダイナミックな提案をもとに最初の一回や二回で見積りを決めようとした反面、女性の場合は、お客さまと何度も相談をしながら何度も見積書を提出したんです。すごく慎重かつデリケートな仕事の進め方ですよね。

時にはロジカルな提案も必要なシーンもありますが、お客さまの希望をしっかりと汲み取って、細部に至るところまで「気が利く」視点は必須。また、繊細性が高い人は相手の気持ちを先回りできたりもします。この2つの能力をダブルで活かすことができるのが女性営業の強みです。

最後となる6つ目は、“母性”

これは、どんな女性にでも「子どもを生んで育てる」という本能的な部分が備わっているように、最終的には利害関係なく、責任を持って相手の為に頑張ることができる力です。

営業にとって最後の踏ん張りどころは、やはり“底力”になってくると思います。

「何とかして、このお客さまを幸せにしたい!」とか、「同じチームのために、会社のために貢献したい!」という、強い底力を発揮することができる。

これらの能力の高さについては個人差があるため、女性はこうで男性はこうだと一概には言えませんが、男性と女性で体のつくりが違えば、脳のつくりも違うと一般的にも言われているように、女性ならではの強みがあるからこそ、営業女子の“勝ちパターン”というものがあると思います。

ですから、何もオス化してまで営業男性の真似をしなくとも、女性が持っている“良い強み”を活かした営業ができるのではないか、と私は考えるのです。

しかし、女性の強みとなるメリットとして上記で挙げられたものが、逆にデメリットと化す場合もあります。

“見えないブレーキ”を踏んでいることを自覚する

例えば、共感性や協調性というものは、相手に共感し過ぎると、お客さまの言いなりになってしまう恐れがあります。お客さまだけに近くなり過ぎると、営業としては本末転倒ですよね。そのためには、お客さまを幸せにできることと、会社から期待されること、両社のバランスをしっかりとることで、解決することができます。

親和性においても、すぐに打ち解けられる一方で、お客さまと仲良くなれるけれども、仕事に発展しないケースが考えられます。また、「会いやすい人」にばかりアプローチしてしまうのも同様です。「良い人」だけに終わらない自覚も持つことです。

勤勉性や繊細性が裏目に出ると、細かいことにクヨクヨしてしまう。これはメンタル面の問題も関係してきますが、女性脳のつくりの構造として、男性よりも女性の方が悩みを抱え易いと、一般的には解明されているそうです。

例えば、何度電話をしてもアポがとれなかった時、辛くなって落ち込んでしまうと同時に、うまくいかない状況が一生続くかのようにとらえてしまったり。また気を遣い過ぎるあまりに、営業としての一歩が踏み出せなくなってしまう。

最後の一押しをするクロージングの場面で遠慮し過ぎてしまったら、当然他社に持って行かれますよね。

ですから、クロージングが弱い営業女性というのは、結構多く見受けられるんです。でも、営業活動の最後はWin-Winに着地させる必要があるので、自分自身で“見えないブレーキ”を踏んでいることを予め自覚することが大切です。

また、自分の中で「おせっかいかな……余計なお世話かな?」思ってしまうことでも、お客さまにとっては有益な情報や、結果として助言を提供することにもなる可能性が大いにあります。躊躇せずに突き進むべきシーンでは、営業として貫き通してほしいですね。

結局のところはお客さまのため、そして皆の幸せのためですよね。営業は、そのバランスをうまくとることが非常に重要となってくる仕事です。

『紅一点のチーム!顧客も会社も男性だらけの中で、私はどうやって女子力を発揮すればいいのか?』第3回目では、「かしこカワイイ女子」になるための方法や、「多様性が発揮される時代に求められる営業」などを詳しくご紹介いたします。

構成/ヨシダマリトモ

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営業部女子課
営業部女子課
太田彩子が主宰する、女性営業コミュニティでは日本最大級「営業部女子課」。その輪を全国47都道府県に広げる「花咲かプロジェクト47」をスタートさせ、各地元の女性リーダー(通称:花咲か特派員)とともに「女性の営業力」×「地域活性」にも取り組んでいる。
公式HP:営業部女子課: http://eigyobu-joshika.jp/

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