スキルアップ Vol.68

営業女子の成長過程――先輩になったらまず持ってほしい3つの考え【連載:太田彩子】

“かしこカワイイ”を目指す
営業女子のお作法
営業女子の、営業女子による、営業女子のための連載コラム! 「営業部女子課」の太田彩子が悩める営業女子たちに贈る“オンでもオフでも輝けるヒント”。
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「営業部女子課」主宰 太田彩子女性営業を応援するコミュニティ「営業部女子課」主宰。早稲田大学法学部卒業後、リクルート『Hot Pepper』創刊期にメンバーとして携わり、営業として数々の社内表彰制度に表彰されたのちに起業。「女性営業の人材育成」や「女性の働き方」を専門とし、女性営業プロジェクトやダイバーシティプロジェクトの立上げ・企画支援を精力的に行う。「1億売るオンナの8つの習慣」(かんき出版)や「成功できる人の営業思考」(PHPビジネス新書)など

「営業部女子課」主宰の太田彩子です。

前回のコラムでは、「子どもができてからも営業を続ける方法」について紹介させていただきました。今回のテーマは、「営業女子の成長過程」です。この4月に新人が入って先輩となった方、人事異動などがあった方もいるのではないでしょうか。今回は、営業女子がどんな成長の仕方を目指すべきか、そして新人時代を終えたらどんなマインドを持つべきかを紹介します。

今回のテーマ:『営業女子の成長過程』

1、「後輩ができること」は成長のチャンスだと考えよう

初めて後輩を持つことになった方にお伝えしたいのは、先輩になることは、成長する良いチャンスになるということです。なぜなら、「先輩」になって誰かに教えるということは、自分が一番学べるから。自分が理解していないことを他人に教えることは不可能なので、後輩の指導を通じて自らも多くを学ぶようになります。

また、後輩ができると「先輩にならなければ」という思いから成長の階段を上ろうとします。すると、自分を客観的に見られるようになる。後輩を指導しているときに、「自分にもこういう部分があるかもしれない」と内省したり、「こういうところは伸ばしていける機会だ」と長所を学んだりできるのです。

どうしたら後輩にやるべきことを上手く伝えられ、役に立てるか? と不安を感じるのであれば、「どんな伝え方であれば、言われた側は動きたくなるだろう」と相手の立場になって考える。一方的な指示よりも、相手に考えさせる質問を投げかけたり、全部自分がやってしまわずに、相手にもやってもらう。一つひとつ小さな成功体験をスモールステップ法で進めることで、後輩にも自信が芽生えるようになります。

2、「先輩としての自分」に慣れてきたら、「時間の使い方」も工夫してみよう

新人時代が終わり、先輩となるとより多くの成果を出すことが求められます。成果を出すためには、何が必要なのでしょうか。

この先、成果の出し方は多様化していきます。全ての営業がフル回転だけで勝負する時代は終わって、多様なプレイヤーがさまざまな方法で結果を出す時代になるのです。そこで重要になるのは、時間の使い方。当然ながら、新人時代を脱して「先輩」になり始めるときには、「限られた時間内で成果を出す」ことも期待されてきます。

トップセールスの女性は最近、どの会社でも皆、早く帰っているという傾向があります。早く帰っているのに結果を出している。行動分析をすると、彼女たちは朝型で、重い仕事ほど午前中に集中して取り組んでおり、昼間の行動に無駄がありませんでした。昼間も集中して淡々と仕事を進め、15分単位くらいでスケジュールを区切って仕事をしている。

先輩になったからといって、いきなり効率良く成果を出せるようになれとは言いません。でも、例えば、この日はお客さま回り中心、この日は内部作業中心、など効率のよい動きをスケジュール調整してみたり、もしくは、1日のうち15分だけ「バッファー時間」を設けて、終わらなかった仕事を終えられるような余白時間を予め設けてみたり。そして、「今日は〇時までに帰る」と決めて、1分1秒も無駄にしないつもりで働く! など、自分なりに効率化を図ってみることはできるのではないでしょうか。

それで結果を出せば、会社に新しいモデルを作ることにもなるのです。

3、完璧なロールモデルはいない。自分がロールモデルになればいいと考えよう

仕事も慣れてきて将来のことも考えるようになると、「女性のロールモデルがいない場合、どうすべきか」という声を耳にすることもあります。

率直に言えば、完璧なロールモデルは存在しません。自分と同一の性格の人はいないし、誰かをまねしようとしても、性格が違うのだから苦しくなってしまう。

そのため、ロールモデルを一人に絞るのではなく、先輩方のいいとこどりをして、理想的な自分を作るのが得策。後輩の指導方法はAさんから学び、仕事の両立方法はBさん、営業はCさん……といった具合です。また、ロールモデルを女性に限る必要もありません。男性の先輩や尊敬する人の長所を、自分の将来像に重ね合わせることもできます。

「うちの会社には育児と営業を両立している女性の前例がなく、ロールモデルがいない」と嘆くのではなく、これからはいろいろな人のいいとこどりをして、新しいモデルを自分が組立てていけば良いのです。

働き方も多様化が受容されてきている今日。誰かを完璧にまねしよう、とか、自分がロールモデルにならなきゃ、とシャカリキになる必要はありません。先人のまねしたい部分を取り入れながら、自分らしいキャリアを描いていけばいいのです。

成長過程のお話からキャリアの描き方まで、ちょっと壮大なアドバイスになってしまいましたね(笑)。後輩ができたばかりの女子の皆さん、ぜひステキな先輩女子になってくださいね!

構成/飯田 樹

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営業部女子課
営業部女子課
太田彩子が主宰する、女性営業コミュニティでは日本最大級「営業部女子課」。その輪を全国47都道府県に広げる「花咲かプロジェクト47」をスタートさせ、各地元の女性リーダー(通称:花咲か特派員)とともに「女性の営業力」×「地域活性」にも取り組んでいる。
公式HP:営業部女子課: http://eigyobu-joshika.jp/

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